（掲載日：03/24/2025）

　シカゴのダウンタウンの北西、Humboldt Park近くにある「Bulerias Tapas Bar」は、美味しいサングリアと本格的なスペイン料理が楽しめるお店です。地元で高い評価を得ているだけでなく、郊外からも訪れる価値があると評判です。白い外観が印象的な建物に足を踏み入れると、温かみのある照明に包まれた落ち着いた空間が広がり、店内は決して広くはないものの、奥行きを感じさせるレイアウトになっていて、バーエリアも併設されています。

　店名の「Bulerias（ブレリアス）」は、スペイン・アンダルシア地方発祥のフラメンコのスタイルに由来しており、その名にふさわしく、特定の日にはフラメンコのライブショーが開催され、ダンサーがテーブルの間をすり抜けるように情熱的な踊りを披露することで知られています。迫力満点のパフォーマンスに加え、すれ違うサーバーとの軽妙なやり取りも、アットホームで活気あふれるスペインの雰囲気を体感できる魅力のひとつです。なお、公演スケジュールは公式サイトに掲載されていないため、訪れる際は事前に電話で確認するのがおすすめです。

　同店の名物のひとつが自家製のサングリア。フルーティーな香りと爽やかな飲み口が特徴で、赤ワインベース、白ワインベース、ピーチフレーバー、マンゴーフレーバーの4種類があります。通常、ピッチャーで提供されるサングリアは、氷が入っていることが多いですが、同店ではピッチャーに氷を入れず、氷の入ったグラスに注ぐスタイル。そのため、サングリアの風味が氷で薄まることなく、最後まで濃厚な味わいを楽しめます。

　そんな香り豊かなサングリアのお供には、タパスの定番ともいえるPatatas Alioli、Queso de Cabra、Jamon Serrano with Manchego Cheese、そしてGrilled Calamariの4品を選びました。Patatas Alioliは、揚げたての角切りフライドポテトを自家製ガーリックアリオリソースにつけていただく一品。ホクホクのポテトに、にんにくの風味が効いたクリーミーなソースが絶妙に絡み、子どもから大人まで楽しめる万人受けする味わいです。Queso de Cabraは、トマトソースの上にゴートチーズをのせて焼き上げたディップで、付け合わせのパンにつけて食べます。クリーミーなゴートチーズがトマトソースの酸味をほどよく和らげ、よりリッチな味わいに仕上がっています。Jamon Serrano with Manchego Cheeseは、スペインの山岳地帯で生産される生ハム・セラーノハムと、マンチェゴ種の羊乳から作られるスペインを代表するハードチーズを組み合わせた一品。トマトピューレをのせたパンとともに提供され、どれも赤ワインやサングリアとの相性が抜群でした。Grilled Calamariは、イカをオリーブオイルでシンプルに調理したもので、余計な味付けがされていない分、イカ本来の旨味や柔らかさ、鮮度の良さが際立ちます。

　スペイン料理といえば、やはり外せないのがパエリア！調理には45分以上かかるため、どうしても食べたかったシーフードパエリアを、席につくと同時にオーダーしました。これまでさまざまなスパニッシュレストランでパエリアを試してきましたが、ここのシーフードパエリアは間違いなくトップクラスの美味しさ。鉄板の底についた香ばしいおこげもパエリアの醍醐味の一つですが、こちらのパエリアは、どちらかというとリゾットのように柔らかい仕上がりです。じっくりと炊き上げられたご飯に魚介の旨味がたっぷり染み込み、深い味わいを楽しめました。

　同店の料理は全般的に、昔ながらのレシピを忠実に再現したオーセンティックな味つけで、本格的なスペイン料理を求めている人にはぴったりのお店です。美味しい料理とドリンクに加え、迫力満点のフラメンコダンスも楽しめるのも魅力ですので、訪れる前に、是非、電話でイベントスケジュールを確認してみてください。郊外から電車で訪れる場合は、CTAブルーラインのWestern駅から徒歩約0.5マイルと、比較的アクセスしやすい立地にあります。

フルーティーな香りと爽やかな飲み口が特徴の自家製のサングリア	Patatas Alioliは揚げたポテトをガーリックアリオリソースでいただく定番タパス料理	ゴートチーズをのせて焼き上げたトマトソースのディップQueso de Cabra
生ハムのセラーノハムと、マンチェゴ種の羊乳で作られるスペインのハードチーズがのった前菜プレート	オリーブオイルでシンプルに調理したGrilled Calamariはイカの柔らかさと新鮮さが伝わります	スペイン料理といえば、やはり外せないのがパエリア！同店のシーフードパエリアはシカゴエリアでもトップクラスの美味しさ