春です! 寒い冬の間はインドアにこもりがちでしたが、これから夏にかけては芝生も青々として屋外で遊ぶのが楽しい最高の季節です。そこで、今回の特集では、先輩とたまちゃんが家族や友人と一緒に楽しめる色んなアウトドアゲームについて紹介していきます。
たま:ふわあああ〜(大あくび)
先輩:ん、たまちゃん、眠そうだね〜。さしずめ春眠暁を覚えずってトコかな。
たま:あ、すいません、あまりに気持ちよくってつい。それにしもここのところポカポカと暖かいですね。
先輩:うん、こう天気がイイと外で遊びたくなるよね。実は、さっき編集長に呼ばれて、今回の特集は屋外で気軽に楽しめるアウトドアゲームについて取材して来いって言われたんだ。
たま:アウトドアゲーム、ですか?
先輩:うん。どうやら編集長の家の子供達がいつもテレビゲームばっかりやってるみたいでね。たまの休日なんかもずっとテレビの前にいるのが気になるんだって。でも編集長自体がアウトドアって感じじゃないだろ?だから家族や大人同士で気軽に遊べるアウトドアのゲームについて教えて欲しいんだって。
たま:なるほど〜。お子さんと一緒に遊びたいんですね。編集長もイイトコあるじゃないですか。でも、どんなものを紹介するんですか?
先輩:そうだね、例えばたまちゃんはディスクゴルフとかって知ってる?
たま:えっと、なんか聞いた事ありますよ。ああ、あのフリスビーでやるゴルフですね。
先輩:そうそう。シカゴでもパークディストリクトなんかが管理しているコースが郊外を中心に沢山あるからプレイしている人を見た事あるんじゃないかな。それじゃあ早速明日の土曜日はディスクゴルフの取材から始めよう。
ディスクゴルフのルール
基本はゴルフと同じ。一投目はティー・ラインの後ろから投げ、2投目以降はディスクが止まった地点にマーカー・ディスクでマークをし、そこから投げます。ディスクは転がしてもすべらせてもOK。OB区域内(道路上や川、立入禁止区域など)にディスク全体が止まった場合はOBで、1ペナルティ。木の上にディスクが止まった場合は真下にマークし、そこから通常のプレーを続けます。(日本ディスクゴルフ協会のホームページ(www.jpdga.jp)より抜粋)
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★ディスクゴルフ
先輩:たまちゃん、おはよう〜。
たま:先輩、おはようございます。あれ、その二人のお子さんは?まさか先輩の!
先輩:なに言ってんだよ。二人は編集長のお子さんだよ。今日は彼らにも参加してもらって色々と覚えて帰ってもらおうと思ってね。えっと、お兄ちゃんがカズ君で、妹がノンちゃんです。
たま:カズ君、ノンちゃん、こんにちは。
先輩:さて、それじゃあ早速始めよう。シカゴ郊外には色んなディスクゴルフのコースがあるけど、初心者にもお勧めなのはこのエルクグローブにあるClark
Park(Wise RoadとMichigan Laneの角)。ここのコースは短めで基本は平らだし、川や湖などがないので初めてトライする人や特に子供さんでも気軽に楽しめるんだ。その点、パラタインにあるRiemer
Reservoir Parkなんかは起伏があって面白いコースなんだけど、池ポチャもあるし、最初はちょっと難しいので小さなお子さんには向かないかもね。
たま:あ、そのカバンに入っているのがフリスビーですね。あれ、普通のやつよりちょっと重めだし、硬い感じですね。
先輩:そう、これがフライングディスクって言ってね。上手な人になると飛び方によって何種類も使い分けてうまく木や障害物を避けて投げたりする事が出来るようになるんだけど、最初は一人一枚づつ持って回ればいいし、わざわざ専用のディスクを買わなくても普通のフリスビーで十分だ。
たま:へ〜、結構アバウトなんですね。でも欲しくなったらどこで買えるんですか?
先輩:普通のフリスビーならTargetやWalmartでも売ってるけど、Dick'sみたいなスポーツ専門店はかなりの品ぞろえだよ。ちなみに、ディスクゴルフにはちゃんとプロのリーグもあって、しっかりとしたルールの中でやってるんだけど、一般の人が遊ぶ分には最低限のマナーさえ守れば、スタートだって一番ホールから始める必要はないくらいなんだ。ルールは基本はゴルフと一緒。あの向こうに見えるバスケット型の専用ゴールめがけて出来るだけ少ない回数で入れるのを競い合うんだ。
たま:へ〜、簡単そうですね。
先輩:そうだね。ゴルフと違って空振りもないし、老若男女が気軽に一緒にプレイできるのが嬉しいよね。ただ、意外と奥が深いのでハマっちゃう人も多い。それぞれのディスクは特殊な飛び方をするように作られているので、それをマスターして自分の思い描いた通りに空を切ってうまくバスケットを揺らす事が出来ると快感なんだ。
たま:あ、子供達もどんどん投げてますね。あらら色んな所に行っちゃってますよ(笑)。
先輩:なかなかいい運動だろ?初心者相手の場合はハンデを付ければ楽しめるし、何よりうまくバスケットに入った時にみんなでハイファイブしたりする一体感がこのスポーツの醍醐味なんだ。
たま:スコアカードってどうするんですか?
先輩:それぞれのコースのホームページに行けば大抵はスコアカードをダウンロードする事ができるけど、最近はみんなアプリ(disccaddie.com/)を使っている人が多いね。
たま:時間はどれくらいかかるんですか?
先輩:そうだね、この辺りは9ホールが多いんだけど、普通にまわったらだいたい30分ってとこかな。
たま:先輩、これは本当にお散歩気分で楽しめますね。最近万歩計を買って歩くようにしてたんですが、これなら知らずにどんどん歩数も稼げます。
★KAN JAM
先輩:ディスクゴルフの様に専用の施設に行って楽しむゲームもいいけど、自宅のお庭でできると楽だよね。例えばディスクゴルフだって、お子さんが小さくてコースに出るのが面倒なら、実は自宅の庭や近所にあるちょっとした広場でも丸い洗濯かごを何個か用意すれば簡単に遊べるんだ。
たま:なるほど、確かにそうですね。アメリカ人のBBQパーティーに呼ばれると色んなゲームでエンターテインしてくれますよね。
先輩:うん、庭で遊ぶゲームの事を英語でLAWN
GAMEなんて言うけど、昔からアメリカ人は色んなアウトドアゲームを知ってるよね。特にフリスビーを使って遊ぶアウトドアゲームはいくつかあるんだけど、中でも最近流行っているのが、次に紹介するこのKAN JAMだ。
たま:あ、これ公園でやってる人を見たことがあります。なんか雄たけびをあげたりして超楽しそうでした。確か二人がチームになって対戦するんですよね。
先輩:その通り、スローワーって呼ばれる人がフリスビーを投げて、それをディフレクターと呼ばれるパートナーが受け取るんじゃなくて、叩いたり触ったりしてこのプラスティックの缶に入れるゲームなんだ。
たま:そうそう、そんな感じでした。なんか色々点数が違うんですよね。
先輩:うん、まずディフレクターがフリスビーに触れた後でそのフリスビーが缶に当たったら1点、上に開いている穴に入れる事ができたら3点だ。で、スローワーがディフレクターの手を借りずに直接缶に当てたら2点。で、先に21点取ったチームが勝ちってわけ。
たま:私が見てた時はスローワーが投げたフリスビーがこの缶の真ん中にある小さな穴に直接入ったんですけど、もう尋常じゃないくらい大喜びしてました。
先輩:その通り。その穴に入れるのを『チョグ』っていうんだけど、それが出たらその場でどんなに負けていても大逆転勝利になるんだ。これがかなり熱くなるゲームでね、ちょっと前にビーンバッグトスっていうお手玉みたいなのを投げるやつが流行ったじゃない?あれ、実際にやって面白いと思った?
たま:はっきり言って何が面白いのか全く分かりませんでした。輪投げの方がまだマシかと。。。
先輩:だよね、あの手の的投げ系のローンゲームは他にも沢山あるんだけど、このKAN
JAMはチームに分かれて単に投げるだけじゃなくてコミュニケーションを取りながらアクションをする分、うまく行った時にはかなりエキサイトしちゃうんだ。
たま:分かります。うまく入った時は確かに感激しますね。それに今気づいたんですけど、子供にとってフリスビーで遊ぶのって意外と難しいみたいですね。手が小さいからキャッチするのが大変みたいです。その点、これだと叩き落したり、触れたりしてこの缶にぶつけるのが目的だから、大人がちゃんと投げてやれば子供でも簡単に遊べますね。
先輩:うん、大人同士のルールでは缶と缶を50フィート離れることになってるけど、子供の時はその幅を縮めてやればいい。
たま:あ、子供達も楽しそうに遊んでますよ。でも、高得点を取るには意外と戦略が必要ですね、これ。BBQパーティーの時なんかに他の家族と対抗戦なんかやったら盛り上がりそうですね。
★プロリングとオービットブーメラン
たま:でもさっき先輩が言ってたように実際大人でもフリスビーってキャッチするの難しいですよね。フリスビーなんて屋外遊びの王道みたいに思ってましたが、子供さん相手だとなかなかキビシイのかも。
先輩:そうそう、確かにフリスビーって投げる方が丁寧に投げてあげないと大人でも取るのが大変なんだ。手の小さな子供は、うまくいかなくて結構直ぐ飽きちゃうかもね。そんな時にお勧めなのが、このAEROBIE社のプロリングっていう真ん中に大きな穴の開いた輪っかのようなフリスビー。これは子供でも初心者でも誰でもすぐに真っすぐに投げれるようになるし、受け取る時もフリスビーと違って縁が細くて掴みやすいし、なんなら真ん中の大きな穴に腕を入れてしまうこともできるからとってもキャッチしやすいんだ。
たま:わ、本当だ!これ、私でも綺麗に投げれます!それに気持ちいいくらいめちゃくちゃ真っすぐ飛びますよ。まるで風を切って滑るみたい!
先輩:これならフリスビーをフラフラとしか投げられないような小さな子供とでも楽しく遊べるよ。ちなみにこれの弱点は少々飛び過ぎること。広い場所でやらないと、隣の家の屋根に乗ったり、木にひっかかったりしちゃうぞ。あと、同じAEROBIE社が出しているオービットブーメランという三角形のもあるんだけど、これが面白いように投げた所にちゃんと戻ってくるのでこちらも是非試してみてほしいな。
★ラダートス
たま:先輩、なんか変な器具を出してきましたけどその梯子みたいなのはなんですか?
先輩:うん、これは二人でも四人でもできるラダートスっていうゲーム。この紐の両端にボールのついたボラスっていうのを各自3回づつ投げて、こっちのはしごみたいなのに引っ掛けるというとっても単純なゲームなんだ。このゲームは他のゲームに比べても輪をかけて誰でもできる。あんまりアクティブじゃないお母さんやお姉ちゃんがいても一緒に家族みんなでわいわい遊べるのがポイントだ。
たま:あ、でもこのボラスを投げる時の感覚が面白いですね。なんかフワリと空中を舞うような。慣れてくると好きなように回転をかけてやる事もできますね。
先輩:うん、このゲームも色々とコツや技術がある事はあるんだけど、プレイヤーのレベルは正直いってあまり関係ない。それよりも色んなルールをローカルで作って、誰でも大逆転できるようにしておくと、ヒリヒリ感がアップするんだよ。基本は3本あるうちの一番上が3点、二番目が2点。一番下が1点となってるんだけど、例えば、真ん中をマイナス2点にするとか、3本全部に引っかかったら10点にするとかね。あと、ビニールテープでバーの一部分(端っこの方が効果的)を巻いて、そこに引っかかったら高得点にするってのもあるね。
たま:あ、先輩のいってた通り、小学生の子供達がかなりハマってますね。特に女の子の受けがいいみたいですね。
先輩:このゲームは狭い所でも遊べるので、スポーツファン達がスタジアムの周りでやるテールゲート・パーティーでもやっているのを見かけるね。シンプルなんだけど、さっきたまちゃんが言った通り、狙った場所にクルクルっと絡まった時の感覚が気持ちいいんだ。
★ジャイアント・ジェンガ
たま:え〜!なんですかそれ?それはもしかしてジェンガのお化けですか?あの積木崩しの。
先輩:そうそう。大きいだろ?このジャイアント・ジェンガも屋外でやるとかなりハマるよ。ひとつのピースが木材ほどの大きさなので崩れた時の迫力も凄いから大笑いしちゃうんだ。
たま:それにしてもデカいですね!こんなのどこに売ってるんですか?
先輩:アマゾンとかネットで売ってるよ。オリジナルのジェンガ社製は積み重ねると4フィートくらいの高さになる。仕上げも綺麗なんだけど、ネット上ではもっと大きなものも販売している。僕が買ったのはゲームを始める時は2.5フィートだけど、積んでるうちに5フィート以上になるんだ。ただ、安物だったみたいで、ちゃんと表面がやすり掛けされてなくてね、買ってから一つ一つにサンドペーパーをかけるのが超面倒だった(笑)。
たま:うわあ、でも面白そうですね、子供達の食いつきが凄い!え、のんちゃん、それ取っちゃうの?倒れちゃうよ〜!
先輩:ははは、大きいと面白さも倍増するよね。ちなみに、段ボールで出来ているジェンガXXLっていうのもあって、それはなんと高さ8フィートにもなるんだよ。
たま:8フィートってバスケットボール選手じゃないと出来じゃないじゃないですか(笑)。
先輩:だよね。あと、ジェンガには普通のルール以外にも面白い楽しみ方があって、UNO的に「あと2枚取れ」とか「リバース」や「スキップ」といったオリジナルの指令を書いた紙を木に貼っておくとエキサイトするよ。あと、子供とやらない時は王様ゲーム的な事をやっても面白いぞ!
たま:先輩好きそうですね〜。
先輩:あ、そうそう、最近シャンバーグにPunch
Bowl Socialっていうボーリングや卓球をはじめとした色んなゲームで遊べるレストランができたけど、あそこにこのジャイアント・ジェンガがあって無料で貸してくれるんだ。購入する前に一度遊んでみてもいいかもね。
■Punch Bowl Social
American Ln, Schaumburg, IL 60173
/ punchbowlsocial.com
★トラックボール
たま:先輩、このラクロスのラケットの先っぽみたいなのはなんですか?プラスティックで出来ている感じですよね?
先輩:あ、これはねトラックボールっていうものなんだけど、簡単に言うとキャッチボールに使うラケットってとこかな。専用のボールは中が空洞になっているプラスティック製でね、超軽いから手首のグリップを使って投げただけでもギュンッっていう感じでボールを投げることができるんだ。
たま:あ、このボール、似たのを見たことがあります。確かウィッフルボールっていう名前で流行りませんでした?カーブとか浮くボールとか変化球が投げれるんですよね。
先輩:あ、確かに似てるかもね。でも、このトラックボールのラケットには中にギザギザのレイルが付いているから、そのおかげでこのプラスティックのボールに更にグリップがかかるので、腕力のない小さな子供でも自由自在に変化球を投げることが出来るんだ。早速やってみてごらん。
たま:はは、これ面白いですね。確かにかなり凄い変化球が投げれるんですが、ラケットが大きいし意外と捕球しやすいので驚きました。
先輩:そうなんだ。おまけにボールが軽くてホップするので滞空時間が長いから、キャッチする方は落下点に入りやすいんだね。これはどっちかっていうとたまちゃんみたいにアクティブな子供と遊ぶのに向いてるかもね。
★気分はVS嵐?!ペーパータオルでキッキング・スナイパー
たま:先輩〜、お兄ちゃんのカズ君情報なんですけどね、妹さんがテレビジャパンでもやってる『VS嵐』っていうバラエティー番組の大ファンなので、庭で『VS嵐』風のゲームが出来ないかって言ってるんですよ。さすがにクリフクライムなんかは無理だとおもうんですが、何かできませんか?
先輩:はははクリフクライムは庭では無理だけど、キッキングスナイパーごっこならできるかもね。
たま:え、でもあれって大きな筒状の缶が沢山ないと面白くなくないですよね。空き缶みたいなちっちゃいのだとチャチいし、直ぐ全部倒れちゃいませんか?
先輩:うん、だからペーパータオルのロールを使うんだ。コストコやサムズクラブでバルクて売ってるものを買って来るからちょっと待ってて。あれなら、みんなで遊んだ後はそのまま使えるから無駄がないしね。
(30分後)
たま:先輩、沢山買ってきましたね〜。なるほど、それを二組に分けて同じように組み立ててボールを蹴ってあてるってわけですね。
先輩:そうそう、4段も積んでやるとかなりの高さになるから蹴る方も楽しいと思うよ。トイレットペーパーの箱と組み合わせると色んな形もつくれるしね。
たま:それでは早速やってみましょう。カズ君〜、ノンちゃ〜ん、キッキングスナイパーやるぞ〜。
先輩:ははは、良かった〜。子供達の食いつきがいいねえ。実はこのペーパータオルを使ったローンゲームは友人宅で教えてもらったんだ。他にもアイデア次第で色んな遊びができるんだよ。例えば2チームに分かれてヨーイドンで5〜6段の高さのタワーをつくるのを競争したりね。
たま:あ、それ面白そうですね。あ、子供達が二人で協力して高く積み上げてますよ。楽しそう!お姉ちゃんも混ぜて〜!
先輩:たまちゃんが一番大きな子供みたいだなあ(笑)。でも僕も仲間に入れて〜!よ〜し、10段のタワーを目指そうぜ!
如何でしたか?取材当初は、『外での遊び方を知らないイマドキの子供達に遊び方を教えてあげよう」、なんて少し上から目線でスタートしたのですが、実際に遊び始めてみると子供達はどんどん自由にルールを変化させ、工夫したりしてもっともっと楽しいゲームを提案してきました。時には、そんな子供達が提案してくれたゲームに興じて大人の方が熱くなってしまったほどです。何はともあれ、家族全員で、または大人数で一緒に楽しみ、喜び合えるアウトドアゲームにはテレビゲームとはまた違った面白さがあるという事が子供たちにも伝わったようです。読者の皆さんも、お天気の日やお友達が集まるBBQパーティーなどで是非家族や仲間と一緒にアウトドア・ゲームを気軽にお楽しみください。
★特別編:屋外で遊んだ後はお風呂
たま:アウトドアでゲームを楽しんだ後にはシャワーやお風呂でさっぱりしたいですね。でも、『アメリカのシャワーって水圧が弱くて』とか、『肩までお風呂につかってのんびりしたいのにどうしてアメリカのお風呂ってあんなに浅いんでしょう?』なんて声をよく耳にします。特に湯舟に関しては、最近でこそ深めの湯舟のあるお宅も増えてきましたが、一般的なアメリカの湯舟だと肩までつかれないですよね。おまけにウォーターヒーターが瞬間湯沸かし器タイプじゃないと途中でお湯が無くなっちゃって悲惨な目にあうなんて事も。勿論、大金をかけて浴室をリモデル出来たらいいのですが、賃貸だとそれも無理ですし、なんとかお金をかけずに少しでもお風呂ライフをエンジョイするコツを自称「お風呂マイスター」の先輩に聞いてみました。
1)オーバーフロー・ドレインをひっくり返す。
先輩:一般的な浴槽は蛇口のすぐ下に右図のようなオーバーフロー・ドレインという金属製のパーツが付いています。このパーツが一定以上の高さ以上に水が入ってしまって浴槽からお湯が溢れてしまう事を防止しているのですが、もともと浅い湯舟なのにも関わらず、かなり低い位置に設置されている事が多いので全くお湯が溜まりません。でも、実はこのパーツ、殆どの場合ネジを外して逆さにすることができます。それだけで、お湯を二センチほど高くまで溜める事ができるようになります。さらに、巷にはオーバーフロー・カバーというものも売られており、これを使うと『更なる高みへ!』が可能になり、大人でも日本の浴槽ほどではありませんが、肩まで浸かれるようになります。ただし、実際にお湯が溢れてしまって洪水になったりすると浴室の床に深刻なダメージが出来てしまう事もありますので、くれぐれも湯舟に入る際には慎重に。少し少なめにお湯を張っておいて、自分が入ってからお湯を足すのがポイントです。
2)お湯の量を増やす為にウォーターヒーターの設定を変える。
先輩:瞬間湯沸かし器タイプでない場合、お風呂にお湯を溜めようとしても途中でお湯が無くなってしまう事ってありますよね。上記で紹介した『オーバーフロードレインをひっくり返す』をした場合、更に使用するお湯の量も増えますから、この可能性は当然高くなります。実は家庭用のウォーターヒーターは最高160°F(約71°C)までお湯を設定出来るようになっているのですが、やけど防止などの安全、それから省エネなど環境やお財布への配慮から通常は120°F(約48°C)に初期設定されています。これを高めに設定してやれば当然お湯の量は増えることになります。ガスタイプのウォーターヒーターの場合、この設定はウォーターヒーターの前にあるつまみで簡単に変更できるのでチェックしてみてください。お風呂に入る時だけ150°F(約65°C)に設定を変えてやるだけで驚くほどお湯の量が増えます。これなら、通常サイズのタンクでもお湯が無くなる事は殆どないはずです。ただし、お風呂から出たらちゃんと元の温度に設定を下げておくことをお忘れなく。また、洗面所の蛇口からのお湯も熱くなりますので、小さなお子さんがおられる場合など、十分注意をしてあげてください。
Hot- 120 degrees
A- 130 degrees
B- 140 degrees
C- 150 degrees
Very Hot- 160 degrees
また、それでも入浴中にお湯が足らなくなってしまうという方には自動停止機能付きのコードレスタイプの瞬間湯沸かし器の併用という方法もあります。お風呂に入る前に湯舟から離れた所でお湯をわかしておき、まずそれを投入することで、ウォーターヒーターのお湯をセーブするわけです。湯舟の周りでの電気の使用は危険ですので、コード付きでなはく、コードレスタイプを使ってください。それでもお湯が足りないという方は、バックアップとしてお湯を沸かしておいてもいいかも知れません。ただし、その場合は必ず自動停止機能が付いているものをお求めください。あまりにお風呂が気持ちよすぎてウトウトしてしまったりすると大変です。
3)フロー・リストリクターを外すとシャワーの強さがアップ!
先輩:さて、ここまではお風呂につかる為の裏技をご紹介しましたが、お次はシャワーの水圧についてです。「アメリカはシャワーの水圧が弱くて。。。」という声を時々耳にすることがあります。建物によっては水圧が低い所もあると思いますが、殆どの場合、日本人にとって必需品ともいえるホース付きのシャワーヘッドが原因の場合が多いです。あれを付けた途端に水流のパワーがガクンと落ちてしまうと感じる方もおられるのではないでしょうか?
実はアメリカでは1992年以降に製造されたシャワーヘッドには「フロー・リストリクター」と呼ばれるプラスティックのパーツがホースと水道管の接続部分の中に組み込まれています。これは、節水が必要な地域に住んでいる人や、知らない間に光熱費や水道代が上がってしまう事を防止する為に全国一律に設置されているものですが、節水の必要が無いエリアなどでは必要に応じて取りはず事は違法ではありません。
取り外すのはとても簡単です。ホース付きシャワーヘッドの場合、壁から出ている水道管とホースをつないでいるコネクターの中に「フロー・リストリクター」は入っています。メーカーによって形状は様々ですが、まず手前にあるラバーリングを取り外してむき出しになったリストリクターをラジオペンチ(英語だとNeedle-nose
plier)もしくは針金などで取ってください。あとはラバーリングを元にもどして水道管と繋ぎなおしたら完了です。これを取り外しただけで驚くほどの水流になるご家庭もあるかと思います。僕の家も全開にすると痛いほどなので、調整しながら使っています。
当然ながら、不要な光熱費の削減や節水は環境保全の為にとても大切ですので、くれぐれも必要に応じて、個人の責任の範疇で行ってください。
今回ご紹介した方法はアメリカ生活の長い人にとっては周知のことだと思いますが、まだ来たばかりの方や短期滞在者の方の中には意外とご存知ない方もおられるのでは?と思ってご紹介しました。どれも基本はお金のかからない方法ですので、是非アメリカのお風呂ライフの向上にご利用ください。
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