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マウラーナー・ジャラール・ウッディーン・ルーミー、という名前を聞いたことがありますか?
またMawlana Jalal ad-Din Muhammad Balkhi-e-Rum、とも表記されますが(トルコ語)これを見てもどうやって読むのか、誰なのか、さっぱり…という方も多いはず。さらぁに、「13世紀に活躍した、史上最大の神秘主義の詩人」と説明させていただいても、なんのこっちゃ!ですよね。はい、大丈夫です。私も最初はそのような、とっつきにくい気持ちで彼の作品を読み始めました。彼の詩は「愛」がテーマ。どの詩にも、情熱的にLOVEが入れ込まれています。ルーミー(と簡潔に表記させていただきます)の詩は、ぜひ、バレンタインのある「愛の月」、2月にご紹介したいな!と思い、今回のホクホクでは「愛の詩人・ルーミー」という題名でご案内させていただきますね。
まずは、偉大なる詩人のバックグランドから。1207年、現在のアフガニスタンに生まれたルーミー、神学者だった父親とともに、チンギス・ハン勢力から逃れるため、故郷を去りトルコのコンヤへたどり着きます。イスラム神秘主義を修行しシリアで勉強、有名な哲学者・神学者として活躍していきますが、そんな時に僧侶であったタブリージ氏と出会い、「神の本当の姿は、愛の中にある!」と悟り…、その後のルーミーは、かなり情熱的そして陶酔的な叙情詩をうたう「愛の詩人」として世界中に知られていきます。
イスラム文化の国々に行かれた方で、カルチャーイベントなどでひたすらまわり続ける踊り≠見たことがある読者の方はいらっしゃいませんか?「旋回舞踊」と日本語に訳されるこの独特な踊りは、セマー≠ニ言われます。この動きはルーミーが開基した「スーフィズム(イスラム神秘主義)」の教団の一つ、メブレビー派による、独特な宗教行為であり、祈りの手段なのだそう。この回転には深い意味があるそうで。宇宙の動きを表現しており、そこから神との一体感を味わう、と。目を閉じて(開けてたら大変)、右手を天にむけ、左手を地に向け、かなり速いスピードで旋回することにより、人間の邪神が切り離され、無我の境地になり、神に近づける…。
と、「愛、ラブ、バレンタイン、チョコレート」から、内容がかな〜り離れたところで、方向転換、実際にルーミーによる「愛の作品」をいくつかご紹介しましょう。Loveを語る時に、バレンタインカードの一説としてルーミーの言葉をシェアできたら、きっと片思いのあの子もキュンっときてしまったりして!
■“Lovers don't
finally meet somewhere. They're in each
other all along.”
●「恋人達は、どこかでばったり出会うのではなく、一生を通してどこかでつながっているはず。」
■“In your
light I learn how to love. In your beauty,
how to make poems. You dance inside my chest
where no-one sees you, but sometimes I do,
and that sight becomes this art.”
●「きみの輝きの中で、愛することを学ぶ。きみの美しさの中で、詩を歌うことを学ぶ。きみの舞う姿、そう、僕の心の中でしか見られないその動き、この姿がアートを生み出している。」
■“Goodbyes
are only for those who love with their eyes.
Because for those who love with heart and
soul there is no such thing as separation.”
●「さよなら、は、見た目だけで愛し合っている者たちの言葉。心と魂で愛し合っている二人には、別離は存在しないのだから。」
■“Set
your life on fire. Seek those who fan your
flames”
●「自分の人生に火をともそう。そして、その炎を絶やさぬようにしてくれる人を探し出そう。」
■“Reason
is powerless in the expression of Love.”
●「理由、これは、愛を表現するには、あまりにも意味のないこと。」
■“A mountain
keeps an echo deep inside. That's how I
hold your voice.”
●「山は、やまびこのエコーをすべてその中に取り入れてしまう。僕は、君の声を同じように、僕の身体に取り入れている。」
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