●JAL、成田便再開へ──シカゴから日本を結ぶ2路線体制が始動

6月1日、晴天に恵まれた午前10時過ぎ、シカゴ・オヘア空港第3ターミナルのK19ゲートに、真っ白でエレガントなJALのボーイング777-300ER型機が姿を現しました。通常であれば羽田行きのJL9便として出発するこの便ですが、JALはこの日から昼間は成田便、深夜には羽田便の2便体制で運航することになりました。

2020年3月、それまで成田便だったJL9便が羽田便に切り替えられて以来、JALがシカゴから成田へ定期便を飛ばすのは実に5年ぶりのことです。実のところ、成田と羽田の両空港への就航は以前から計画されていたものの、直前でコロナ禍により断念されたという経緯があります。そうした背景からも、今回の成田便(JL55便)の就航は、JALにとってまさに悲願の実現となりました。

この日は初便を記念し、K19ゲートにてセレモニーが開催されました。大学生の祖父江瑠夏さんと地元の高校に通う長屋陽音さんによる爽やかなバイオリン・アンサンブルで幕を開け、続いてシカゴ航空局のチーフコマーシャルオフィサーのアンバー・リッター氏、JALの共同事業パートナーであるアメリカン航空カスタマーケア部シニアマネージャーのラジ・シドゥ氏によるスピーチが行われました。そしてこの日のためにニューヨークから駆けつけた、JAL米州地区支配人の小山英之氏が登壇しました。
  
小山氏は、1983年に日系航空会社として初めてシカゴへ就航して以来、数々の困難を乗り越えながらJALを支えてくれた乗客の皆さまへの感謝の気持ちと、羽田・成田の二路線体制にかける強い決意を語りました。

搭乗が始まると、初便を記念して、オリジナルデザインの「御翔印」をはじめ、トートバッグ、ボールペン、トラベルタグなどの記念品が乗客一人ひとりに手渡されました。その後、JL55便はJALスタッフに見送られながら予定通り午後12時30分に出発し、12時間42分のフライトを経て、成田空港の63番ゲートに予定より少し早く到着したとのことです。
 
私たちシカゴ在住者にとって、JALが羽田に加えて成田にも便を運航することにより、これまで以上に多くの選択肢が生まれることになります。今回の成田線は、東南アジアやインド方面への需要増加を見込んだものですが、同時に、成田空港を経由して日本各地へのアクセスが広がり、より気軽に地方への空の旅を楽しめるようになることも期待されます。
なお、このJL55便は、8月31日までは毎日シカゴを午後12時30分に出発し、9月1日以降は出発時刻が12時10分に早まり運航される予定です。

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