〜遊びが学びに変わる時〜
『捕まえたよ〜!』虫取り網を片手に、喜びあふれる笑顔で子ども達がはしゃいでいます。悪戦苦闘の末、どうやら念願の蝶々を捕まえたようです。『すごいね!』『見せて?!』と3、4歳児のお友達もよちよち集まってきます。蝶々を捕まえた子は、誇らしげに蝶々の入った瓶を覗き込みます。
『先生、この蝶々の名前知ってる?』『う〜ん...知らない。何だろうね』『蝶々の本あったよ!』と蝶々の周りをばたばた走り回り、情報を得ようと必死です。本のページをものすごいスピードでめくりながら、『あ!これだ!も...ん.しろ..ちよう.もんしろちようだって!』と一文字、一文字、ゆっくり読みながら、お友達と顔を見合わせて嬉しそうに叫びます。
子ども達はこの経験を通して素晴らしい事を心で感じ学んでいるのです。虫取り網一つで蝶を捕まえるにしても、『どうしたら上手く捕まえられるのかな?』『蝶々の名前は?』『捕まえた後はどうやってお世話しようか?』など、子ども達同士で相談しつつ遊びが広がり、いつの間にか『真剣勝負』になっていくのです。何度も失敗を繰り返し、成功への道へと子ども達は近づいていくのです。『遊び』は子ども達にとって社会に出る前の訓練とも言えます。幼児期は小さな彼らが社会に出た時、失敗してもくじけず、ゴールに向かって一歩一歩前に進めるようになる為の訓練の時なのです。
素晴らしいテレビのプログラムや教科書も沢山あります。しかしこれらには限りがあると思います。テレビや教科書から与えられる知識や指示を覚えるだけではなく、五感を使い、遊びを通して喜びや感動を自ら探し得る事を『本物の遊び』を通して学んでいるのです。自分達の力で遊びを広げ、真剣に取り組み、時に成功、失敗を繰り返し、喜び、感動を得る事ができる。
蝶を捕まえた時の彼らの喜び、発見、そして感動はこれから子ども達が成長していく上で大きな力となるのです。
小学校にあがれば忙しい日々が始まります。自分の好きな事を好きなだけ一日中していられるのは、幼児期の今だけです。
幼児期に理解し合える仲間と思いっきり遊びを楽しみ、泣いて、笑って、嬉しい思いや悔しい思いを共に分かち合い、絆をきずき、感動の日々を感じながら心も体も大きく成長してもらいたいです。
子ども達の元気な笑い声が園庭から聞こえてきます。『こっち来て〜!見て〜!』今日もまた、子ども達の大冒険と大きな学びが始まります。
大きく育て、子ども達! 元気に育て!子ども達!
大きく育て!子ども達! 元気に育て!子ども達!