今回はノースウェスタン大学のキャンパス近くにある「Ovo Frito Cafe」をご紹介します。メキシコ出身のご夫婦が経営するこちらのお店は、メキシカン・ツイストを利かせたユニークな朝ごはんとブランチメニューが充実しています。2017年のオープンに至るまで、ご主人は二つの仕事をかけもちし、奥さんはファーストフード店で13年も働くなど、大変な苦労と下積み生活を経て作り上げた待望のお店です。そのため、お店に対するご夫婦の愛情をたっぷり感じられる、笑顔と活気に満ち溢れたブレクファスト・レストランです。

朝ごはんに欠かせない卵がテーマのお店なので、卵の黄身をイメージさせる明るい黄色を基調に、ダイニングの天井には卵の殻の形をしたシーリングライトが吊るされ、バーのあたりには鳥の巣にのった卵型のライトが置かれています。また、壁のあちらこちには卵の絵も飾られていて、どこもかしこも可愛らしい卵だらけなので、辺りを見渡しているだけでもウキウキしてしまいます。

お料理は店員さんのお勧めを伺ってThe Ten Mile OmeletとBreakfast Brito、Huevos Divorciadosを頼みました。The Ten Mile Omeletには赤玉ねぎとスイスチャード、ハラペーニョ、プロボロンチーズが入っていて、緑色のサルサソースとサワークリームがかかっています。ソテーした野菜と卵のデリケートな舌触りがよく、緑色のサルサソースの軽い苦みにサワークリームのまろやかさが絶妙。ブレクファストブリトーは卵二個分のスクランブルエッグとチョリソ・ソーセージ、ペッパー、コーン、アボカド、チワワチーズ、アドボソース、それにサワークリームをトルティアで巻いています。こちらには同店オリジナルのレッドサルサも追加でお願いしました。中に入っているチョリソはちょっとスパイシーですが、他の具材と相性が良くて味のバランスもバッチリ。隣の席の人がオーダーして気になっていたHuevos Divorciadosは揚げたコーン・トルティアの上にペースト状のブラックビーンズをぬり、その上に目玉焼きとレッドサルサ、グリーンサルサ、チーズ、サワークリーム、そしてワカモレを乗せたもの。カリカリに揚げたコーン・トルティアとトロトロの半熟卵、それにトッピングを一緒に頬張ると、口の中で各素材の甘さやまろやかさ、苦みなどが一気に交差して食べた時の満足感があります。複雑な味のハーモニーが楽しめると、こちらは今回の取材班のお気に入りになりました。

同店では料理のおいしさと新鮮さはもとより、店員さんの心遣いやサービスの良さにも感心しました。例えばコーヒーを継ぎ足してくれるタイミングや、テーブルがガタガタと傾いているのにすぐ気がついて迅速な処置をするなど、きめ細やかで素早い対応が見られました。また、お店全体の雰囲気が明るくなるようなスタッフの笑顔での接客や、楽しそうに働く姿も好印象でした。大学周辺という場所柄もあってお客さんの多くはノースウェスタン大学の学生さんやその家族、近所のお年寄りやカップルまで年齢も人種も多種多様です。一人でも気後れせずに食事が出来るカジュアルな雰囲気なので、家族でも一人でも是非立ち寄ってみてください

（11/22/2021）

赤玉ねぎとスイスチャード、ハラペーニョ、プロボロンチーズ入りのThe Ten Mile Omelet	Breakfast Britoはチョリソのスパイシーさが程よく効いたバランスの良さが◎	カリカリの揚げたトルティアと半熟卵、トッピングの見事な融合が楽しめるHuevos Divorciadosは取材班のイチオシ