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「ラストフロンティア(最後の辺境)」といわれるアラスカは、夏季の代表的なデスティネーションとして大人気です。特に大自然を舞台とした様々な見所は、どれをとっても感動すら覚える魅力がたくさんあります。夏のアラスカの見所で、もっとも人気があるのは、氷河。氷河とは、山岳地帯に降った雪が溶けることなく堆積を繰り返し、長年かかってその重さによる圧力で積雪中に含まれる空気が抜け、氷となり、低いところへと徐々に移動する現象です。アラスカには氷河期なごりの氷河大小約10万がいまも流れ、その流域面積はアラスカ全土の5%にあたるといわれています。
その氷河を楽しむには、クルーズに参加するのが便利です。アラスカへの都市へ直接行くこともできますが、アラスカの東南部は陸路でつながっていない場所もあり、インサイドパッセージ、氷河が崩れ落ちる瞬間はクルーズでしか楽しめない醍醐味。ジャグジーに入り、ビール片手に氷河が崩れ落ちる瞬間をみられるなんて、想像しただけで楽しくなりますね。シアトル又はバンクーバーからジョージア海峡を通り、フィヨルド海岸と大自然をみながらインサイド・パッセージという内海を航行していくアラスカクルーズ。ほかにもバンクーバーからアンカレッジ、又はその逆の片道コースから選択可能。アンカレッジ到着後、鉄道の旅を組み合わせることもできる。アラスカクルーズのシーズンは5月〜9月の期間限定。ハイシーズンは暖かい7月〜8月、期間限定、また夏休み中ということもあり人気の船はすぐに売り切れになることも。
その氷河に最近異変が顕著に現れてきています。昨今地球温暖化についての協議は世界各国にてなされておりますが、米アラスカ州南東部で地殻の急激な隆起が起きていることが、東京大学、アラスカ大学等の日米研究チームの観測で判明しました。原因は重し役の氷河が地球温暖化で後退し、地殻が膨張したためです。変動率は年間約3センチで、約2万年前の氷河期終了後に地殻が隆起した北欧やカナダ北部の3倍近いといわれおり、温室効果ガスを排出する人間活動が、間接的に大地を動かしたと推察されています。アラスカ州南東部は厚さ約1.5キロの巨大氷河に覆われていましたが、18世紀半ばの産業革命以降後退が進行し、これまでに約3000立方キロ(東京ドーム約250万個分)の氷が消え、氷河はほとんどなくなってしまいました。温暖化による影響は、動物の生態系にも影響が出てきています。例えば北極グマは、氷の上でアザラシを食し、陸地で子育てをする動物ですが、北極の氷が縮小し、陸地から離れてしまうと、陸地と氷上を渡り歩く北極グマは、その生存の基盤が失われることになります。地球の温暖化が、北極グマの絶滅を招来する危険性があるということです。
現在でも年間で10mから場所によっては100mも後退しているといわれている、アラスカの氷河ですが、守るべき大自然と今しか見られないその光景を洋上から見るのが、アラスカクルーズの醍醐味だと思います。
次のクルーズデスティネーションとして、最優先にしてみませんか?
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