シカゴの寒い冬、ついつい週末も暖かいおうちでぬくぬくと過ごしがちですが、読者の皆さんには冬の間もアクティブにシカゴを楽しんで頂きたかったので最近話題のシカゴ市内のベーカリー特集をあえてこの時期に持って来ました。編集部員の通称『先輩』と『たまちゃん』のデコボココンビが見つけた美味しい朝のパン屋さんを是非おためしあれ!
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夏の間は小さな噴水のあるお庭でのダイニングも |
先輩:おはよう、たまちゃん。あれ、なんか今日はごキゲンだね。
たま:先輩、おはようございます。ええ、実はルームメートが昨日シカゴ市内のパン屋さんでフレンチバゲットを買ってきてくれたので、今日の朝それを食べたんですけど、二日目なのに、とっても美味しくって。もう感動しちゃってパクパク食べて来ちゃったんです。
先輩:へ〜。それって、切ったら大きめの穴や小さい穴がプツプツあいてる感じのやつ?
たま:そうです、そうです。結構いっぱいあいてて、失敗作なのにこんなに美味しいんだってビックリしました。
先輩:ははは。それは決して失敗作なんかじゃないよ。あの穴はパンの中に蒸気が十分に行き渡っている証拠でね。
一般的には、良い状態の穴が適度にあいている事が良いバゲットの証だって言われてるんだ。
たま:そうなんですか!私はてっきり焼き損じたのをルームメートが安く買ってきたんだと思ってました。
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窓が多くて明るい店内は週末の朝ごはんにぴったり |
先輩:まあ、材料や焼き方によっても違うから一概には言えないけどね。でも朝から美味しいパンを食べてきたなんて羨ましいな。
たま:でも本当は焼きたてのパンを食べたいですよね。お店いっぱいに小麦の香りが立ち込めたカフェで美味しいパンが食べれたら幸せですよ。
先輩:いいねえ。じゃあ明日は週末だし、シカゴ市内の話題のベーカリーを案内しようか。ちょうど編集長にも寒い冬でも読者がアクティブになれる企画を考えろって言われてたんだ。週末の朝にドライブしてパンを買いに行くってのも悪くないよね。
たま:それいいですね!
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パンやペイストリーは全てその日のハンドメイドばかり |
★Baker & Nosh(閉店しました)
1303 Wilson Ave., Chicago, IL 60640
/ www.bakerandnosh.com
たま:先輩、おはようございます。まず最初はルームメートが教えてくれたアップタウンにあるBaker
&Noshです。ふわぁ〜(大あくび)。
先輩:おはよう(苦笑)。そっか、Baker
&Noshだったんだね。お友達はいいお店を知ってるね。ここって、昔ホテルだった建物を改装してあるんだよ。
たま:ベーカリーといってもカフェのような感じなんですね。彼女の話だと、夏の間は小さな噴水のあるお洒落なお庭で食べることもできるそうです。職人さん達がパンを作っているキッチンをガラス越しに見ることもできるし、ベーカリーレッスンのクラスを取ることもできるんだとか。
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焼き味バツグンのブリオッシュはマストアイテム |
先輩:そうなんだ。ここで販売されているパンやペイストリーは全部その日のハンドメイドというのがこのお店でね。オーナーのビルさんはこのお店を開く前は有名なル・コルドン・ブルー料理学校の講師でもあったんだ。
たま:それにしても窓の大きな明るいお店ですね。うわぁ、美味しそうなパンが所狭しと並んでます。あ、このクロワッサン美味しそう〜。
先輩:おお、そういえば言い忘れてたけど、編集長にベーカリーの取材に行くって言ったらクロワッサンの食べ比べをして来いっていう指令を受けてね。だから今回の取材では殆どのお店でクロワッサンを食べるのでよ〜く味わって食べてね。(クロワッサンの食べ比べ)
たま:では早速昨日のバゲットを焼きたてで食べてみましょう。う〜ん、やっぱり気泡がたくさんあいててバターを付けただけでこんなに味が膨らみます。
先輩:うん、確かに噛むごとに小麦の香ばしさが口の中に広がるね。そういう意味では、このチャバッタも美味しいよ。こっちの方が噛み応えがある分、味わいも深くなるよね。
たま:チャバッタってのは確かイタリアのパンでしたよね。
先輩:そうそう。だからバターよりもオリーブオイルで食べるのがお勧めかもね。それにここのチャバッタはもっちりしているから水平にカットしてハムやチーズを挟んでパニーニにするのもいいと思うよ。
たま:いいですね〜、それ。挟み系のパンというと、お店の人がこのマルチ・グレインのパンを勧めてくれました。表面は適度にかたくて、中はこれももっちりしています。
先輩:あ、ホントだ。これも美味しいね。色んな素材の良さが出ているから、噛むごとに違ったグレインをミックスした味を楽しめるのも面白いね。塩分も適度に感じられるし、これもサンドイッチにピッタリだな。
たま:あと、ルームメートがここでは絶対ブリオッシュを食べろって言ってたんで買ってみたんですよ。先輩もどうぞ。
先輩:へ〜。ではお言葉に甘えて。どれどれ、お、ホントだ。美味しいよ、これ。最初は表面の焼き色がかなりしっかり付いているので硬めなのかな?と思ったんだけど、実際にはビックリするほどしっとりしていて玉子とバターの良い香りが鼻に抜けていく感じだね。
たま:同感です!お店の人がジャムとも合うよ言ってラズベリージャムを一緒につけてくれたんですが、これがまた良く合います。これは読者におススメできますね。
先輩:うん。いいのを教えてもらったね。あと、このお店にはフリッタータっていう玉子料理があるんだけど、それも美味しいよ。
たま:これですね。見た目は玉子の入ったマフィンのような感じです。表面はしっかり固めですが、中は空気が沢山含まれているので口当たりがふんわり柔らかく今まで食べたことがないような食感がおもしろい驚きです。
先輩:イタリア料理なんだけど、今日のにはほうれん草とスクワッシュが入っているね。このスクワッシュがまるで黄身のようなコクをくわえてくれているのが好印象だな。
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最近クラークストリートに引っ越してきました |
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どれも職人さんが丹精こめたペイストリーばかり |
★Vanille Patisserie★
2108 N Clark St, Chicago, IL 60614
/ vanillepatisserie.com
たま:二軒目のVanilleはえらく高級そうでお洒落なお店ですね。店内はダーク・グレーでまとめられていてとってもシックな雰囲気です。
先輩:ここは伝統的なヨーロピアン・スイーツにモダンなテイストなどを加えたペーストリーが中心のお店なんだけど、クロワッサンをはじめとしたパン類も美味しいと評判なんだ。ちょっとしたパーティーも出来るように個室もあるんだよ。
たま:なるほどパリパリしたクロワッサンが美味しそうです。これが今日のお目当てなんですね。
先輩:うん。でも、クロワッサンやスイーツの美味しさばかりが脚光を浴びているんだけど、ここのデニッシュも美味しいんだよ。ほら、このレーズン・デニッシュを食べてみて。
たま:は〜、これは甘さ控えめで高級感漂うデニッシュですね。レーズンもたっぷり入ってます。私みたいなレーズン好きにはたまりませんよ。なるほど、デニッシュもパン生地を薄く延ばしてバターを塗り込んで何重にも重ねて巻き込んでるし、ここはそういう『層系』のパンが美味しいのかも知れませんね。
先輩:そうかもね。こっちのスイート・チーズ・デニッシュも気に入るとおもうよ。滑らかでコクのあるクリームチーズとパリパリッとしたた生地のコントラストがたまらないんだ。
たま:ホントですね。それにしても、よくまあ、デニッシュひとつをこんなに丁寧につくりますね。職人技に脱帽です。
★Pierrot Gourmet★
108 E Superior St, Chicago, IL 60611
/ chicago.peninsula.com/en/fine-dining/pierrot-gourmet-cafe
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高級感と居心地の良さが同居したお洒落な空間 |
先輩:本日の三軒目はペニンシュラ・ホテルの一階にあるカフェ・ベーカリー、Pierrot
Goumet。あらためて紹介するまでもなく超有名なお店だよね。最近だと2013年に世界ペーストリー大会でチャンピオンに輝いたし、さっき行ったVanilleの創業者の一人ディミトリ・ファヤードさんを迎えた事でも話題になったよね。
たま:そうだったんですか。このお店もペーストリーはもちろん、クロワッサンが絶品!だと評判ですよね。
先輩:うん。でもクロワッサンは後でまとめて紹介するので、今日はこのチョコレートパウンドケーキを食べてみてもらえるかな?
たま:うわ、美味しそうですね。では頂きます。最初、上についている砂糖の部分がちょっと甘すぎるかなと思ったんですが、マーブルケーキになっているチョコレートの部分のカカオの香りやリッチな味わいがすごく美味しくて感激しました。
先輩:このしっとり感がやみつきになる魅力だよね。でも確かに僕ももう少し甘さが控えめだったらいいかな。
たま:この位の甘さの方がこのお店のコーヒーには合うのかも知れませんよ。ミシガンアベニューのショッピングで疲れた人にとってはこの甘さは天国かも知れませんしね。
先輩:まあ、確かに甘さってのも主観だからね。例えばこのシナモンロール、シナモンの香りが効いていて、しっとりとしてるよね。アイシングにはレモンを入れていてとっても爽やかに仕上がってるんだけど。。。
たま:人によっては甘いと感じてしまうでしょうね。
★D'amato's Bakery★
1124 W Grand Ave, Chicago, IL 60642
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カカオの香りやリッチな味わいが美味しいパウンドケーキ |
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120年前から使っているブリックオーブンで焼いたパンの卸売りもやっています |
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パンだけでなく具沢山で美味しいピザも大人気 |
先輩:フレンチ系が続いたので、次はイタリアン・ベーカリーのD'amato's
Bakery。ここはシカゴでは超珍しい炭火の石釜を使っているお店なんだ。
たま:そうみたいですね、さっきお店の人にも教えてもらいました。その石釜は、130年以上も使われているそうですよ。数年前にリモデルした時に炭火を消したら、石釜が冷めるまでに7日間かかったんだそうです。
先輩:ははは、凄いね。そんな石釜だからこそ出せるのがこの上質のクラストなんだろうな。このホワイトローフとウイートローフを食べ比べてごらん。
たま:どちらも噛み応えのあるザクザクしたクラストが美味しいですね。なのに中はしっとりとやわらかくって。このクラストの硬さこそが石炭オーブンならではの食感なんですね。
先輩:最近はガスオーブンを使っている所が殆どだからね。やっぱりこのクラストの程よい硬さを出すのには石炭オーブンが一番なんだってね。おかげでクラストは硬いんだけど、とっても軽い美味しさだからサンドイッチに合うんだ。
たま:こっちのウイートはクラストの部分がさらにもっと小麦の良い香りがしますね。こちらも香ばしくて私はサンドイッチにするならこっちの方が好きかも知れません。
先輩:あと、やっぱりイタリアンベーカリーに来たんだからフォカッチャは外せないね。お勧めはこのマッシュルーム・フォカッチャ。マッシュルームがふんだんにのっていて、どちらかというと意外と酸味が少なめでマイルドな味わいだと思うよ。
たま:あ、ホントだ。チューイーでもっちりとやわらかい生地の上にほどよい酸味のプラム・トマトとマッシュルーム、オレガノなどのハーブがのってるんですね。食感がとってもよくて、全体的には思ったほど酸味が強くなくてマイルド。塩味もちょうどいいです。
★Floriole Cafe & Bakery★
1220 W Webster Ave, Chicago, IL 60614
/
www.floriole.com/
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住宅街の真ん中にひっそりとある隠れ家のようなベーカリーカフェは大人の雰囲気 |
先輩:このFloriole
Cafe &Bakeryは最近の僕のお気に入りのお店なんだ。住宅街の真ん中にひっそりとある隠れ家のような佇まいもいいだろ。カフェも落ち着いた雰囲気なんだけど、とってもオープンな感じになってるんだよね。せっかく来たんだから、このベイクド・エッグっていう朝食メニューを食べてみてくれる?
たま:これまでも色んな玉子料理を食べてきましたが、これは初めて食べました。パリパリこんがり焼いたバゲッドの上にアルグラとマッシュルームがのってるんですね。サイドについてるのは、ゆで卵とクリーム系のソースをグラタンのようにオーブンで焼いたものみたいですね。
先輩:そう、その玉子をパンや野菜につけて食べるんだ。
たま:おお!熱々の玉子にクリーミーなソース、バゲッドのパリパリ感、アルグラの苦味、おまけにマッシュルーム、と色んな複雑な味わいが口の中で絶妙な一体感を生み出しますね。このアルグラの苦味がかなり効いてますね。う〜ん、大人の味です。
先輩:そうそう、全体的に大人の朝食のお店って感じなんだよね。あと、Deep
Dish
Quicheっていうのもあるんだけど、これはアルグラとチーズの入ったキッシュで、Deep
Dishというだけあって、生地の部分に厚みがあってすごいボリュームなんだ。サクサクしていて、それでいてやわらかくてバターの香りが良いクロワッサンのような生地の上に玉子の部分がとろとろ濃厚でめちゃくちゃまろやかなんだよ。
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他店ではみかけない珍しいペイストリーなどバラエティーも豊富 |
たま:お店の奥のにあるキッチンはガラス張りになってるから、中でケーキやパンを作っているところが見れるのも面白いです。
先輩:このお店のシグネチャーのガトー・バスクを食べてみてよ。これはウォールストリートジャーナル紙でも紹介されたことのあるソフトクッキーのようなお菓子なんだけど、外は固めでサクサクしてるんだけど、中はしっとりとしたフランスのバスク地方のお菓子なんだ。
たま:へ〜、ガトー・バスクなんて初めて聞きました。スライスアーモンドのクランチーな歯ざわりとさくさくしたクッキーの部分、それからホロホロしっとり柔らかい部分などいろんな食感が一度に味わえるんですね。ブルーベリーも入ってます。うん、美味しい!こっちの茶色い面白いかたちをした焼き菓子はなんですか?
先輩:これはね、カヌレっていうフランスのボルドー地方の伝統的な焼き菓子なんだけど、これもシカゴでは他にあまり見たことがない珍しいお菓子だよね。外側は固めでカスタードのような内側はむっちりと弾力がある。
たま:ラムの香りがとっても良くで、ほのかな苦味が大人のお菓子ですね。
先輩:このカフェでは毎週金曜日の夜6時から9時だけピザを食べることが出来るんだけど、それもかなりの人気なんだって。
★ Hendrickx Belgian Bread
Crafter★
100 E Walton St, Chicago, IL 60611
/ hendrickxbakery.com/
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ベルギー系ベーカリーならではのお洒落なペイストリーに目移りしてしまいます |
先輩:このHendrickxは、ベルギーのパン屋さんなんだ。ベルギーはパン屋さんの質が高くて、中でも卵の黄身をふんだんに使った干しぶどうの入ったクラミックや、この時期だとブリオッシュ生地のクリスマスパン、ル・クニュなんかが有名なんだ。おまけにこのお店は美味しいクロワッサンの種類が多いことでも知られているんだ。
たま:実は、このお店の事は他の方からも聞いた事がありました。その方はBelgian
County Breadっていう大きな丸型のパンを勧めてくれたんです。だから今日は初めてそれにトライできるので楽しみです。
先輩:そうだったんだ。Belgin
Country Breadは大きいので、丸ごと一つを購入してもいいし、お願いして、半分にしてもらったり、好みのサイズで
も購入できるんだよ。このお店ではそれを使ったサンドイッチのメニューにも定評があるんだ。折角だから食べてみよう。
たま
:う〜ん、確かにサンドイッチに合いそうなパンですね。クラストの部分はとってもチューイーで、気泡がたくさんある中身の部分はふんわりしっとり、すごく美味しいです。
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クロワッサンの種類も多く、中でもヘ−ゼルナッツとキャラメルタイプはおすすめ |
先輩:ここでの僕のお勧めはこのTravel
Cakeっていうパウンドケーキ。フランスで言うところの『ガトー・ド・ボワイヤージュ(旅行用のケーキ)』なんだけど、チョコレートとバニラのマーブルになっているパウンドケーキはスライスアーモンドがクランチーで香ばしく、クラストがさっくさくで中がしっとりしてて美味しいんだ。おまけにその名の通り日持ちがするので、お持ち帰りにもいい。
たま:ほんと、甘さも控えめでとっても美味しいです。それにしても小さなお店なのに品数が多いですよね。キッシュやパウンドケーキ、ブラウニーのようなチョコレートケーキ、マカロンなども並んでます。是非また来てみたいです。
★La Boulangerie Bakery &
Cafe★
915 W Belmont Ave, Chicago, IL 60657
/ www.laboulangeriechicago.com/bakery-cafe
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有名雑誌でシカゴナンバー1のバケットのお店としてなんどか紹介されたことも |
先輩:さて、お次はレイクビューエリアにある、Belmont
駅の近くにあるLa
Boulangerie。店内には、3テーブル席ほどしかない小さなお店なんだけど、Time
Out Magazineでは何度か『シカゴで一番バゲットが美味しいお店』
に選ばれたことがあるほどなんだ。
たま:ではまずそのバゲットを頂きましょう。あ、こんがりと飴色に焼きあがった皮はとっても薄いですね。まるで玉子の殻みたいです。ああ、それにこの香り!微妙な酸味を感じるような芳香がたまりませんね。
先輩:そうだね、酸味が強すぎるのはバゲットにとってはよくないんだけど、この適度な酸味こそが、生地が十分に発酵していた証拠なんだそうだよ。
たま:そしてこの大きさがまちまちの気泡もいいんですよね。では早速食べてみますね。うわあ、このコク!たまりません!クラストの部分はパリパリしているのに、中はとってもしっとり。この大きくて長いバゲットを一人でぺろりといけてしまうかも!
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美味しいバケットを使ったサンドイッチにも定評があります |
先輩:ははは。確かに。このお店ではスタンダードのバゲットの他にもベーコンとチーズがバゲットの中に練りこまれているものなんかもあってね、そっちも僕のお勧めなんだ。ハイ食べてみて。
たま:う〜ん、確かにこれも美味しいです。他にもエピ(麦の穂のかたちをしたパン)や、バタール(短めのバゲット)、ブール(丸いパン)なんかもあるんですね。全部試してみたいです!
先輩:あと、ここはクレープも美味しいんだよ。セラノ・ハムやマンチェゴ・チーズ、フィグ(いちじく)、スライスアーモンド、サラダ菜のミックスが入ったスパニッシュ・クレープをオーダーしておいたよ。
たま:へぇ〜、このクレープ、黒っぽい色なんですね。え?そば粉のクレープなんですか?新〜鮮!プロシュートに似たセラノ・ハムの塩気とマンジェゴチーズのコク、それにほんのり甘いイチジクとカリカリのスライスアーモンドに日本のクレープのように薄い生地でくるまれて一体感がいい感じです。食べる場所で少しずつ食感や味わいが変わるのも楽しいです。
先輩:そうだね。他にもグリルしたチキンに大きなスライスのブリーチーズ、アボカドにサラダ菜のミックスをはさんだウイスコンシンっていうサンドイッチがあるんだけど、これも大きなスライスのブリーチーズの味が意外と強くなりすぎてなくて、逆にチキンの風味をとても引き立ててくれるんだよね。アボカドのアクセントも効いてて僕は好きなんだよな。
たま:その他にもキッシュや、エクレア、タルトにマカロンなんかもあって、週末に訪れるのが楽しくなりますね。
★La Fournette★
1547 N Wells St, Chicago, IL 60610
/ 2468 N Clark St, Chicago, IL 60614
/ lafournette.com/
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シカゴでもっともオーセンティックなフレンチベーカリーのお店として知られています |
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天井の高い明るい店内にうっとりしてしまうようなパンの芳香に溢れています |
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店頭販売のパン類のほかにクッキーやマドレーヌ、マカロンなどはオンラインでも購入可 |
先輩:そして、今日最後のお店は、満を持してこのLa
Fournette。もちろん超有名なお店だよね。オーナーシェフのジママンさんは4年に一度行なわれるパンのワールドカップ『クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー』で優勝経験のある人だしね。
たま:ジママンさんはシカゴのThe
French Pastry Schoolのチーフ・インストラクターもしてらっしゃるんですよ。このお店はフランスのパン屋さんのエッセンスが全部詰まっている感じで、さっきからとってもウキウキしてしまいます。
先輩:じゃまあ、定番だけどバゲットからいこうか。アメリカのバゲットに慣れていると結構固めに感じると思うけど、これが本場の味なんだって。
たま:はい、確かにざくざく固めで、私が知ってる日本のバゲットとは随分違います。塩味もとってもしっかりわかります。ああ、でも美味しい。
先輩:日本のパンは総じてグルテンを多めに使っているのでモチモチしているのが特徴だよね。勿論僕は日本のフランスパンも好きだし、決して否定するつもりはないけど、別物と考えた方がいいかもね。そのままバターをつけて食べても美味しいけど、ハムやきゅうりをはさんでサンドイッチにするとバゲットの硬さや香ばしい香りが一気にに引き立つね。
たま:分かります。こう、なんていうかパンのクラストの部分の味が口の中でジュワッとするんですよね。染み出てくるという感じで。
先輩:うんうん、そのバゲットとオニオンがたっぷり入ったフレンチオニオンスープもこのお店のシグネチャーでね。フレンチオニオンスープっていうとコッテりしててしつこくなりがちだけど、ここのはとてもあっさりしていてホッとする優しい味わいがトレードマークなんだ。
たま:先輩、あのPain
De Mieってのはパンドミの事ですよね。あれを以前ルームメートが買ってきてくれたんですけど、なんかパサパサしてたんですよね。。。
先輩:お店によって色々だけど、このお店のパンドミはトーストにするのが一番だと思うよ。バターをつけてトースターで焼いたら耳の部分がサクサクカリカリになって、でも中はしっとり柔らかいトーストになるはずだよ。
たま:なるほど〜、そうなんですね。早速試してみます!
先輩:この他だとブリオッシュもお勧めかな。バターと玉子をふんだんに使ってあるほんのり甘めのブリオッシュなんだけど、柔らかさが秀逸で、食べるとやさしいほっこりした気分にさせてくれるんだ。
たま:私はこっちのアプリコット・デニッシュがめちゃくちゃ気に入りました。アプリコットが甘酸っぱくて、デニッシュはさくさくふんわり軽い美味しさです。甘さが控えめでバターの香りが鼻に抜ける感じが幸せ〜。このデニッシュは今回食べた中で私的ランキングでトップです。
試してみようスピンオフ! クロワッサンを食べ比べてみよう
たま:さ〜て、ではお待ちかねのクロワッサンの食べ比べです。
先輩:ちなみに、クロワッサンの本場フランスでは両端が真っ直ぐになったものは生地にバターを使っているもので、両端が曲がっていてより三日月の形になっているものはマーガリンなどの油脂を使ったものとして区別しているんだってね。つまり、三日月型の方が日常的な安物というイメージなんだそうだよ。
たま:へ〜、なんか反対のイメージですね。
先輩:ま、所変われば品変わるって事だろうね。なので、今回の食べ比べも「アメリカに住んでる日本人が食べてみた」っていう視点になってる事を読者の皆さんには理解してもらいたいね。
たま:かな〜り予防線張ってる感じですね、先輩(笑)。
先輩:だって、パンって皆さん結構思い入れあるでしょ?でも、それをふまえた上で僕の率直な感想を伝えたいね。
Baker & Nosh
先輩: 8.5 たま: 8
たま:ここのは、カリカリ&サクサクタイプです。バターの芳醇な香りがする甘めのタイプです。噛むとバターがじゅわ〜と出てくるような感じがしてとっても美味しいです。
先輩:うん、この甘さがポイントだね。これが難しいところで、クロワッサンをどのように食べるかにも絡んでくる。そのまま食べたり、フルーツを入れたりしたアレンジを楽しむならこの甘さはいいんだろうけど、サンドイッチのように食べる場合は中に入れる具によっては合わないかも知れないな。
たま:私としては是非読者に食べてみて欲しいクロワッサンの一つですね。先輩の言うとおりこのお店にはアプリコットの入ったクロワッサンもあるんですが、そっちも適度な甘酸っぱさと香ばしさがとってもバランスいいんですよ。
先輩:うん、同感。もっちり感もあるんだけど、軽い美味しさが絶妙だよね。週末しか売ってないのが残念だな〜。
Vanille Patisserie
先輩: 9.5 たま: 9
先輩:う〜ん、スイーツに定評のあるお店だけあって、やっぱりVanilleのは、高級感あふれる丁寧なつくりが魅力的だね。表面はパリパリッとしてるんだけど、中はとってもしっとりしてる。
たま:バターの香りも良いですね。手に持った感じも結構ズッシりしてて、味わいもかなりリッチです。全体的に甘すぎず、そのまま食べるのにちょうどいいです。中も本当に綺麗な層になってるし。
先輩:うん、さっきのBaker
& Noshのクロワッサンの時のコメントと若干矛盾しちゃうんだけど、これくらいの微かな微かな甘さの方がそのまま食べるならベストだね。ボクはここの好きだわ。プレーン以外にもほろ苦いチョコレート入りも美味しいんだよな。チョコレートの分量も多すぎなくてちょうどいい。
たま:アーモンドのクロワッサンもあるんですよ。しっとりとしたアーモンド・カスタードクリームがラムの香りがよく、プリンが入ったような食感です。これは先の二つに比べてもかなりリッチなクロワッサンで大きくて食べ応えがありますね。
Pierrot Gourmet 先輩: 9 たま:
9.5
先輩:ここのは、さすが高級店だけあって、見た感じも芸術作品みたいだね。クラストの部分はフレーキーでとってもパリパリしてる。う〜ん、これはエアリーでとっても軽い!口の中に入れた途端に跳ねるような感覚がある。
たま:確かにこのパリパリ感がシグネチャーなんでしょうね。中の生地もこんなにきれいに層になってますよ。でもこんなに軽いのに、噛むとしっとりもっちりしてて、おまけにうっとりするようなバターの香りが口の中いっぱいに広がるんですよね。
先輩:プレーンタイプ以外にもクラストの上にさらにクッキーの部分があるなんとも贅沢なアーモンド・クロワッサンもあるね。中央にアーモンドバタークリームが入ってるんだけど、ずっしり重くて満足感のある甘みが魅力だね。
たま:こっちのチョコレート・クロワッサンはチョコレートの量は控えめなんですが、カカオの香りが良いリッチなチョコレートの部分とクロワッサンの部分のバランスが抜群です。
Floriole Cafe &
Bakery 先輩: 8 たま: 7
先輩:うん、これぞまさしく『挟むための』クロワッサン。甘みは本当に微かに感じるくらいで、逆に塩味が効いているのを感じるな。
たま:そうですね。これはバターの香りというよりは小麦の良い香りをとっても感じさせてくれるクロワッサンだと思います。ハムや野菜などのお惣菜をはさんだりするのにピッタリですね。サクサクだけなくて、ふんわりした食感なのでスリットを入れる時は慎重に入れたいです。
先輩:うん。でもお惣菜だけじゃなくって、ジャムやヌテラみたいな甘いものをつけて食べるのにもいいと思うよ。何にせよ、このまま食べるよりは挟む食材の美味しさを引き立てるクロワッサンだな。実際お店にはハムとチーズを挟んでいるものも売ってるけど、これ美味しいもの。クロワッサンにつぶマスタードがうすく塗ってあるんだな。このおかげで味がぐんと引きしまる。
たま:ですね。でも、こっちのアーモンドクリーム入りのクロワッサンも美味しいんですよ。ラム酒やアーモンドのリッチな香りがいいんですよね。お店の人の話では二度に分けてオーブンに入れてるそうです。おかげでこの香ばしい美味しさが出るんですね。
先輩:丁寧に作られているのがわかるよね。
Hendrickx Belgian
Bread Crafter 先輩: 9 たま: 10
先輩:ベルギー版のクロワッサン。これ、サクサクはしているんだけど全然フレーキーじゃないんだよね。それこそ普通のパンのようなしっかりしたクラストの中がきれいな層になってる感じで。
たま:はい。私も同感です。もう、限りなくやわらかいクロワッサンで、甘さもグッと少なくって塩味が分かります。だから、そういう意味ではFlorioleのに近いので、甘いスプレッドをつけたり、サンドイッチにするのにもよさそうです。適度なバターの量なので、コクがあるのにあっさりした後味でこれはこれですごく美味しいです。
先輩:ベルギーっていうとやっぱりチョコレートを筆頭にしたスイーツが有名だよね。だからお店にあるクロワッサンもチョコやヘーゼルナッツを使ったものなどのバラエティーが豊富。このヘーゼルナッツのクロワッサンは細かく砕いたヘーゼルナッツとキャラメルがクラストの部分にのってて、中にもほんのりとキャラメルとチョコレートが入っているんだけど、かりかりのナッツとキャラメルが香ばしく思わずうっとりしてしまう。とっても贅沢な気分にさせてくれる僕のイチオシアイテムかな。
たま:やっぱりチョコレートの質がいいですよね。そういう意味ではこっちのチョコレートクロワッサンにも当然リッチな香りの上質なダークチョコレートが使われているんですが、これはもう宝石みたいなペイストリーだと思います。きれいな層になったクロワッサンのふんわりさくっとした食感にはホント、うっとりさせられます。
La Boulangerie Bakery
& Cafe 先輩: 6 たま: 5
先輩:正直ここのが一番期待はずれだったかな。シカゴトリビューンでもベストクロワッサンに選ばれた事もあるって話だったのでかなりハードルが上がってたのかも知れないけど、とにかく硬めのクラストは若干パサついていて、中もドライで柔らかさがないんだね。
たま:う〜ん、このお店のバゲットのクオリティーがメチャクチャ高いだけに、ちょっと不思議ですよね。でも、一緒に食べたチョコレートクロワッサンも同じようなクラストで、中もドライさが目立つんですよね。チョコと生地のバランスは悪くないんですが。。。
La Fournette 先輩: 9
たま: 9
先輩:さすがは世界チャンピオンのお店と云うだけあって、これぞフランスのクロワッサンって感じだね。カタチもちゃんと菱形になってるしね。それにしてもこのバター、どこのバターなんだろう。この芳醇な香りは本当に素晴らしいよ。
たま:意外と甘めの生地なんですね。私もさくさくほろほろとしたとても軽い食感の上品なクロワッサンだと思います。これは、このまま食べるのが一番美味しいように思います。
先輩:うん、同感だね。でも、このお店のホームメードのジャムをつけるのも美味しいんだよ。それに、プレーンタイプ以外にもチョコレートクロワッサンやアーモンド・クロワッサンもあって、これもまた秀逸なんだ。
たま:へ〜、このアーモンドクリームもホームメードなんですね。確かに感嘆がもれそうになる美味しさです。
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