●ペットを日本に連れて帰る場合
ペットの種類やサイズにもよりますが、大きく分けて以下の3つの方法があります。
- 貨物(Cargo)で送る
- 飛行機の手荷物として預ける
- 機内に持ち込む
貨物の場合、直接貨物のオフィスに届けなくてはなりません。輸送費はケージのサイズと重さで変わってきます。機内持ち込み、または手荷物として預ける場合は航空会社によって、ペットに関する規定がそれぞれ違いますので、帰国便をご予約される際にきちんと確認しておきましょう。
アメリカからペット(犬、猫)を連れてご帰国される場合は、狂犬病とレプトスピラ病(犬のみ)についての検疫のため、一定期間の係留検査を受けなければなりません。ただし以下の点が輸出国政府機関発行の証明書で確認されれば、日本での係留期間は12時間以内となります。それ以外の場合は待機期間の不足日数、あるいは180日間の係留期間となります。
●輸入検疫手続きの基本的な流れ
●手順1-1.
マイクロチップの埋め込み(個体識別)について
1回目の狂犬予防注射を接種するときにマイクロチップを埋め込みましょう。(次の2回目の接種の前、もしくはその同日でも可能。)ー動物病院における検査、処置の際にマイクロチップ番号が読み取り機で確実に読み取れることを確認しましょう。日本到着後の輸入検査でマイクロチップ番号が読み取れない場合や番号が輸出国政府機関発行の証明書と照合できない場合、180日間の係留検査、または返送、致死処分となってしまう可能性があります。ー指定されているISO規格以外のマイクロチップを既に装着している場合や、マイクロチップ以外の方法で個体識別を行っている場合、到着予定空港を管轄する動物免疫所に事前に相談しましょう。ーマイクロチップを埋め込む前に接種した狂犬病予防注射は無効ですが、条件付きで認められる場合があるので、事前に問い合わせをしましょう。
●手順1-2.
狂犬病予防注射について
有効な予防液の種類
・不活化ワクチン(inactivated/Killed virus vaccine)
・組み換え型ワクチン(recombinant vaccine)
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いずれも国際獣疫事務所(OIE)の基準を満たしたものに限ります。生ワクチン(live
virus vaccine)は認められていません。ー日本到着日より前に狂犬病予防注射の有効免疫期間が切れてしまう場合は必ず有効免疫期間内に追加接種をしてください。有効免疫期限を過ぎてから摂取したものは「追加接種」とは認められず、1回目の狂犬病予防注射からやり直すことになります。
●手順2.
狂犬病抗体検査について
2回目の狂犬病予防注射の後、動物病院で採血し、日本の農林水産省が指定する検査施設
(指定検査施設)で狂犬病抗体検査を受けます。採血は狂犬病予防注射の有効免疫期間内に実施しましょう。ー狂犬病抗体検査の有効期間は決済日から2年間です。ただし、1回目の狂犬病予防注射から日本に到着するまでの間、狂犬病予防注射の有効免疫期間が1日も途切れることなく継続的に追加接種されている必要があります。
犬、猫は狂犬病抗体検査の有効期間内に日本へ到着しなければいけません。それができない場合は再度狂犬病抗体検査を行います。ー指定検査施設が発行した検査結果通知書は日本到着時に提示します。ー抗体価が0.5IU/ML以上に達してない場合は再検査が必要です。
●手順3.
輸出前待機(180日間以上)について
狂犬病抗体検査の採血日を0日目として180日間以上待機します。犬、猫は採血日から180日間以上待機した後「狂犬病予防注射の有効免疫期間」と「狂犬病抗体検査の有効期間」内に日本に到着しなければいけません。ー180日以上待たずに日本に到着した犬、猫は不足する日数の間、動物検疫所の係留施設で係留検査を受けることになります。ー検査の有効期間内に日本に到着できない場合は2回目の狂犬病抗体検査を実施し、2回目の検査の有効期間内(採血から2年間)以内に日本に到着してください。
●手順4.
事前届出について
犬、猫が日本に到着する日の40日前までに到着予定空港を管轄する動物免疫所に事前届出をします。郵送、FAXまたは電子メールで提出します。
提出書はコチラから入手することが可能です。
届出はNACCS(動物検疫関連業務)の電子申請システムより可能になります。
「届出書」を受けた動物検疫所は内容を確認し「届出受理書」を交付します。これは輸入検査の時に必要となり、輸出国での手続きや航空会社の搭乗手続きの時に提示を求められることもありますので、印刷して大切に保管しましょう。
「届出書」に変更、または追加がある場合は『変更届出書』に記入し、「届出書」を提出した動物検疫所に郵送、FAXまたは電子メールで提出します。輸入検査に支障がなければ動物検疫所から「届出受理所」が再交付されます。「変更届出書」は動物検疫所のWebサイトから入手できます。
以下の変更は検査に支障をきたすため、認められない場合があるので注意しましょう。
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到着日を早めること
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輸入頭数を追加すること
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他の個体に変更すること
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到着予定日を過ぎてから輸入日程を変更すること
●手順5-1.
輸出前検査 (出国前の臨床検査)について
出国直前 (搭載前10日以内) に民間獣医、または政府機関の獣医による臨床検査(輸出前検査)を受けます。可能な限り出発直前が望ましいとされていますが、輸出国の状況により搭載前10日以内の検査が困難な場合は到着予定の空港を管轄する動物検疫所に相談します。
●手順5-2.
輸出国政府機関発行の証明書の取得について
輸出国 (アメリカ)の 政府機関 (日本の動物検疫所に相当する機関)
が発効する証明書を取得します。
日本の輸入条件をもれなく記入できる証明書のフォーム(Form
AC)を使用することが推奨されています。 Form ACに記載しきれない情報については推奨様式の「Attach」を同様に作成し、Form
ACに添付します。 民間重視しが必要事項を記載し、輸出国政府機関の裏書証明書(endoersement)を取得します。
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裏書証明書(endorsement)とは輸出国政府機関により証明書の承認を指します。裏書証明として輸出国政府機関の獣医の署名(直筆)、公印、所属機関名、証明日が必要になります。これが完備していない場合、輸出国政府機関が発効する証明書とは認められません。
取得した証明書に不備がある場合、最長180日間の係留検査、または返送、致死処分になりますので十分に気をつけましょう。
●手順6.
日本到着後の輸入検査について
到着検査で問題がない場合、輸入検疫証明書が交付され輸入が認められます。
携帯遺品(受託手荷物)輸送の場合、静観の検査を受ける前に犬、猫を連れて手荷物受取場何の動物検疫所カウンターに行きます。
貨物輸送の場合、貨物地区で必要書類を受け取った後、動物検疫所の事務所に行きます。
●必要な書類
・輸入検査申請書
・委任状(代理人が手続きをする場合。通関代理店が代理人となる場合は不要)
・狂犬病抗体検査結果通知書
・届出受理所
・輸出国政府(アメリカ政府)が発効する証明書
・(航空貨物輸送の場合)航空運送状(Air Way Bill)の写し
・(船舶貨物の場合)船荷証券(Bill of Landing)の写し
・その他、動物検疫所が指示する書類
〔住むトコアドバイス〕
オヘア空港のUSDAは非常に厳しく、書類に少しでも不備があった場合は承認のスタンプをもらえません。事前に提出書類を動物検疫にファックスして確認してもらっていてもUSDAが駄目だという場合もありますので、書類のチェックは念入りにしておきましょう。承認がもらえず書類作成しなおすことも想定してアポイントは余裕をもっておいたほうがよさそうです。
これは経験者の方からのアドバイスですが、Form AとForm Cの日付の記載は年月日で記載するようになっていますが、アメリカでは月日年と記載することが多いのでついそうしてしまう人が多いそうです。きちんと年月日で書かれていないと、それだけでも承認がもらえませんので気をつけましょう。
<まとめ>
各機関や病院で発行してもらった証明書は輸出や輸入の際に必要になりますので、ペットに関する書類は失くさず大事に保管しておきましょう。引越しなどで掛かりつけの病院が変わる時は今までの受診歴をプリントアウトしてもらうと便利な為、コンピュータで顧客管理をしている病院がいいようです。
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ペットの係留期間中の飼養管理や費用は飼い主の自己負担になりますが、飼養管理サービス会社に委託することもできます。
▼成田空港付近の委託管理サービス会社
(株)エーキューエス (AQS)
Tel: 0476-35-1720
※参考ウェブサイト:厚生労働省 動物の輸入届出制度
※在シカゴ日本国総領事館のウェブサイト(領事関係→その他→日本へのペットの持ち込み)でも、海外から犬・猫をつれてかえる際の案内ページがありますのでご覧ください。
(2021年4月更新)