●シカゴの観光・旅行

シビック・オペラハウスはアメリカ３大オペラの一角をなす、オペラ・カンパニーシカゴ・リリック・オペラの本拠地。リリック・オペラは半世紀に渡り、世界的に実力を誇る歌手陣や意欲的なレパートリー・演出で、観客を魅了し続けてきた。オフシーズンの間も世界的に有名なバレー団などが使用する事もある。

1929年に大実業家サミュエル・インサルが自分の宮殿としてオープンさせたこの歴史的建築物は、シカゴリバーに隣接する威風堂々たる歌劇場としてボックスシートを含む3,563の観客席をそなえ、煌びやかなヨーロッパ調の伝統建築を今に伝える。1993年、リリック・オペラが劇場のオーナーとなって現在にいたっている。オペラ・カンパニーが劇場を所有するのは、歴史上初めての事。

シカゴ・リリック・オペラは1954年に“The Lyric Theatre of Chicago” (シカゴ・リリック劇場)として誕生し、翌年シカゴ・リリック・オペラと改名された。開演当初から、オペラ界の天才ディーバ（歌姫）マリア・カラス（ソプラノ）等をゲストに迎え、シカゴの音楽愛好家達を熱狂させてきた。現在は、BBCシンフォニーオーケストラでも名高いアンドリュー・デービス氏が音楽監督ならびに主席指揮者を兼任している。2005年は創設５０周年を記念して、『オペラの王様』という異名を持つプロシド・ドミンゴを迎え、『The　Ring』（リング/ワーグナー作）を上演予定する予定。

シカゴ・リリック・オペラは、これからも精力的な演出のもと、国際的に輝かしい音楽史を同劇場と共に歩み、新鮮な感動を提供してくれる事だろう。

●チケットの購入方法

固定ファンが多く、CSO（シカゴ・シンフォニー・オーケストラ）に比べてチケットの入手が難しい。　2月から売り出されるSubscription　Series（定期会員）で、ほぼ完売してしまうが、公演当日にキャンセルとなったチケットは、“寄付”としてリリックへ戻されるシステムがある。　BoｘOfficeにこまめに連絡すれば購入可能なことも。また、ホームページでも空席状況を知らせてくれる。

▼グループチケット：
グループは１５人以上から。
連絡先：312-827-5613

▼定期会員：
シーズン前に、まとめてチケットを購入する方法。
各演目や上演日は、ある程度指定があるものの、バラで買うよりお得。（価格帯：およそ＄80―1,200）チケット交換は手数料＄３かかるが、同演目であれば曜日変更が可能なことも。（ただしバラのチケットは変更不可）

●ドレスコード：

ボックスシートとメインフロア―の一部では正装が求められる。

●交通機関・パーキング：

ユニオンステーションやノースウェスタンステーションに隣接しているが、平日は終演時間が　遅いため車の利用をオススメする。会場まで乗り付けるバレーパーキング（＄１５/平日の夜もしくは土日のパーフォマンスのみ）もしくは、近くのパーキング（215 W. Washington や　101 S. Wacker　等）を利用しよう。

●スペシャルイベント：

毎年9月に行われるオープニングナイト＆オペラボールはフォーマルで華やかなシリーズ開幕イベント。男性はタキシード、女性はカクテルドレスを身にまとい、グラスを片手に音楽談義に華を咲かせる。オペラファン格好の交流の場。

その他にもサイレントオークションやバックステージツアーなども行われている。（問い合わせ先：312−827−5685）また、リリックの講師陣が、楽しくオペラの世界を指導してくれるプリビュ―レクチャーシリーズなども人気だ。

オペラ好きな人には愛食家も多いようで、有名レストランでドリンクやビュッフェを楽しんでもらい、オペラを視聴するオペラナイトや、ワインオークションなども行われる。中でもワインオークションはアメリカの中でも最も成功しているワインオークションのひとつであり、世界中から著名な人々が集まってくる。これらのスペシャルイベントに関しての問い合わせは312−332−2244まで。

●筆者あとがき：

オペラ“ランメルモールのルチア”（ドニゼッティ作）をメインフロア―の前から9列目で鑑賞するという好機を得た。さすがは“狂乱オペラ”の最高傑作のひとつとして、名高いだけの事はある。第三幕のヒロインが錯乱する場面では、その迫力に圧倒され涙が溢れてきたしまった。

休憩中、ロビーでワインを嗜む粋なパトロン（後援者）と談笑したのだが、その紳士は『後援者になって3年目』との事。彼いわく『33年もパトロンとして、オペラに通いつづけているご婦人もいるんだよ！』。世界のオペラ界をリードするリリックを支えてきたのは、彼のような地元に根付いた音楽愛好者があってこその事なのだろう。

●Ｑ＆Ａ（提供：シカゴ・リリックオペラ）