ケンカも大事な学びの一つ
さっきまで楽しそうに遊んでいたさっちゃん。悲しそうな顔をして私の隣にやってきます。『のんちゃんが意地悪する...』そんな時、必ず子ども達に言う言葉があります。『悲しかったね。嫌だよね...』って、力一杯抱っこしてあげます。さっちゃんを膝にのせ、泣き声になりながら何がおこったのか説明する彼女の話をじっと聞いてあげます。私の手を握る小さな手がそっと離れた時、『どうする?』と私の問いかけに、じっとのんちゃんを見つめるさっちゃん。時間はゆっくり流れます。『先生と遊ぶ?それとも砂場に戻る?』ゆっくりと立ち上がるさっちゃん。楽しく遊ぶお友達を見つめながら、『砂場に戻る』とさっちゃんは言います。のんちゃんが遊ぶ砂場を目指して一歩一歩進んでいくさっちゃんの後ろ姿を見守ります。
お友達と意見がぶつかり悲しい時、周りで子ども達を見守る大人にできる事、大切な事は、子ども達の悲しい気持ちを一緒になって共感してあげる事なのです。
共感してあげる事によって、子ども達は安心し、勇気づけられ、強くなります。もちろん、危ない時には大人が止めてあがる事も大切ですが、『子どものケンカに大人は参加しない。』が基本です。
可愛い子ども達が悲しそうな顔をしてしていると、『誰が悪いの?じゃあ、あなたが我慢すればいいでしょ。』など、大人が助けたくなってしまいます。しかし、大人が子ども達の変わりになって問題を解決する事によって、むしろ子ども達の自発性や、問題解決する力を奪ってしまっているのです。
幼児期の子ども達は自己主張が強くなる時期。自分のやりたい事を行動や口に出す時期でもあるのです。一人一人違う自己主張があって、一緒に遊んでいる中で、意見がぶつかるのも自然な事なのです。けんかや、悔しい経験を通して少しずつ自分達で解決し、一緒に楽しく過ごせる方法をする力を身につけていくのです。大人はその過程で、彼らがつらい気持ちにあった時、彼らの気持ちを受け止め、『大丈夫。君の事見てるから。』と安心させ、子ども達自身に問題に立ち向かわせてあげる事が大切なのです。
うふふふ...子ども達でいっぱいの砂場の方から、『せんせい〜!』と大きく手をふるさっちゃん。その横でのんちゃんの笑い声も聞こえます。『は〜い!』と大きく手を振りながら私も一緒に笑います。子ども達はまた大きく一歩、前に進みます。今日もいい日になりそうです。
大きく育て!子ども達! 元気に育て!子ども達!