（掲載日：06/16/2025）

　シカゴのウェストループに位置する「Perilla Korean American Fare」は、韓国の伝統的な料理にアメリカンスタイルを融合させたコンテンポラリーなコリアンレストランとして注目を集めています。2024年にはミシュランのビブグルマンにも選出され、質の高い料理を手頃な価格で楽しめるレストランとして、その名をさらに広めました。高品質な肉を使った焼肉を中心に提供しており、店内にはグリル付きのテーブルが並ぶダイニング空間が広がります。天井から吊るされた煙管ではなく、グリルの横に設置された吸煙システムを採用しているため、焼肉中でも髪や衣服に匂いが付きにくく、快適に食事を楽しめるのも嬉しいポイントです。

　席に着くと、澄んだ優しい味わいの海老のスープが運ばれてきました。シンプルながらも、海老の旨味がしっかりと感じられ、食前の胃をやさしく整えてくれます。バンチャン（副菜）は、大根の白キムチ、白菜の赤キムチ、そしてコールスロー風サラダの3種と、品数は多くないものの、いずれも丁寧に仕上げられています。特に白キムチは、日本の浅漬けを思わせる繊細でまろやかな味わいがどこか懐かしく感じられました。前菜に頼んだ「Sejong Salad」は、パルメザンチーズやクルトン、スペイン産イワシがのったサラダで、ビーツを使ったタルタル風ドレッシングが特徴。ヨーグルトベースのさっぱりとしたクリーミーな味わいが印象的で、イワシのほどよい塩気と相まって、上品なバランスが光る一皿でした。また、韓国風の煮物は、辛味を抑えた優しい味付けで、ごま油の香りがふんわりと広がる、まるで日本の煮物のような一品。きのこ、人参、ネギなどがやさしく煮含められ、白ごはんとの相性も抜群です。

　メインの焼肉にはMishima Wagyuのハンガーステーキと、American F1ブリスケット、プライムビーフのショートリブを注文。どれもジューシーで柔らかく、噛むたびに肉の旨味が口いっぱいに広がります。価格はやや張りますが、焼き加減は希望通りに仕上げてくれ、“量より質”を体現する満足度の高い内容でした。締めに選んだプライムビーフのビビンバは、ガーリックライスに目玉焼き、玉ねぎのピクルス、マッシュルーム、そしてマリネされたA5和牛がのった贅沢な一皿。他店でよく見られるコチュジャンは添えられていませんが、そのぶん甘辛さに頼ることなく、素材本来の味わいが際立ち、上品かつ繊細な仕上がりが印象的でした。

　「Perilla」は、いわゆる典型的なアメリカの韓国料理店とは一線を画す、洗練された味わいと上質な体験を提供するレストランです。豪快な焼肉や濃い味付けを求める方や、小さなお子様連れにはやや趣が異なるかもしれませんが、大人向けの落ち着いた雰囲気の中で、丁寧に仕上げられた料理をじっくり味わいたい方には、理想的な一軒と言えそうです。大切な会食や記念日など、特別なシーンに利用してみてはいかがでしょうか。Riverwalkには姉妹店の「Perilla American Steakhouse」もあります。

バンチャン（副菜）；大根の白キムチ、白菜の赤キムチ、コールスロー風サラダ	パルメザンチーズやクルトン、スペイン産イワシをのせたSejong Saladは、ビーツ入りのタルタル風ドレッシングがポイント	ごま油がふんわりと香る韓国風の煮物は、優しく煮含められた野菜が美味しくてご飯がすすみます
焼肉グリルはサイドに吸煙口がついているので、匂いがきになりません。こちらはMishima Wagyuのハンガーステーキ	American F1ブリスケット、プライムビーフのショートリブ。高質なお肉はどれもジューシーで柔らかく、噛むたびに肉の旨味を感じます	ガーリックライスに目玉焼き、玉ねぎのピクルス、マッシュルーム、そしてマリネされたA5和牛がのった贅沢感極まる、プライムビーフのビビンバ