財布の寒さも吹き飛ばせ!シカゴで楽しむ日本食シリーズ。アメリカでも大人気の和風ソウルフード、『ラーメン』。今回はミヨとカズのコンビがシカゴ界隈の色んなラーメンを出すお店を取材してきました。お楽しみあれ!
取材員の紹介
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ミヨ:シカゴの日系企業に現地就職したのをきっかけに、シカゴに住み続けて16年。同じ会社に赴任してきたカズとの結婚を機に会社を退職、現在は食べ歩きの趣味を生かしたフードライターとして活躍中。毎日の晩酌を何よりもの楽しみに生きている九州女子。
カズ:ミヨが勤務していた会社に駐在員として赴任してきたが、シカゴの生活が気に入り現地の会社に再就職。ミヨと同じく食べ歩きが趣味で、ミヨのレストラン取材には必ずついていく。お菓子作りが得意な甘党派で、コテコテの関西弁を話す大阪男子。現代夫婦らしくお財布は別々のもよう。 |
カズ:今年は早めにクリスマス前のショッピングを済ませたのはええねんけど、おかげで財布の中がメッチャさむいわ。。。
ミヨ:…って、横目でジーッと見られてもね、このシーズンは私だって余裕ないんだから。でも、今年の年末特集では、そんな寂しいお財布事情でも嬉しいラーメン・メニューについて取材して来いって編集長に今日言われたところなの。
カズ:おっ、ラーメンか!確かに最近はアメリカでもラーメンが「早い、安い、おいしい」と、3拍子そろった日本のファーストフードとして注目を浴びてるよな。
ミヨ:そうなの。東海岸や西海岸を中心に日本人以外の人々にも受け入れられていて、ラーメンを食べられるお店もドンドン増えているのよね。
カズ:確かに俺が赴任して来たばっかりの頃は、シカゴでラーメンの食べられる店はほんまに少なかったけど、最近はラーメンを売りにしたお店もあるし、ラーメンを食べてる外国人の姿もよく見かけるようになったもんな。
ミヨ:そうなのよね。それじゃあ、シカゴのどんなところで美味しいラーメンがあるのか、早速チェックしに行きましょ!
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その日のラーメンセット |
ミヨ:まずは、日本人にも馴染みのあるスタンダードなラーメンを食べさせてくれるお店から紹介するわね。一軒目は、お食事は勿論、美味しいラーメンを出す店としても知られる達磨レストラン。ここのラーメンのこだわりは数日間かけて煮込んだスープとキメの細かい日本の小麦粉を使った「だるま」オリジナルの特注麺を使っていること。だから麺のコシがしっかりとしてるだけでなく喉越しもよくて、スープとの相性も抜群なの。カズ君もランチや飲み会でよく行ってるから、このトンコツラーメンは食べたことあるんじゃない?
カズ:うん。達磨は火曜日と金曜日のランチに、サラダとおにぎりのついた『その日のラーメン・セット』っていうのがあるから、会社の昼休みに食べに来るけど、ここのラーメンは何回食べても美味い!スープがあっさりめやから何回食べても飽きへんし、呑んだ後の〆にもぴったりや。
ミヨ:トッピングには自家製チャーシューとしっかり漬け込んだ味付け卵、ネギ、もやし、それにフライドガーリックがのってるんだけど、このニンニクの香ばしさがあっさりとしたスープにコクを与えていて食欲をそそるのよね〜。それにツルッとした麺の滑らかさと、しっかりとした?み応えのバランスもとってもいい。
カズ:ランチのラーメン・セットは、日によって出てくるラーメンの種類が違うから、「今日は何やろ?」って楽しみになるのもええねんな。トンコツ以外に醤油や味噌、坦々麺なんかもあって、鶏ガラと魚貝のダシを使った醤油ラーメンのファンも結構いてる。ちなみにラーメンはディナーでもやってるけど週末のみやし、売り切れ次第終了になるから気ぃつけた方がええで。
Wasabi |
773-227-8189
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2539 N. Milwaukee
Ave. Chicago |
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コクとんこつ |
ミヨ:トンコツラーメンといえば、シティーの方にも美味しいお店があるよね。
カズ:あ、わかった。ミルウォーキ・アベニュー沿いにあるWasabiやろ?
ミヨ:うん。かなり有名なので今さら紹介するまでもないくらいなんだけど、ラーメン特集にはやっぱりここは外せないかな。
カズ:とかいって、ミヨちゃんは単純にここのラーメンが好きやから、取材にかこつけて食べに来ただけちゃうの?あ、着いたね、ここや。
ミヨ:ギクッ!で、でも、ここのラーメンが美味しい事には変わりはないでしょ!とにかく『コクとんこつ』をオーダーしておいたからごちゃごちゃ言ってないで食べる食べる!
カズ:はいはいっと。(ズルズル…。)ほっほ〜っ、ここのスープはトンコツのウマミが凝縮されていて、めっちゃ濃厚やね。
ミヨ:黒豚の骨を使っているそうなんだけど、トンコツ本来のコクと脂っぽさが全面にでたコッテリタイプよね。自家製のチャーシューもしっとりとジューシーで美味しいし、完璧な仕上がりの半熟卵もポイント高いのよね。
カズ:確かに、えぇ感じにトロンとした黄身がたまらんなぁ。それにコシのある麺とスープとの絡み具合も最高や。一度食べたらヤミツキになるっていうのも分かる気がするな。
ミヨ:コクとんこつの他にもコク醤油やコク味噌、それにちょっと辛いスパイシー・ローストガーリック味噌もあるのよ。それから、追加料金はかかるけど、お好みで炙り角煮や辛甘味などをトッピングして、さらに豪華なラーメンに仕上げることもできるんですって。
カズ:なるほど、それはラーメン好きにはたまらんオプションやな。
ミヨ:ラーメン以外にも、食材からこだわりぬいたフュージョン系の一品料理や、焼き鳥や串焼き、それにユニークな創作握りもオススメなので、ラーメンとあわせて食べてみてね。ちなみに、このお店はお酒が持ち込めるBYBOなので飲みたい人はお酒も忘れずに!
牛角 |
312-266-8929 |
210 E Ohio St. Chicago |
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ゴマネギラーメン |
カズ:お、今度は純日本式の焼き肉が食べられる牛角やね?確かに、焼き肉屋さんのラーメンってうまいよな〜。う〜、肉の焼ける香ばしいかおりがたまらんなあ。
ミヨ:カズ君、今日は悪いけどお肉は我慢してラーメンに集中してよ。
カズ:せやった、今回は取材やったな。よし、お肉は今度ミヨちゃんに別の機会にご馳走してもらうとするか(笑)。で、ここにはどんなラーメンがあんの?
ミヨ:牛角にはカルビラーメンとゴマネギラーメンというのがあるんだけど、中でも店長であるYoshikiさんのオススメは、こちらのたっぷりのゴマとネギを使ったゴマネギラーメンなのよ。
カズ:へ〜、これスープがごっつ透き通ってるね〜。美味しそうやわ。
ミヨ:そうそう、そのスープは、オックステールとチキンからとったダシを使っているんですって。
カズ:なるほどね。では早速いただきま〜す。ではまずスープを一口っと。へ〜、やっぱり脂っこさがほとんどなくてゴマの香ばしさとネギの爽やかさがきいてるなあ。スッキリしてるわ。
ミヨ:そうなのよね。だから、コッテリとした焼き肉を食べた後でも軽く食べられるのもポイントね。
カズ:確かにクセのないシンプルな味わいやしな。(ズルズル…)、弾力のあるこの中太麺もええ感じやし、なかなか気に入ったわ。で、このラーメンはランチでもディナーでも食べられんの?
ミヨ:夜は単品メニューとしてもあるし、お昼はサラダとセットになったランチメニューとしてオーダーすることもできるそうよ。ちなみに焼き肉の〆には、この胡麻ネギラーメンのほかに、ガーリック・チャーハンやすき焼きビビンバなんかもあってそちらもお勧めですって。
銀座レストラン
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312-222-0600
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19 E. Ohio St. Chicago
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醤油ラーメン |
ミヨ:ここはOhio
Streetを西へ進んだところにある銀座レストラン。約20年以上も前の創業当時から本格的なラーメンを作り続けているお店なの。
カズ:へぇ〜、実は俺このお店は初めてやねんけど、入り口に暖簾がかかってたり、座敷には掘りごたつがあったりするし、このちょっと小ぢんまりとした感じがまるで日本にいるみたいやな。
ミヨ:そうかもね、シカゴの中心地で日本のお料理を長年守り続けてきたお店独特のこだわりと、居心地のよさが溢れてるよね。その本格的な『和』を大事にする銀座レストランの姿勢は、インテリアや雰囲気だけでなく、新鮮なネタをつかった握りをはじめ、お品書きの随所から伝わってくるわよ。
カズ:確かにメニューを見ると、創作的なものというよりは純粋な日本料理が多いね。
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坦々麺 |
ミヨ:そう、銀座レストランは本格的な和食にとことんこだわっているので、アメリカ人のお客さんが多くなった今でも、外国人に人気の創作ロールなどはやらず、自慢のネタを使った握りや一品料理で勝負しているの。肝心のラーメンは醤油と味噌、とんこつの3種類があって、週替わりのランチセットでは坦々麺などもやっているんだって。アメリカのネットメディアにも何度か取り上げられたこともあって、それ以来ラーメンをオーダーする外国人のお客さんも随分と増えたそうよ。
カズ:こういった古くからある老舗店で、色んな人種の人に本当の日本の味を知ってもらえるのは、日本人としても光栄やなぁ。
ミヨ:で、今回は東京そばとも呼ばれるあっさり風の醤油ラーメンと、今日のランチスペシャルにある坦々麺をお願いしておいたわよ。
カズ:お!このランチスペシャルの坦々麺には大きな天むすもついてて、これはガッツリ食べたい男性にとっては嬉しいボリュームやね。坦々麺のお味は…、うん、思った以上に唐辛子がきいてて結構スパイシー!でも、細切れの豚肉をネギやキャベツ、シナチクと一緒に炒めたものが麺の上にのってて、その野菜の甘さがええ具合に辛さを和らげてくれてる。醤油のほうは…、逆にびっくりするくらいまろやかな味わいで、ノリや卵、わかめ、ネギ、メンマ、シナチク、それにナルトといった懐かしいトッピングアイテムがいいね。
ミヨ:ダシはお肉と野菜の両方からとっていて、毎日お店で休みなく煮込み続けているものなんですって。だから熟成したうまみがスープから感じられるよね。麺は創業当時から変わってなくて、日本の麺をわざわざ輸入しているそうよ。だから日本で食べるラーメンの味により近いんだって。
カズ:懐かしい雰囲気の中で懐かしのラーメンをすする。う〜ん、なんかアメリカにいることをすっかり忘れてしまいそうやわ。
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辛味噌野菜ラーメン |
ミヨ:同じくダウンタウンにあるCOCOROレストランも、古くからシカゴでラーメンをやっているお店なんだけど、ここのオススメは北海道出身のシェフが作る野菜炒めをのっけた味噌野菜ラーメン。ただし今日はその味噌野菜ラーメンがさらに進化した『辛味噌野菜ラーメン』というのを紹介するね。
カズ:辛味噌ってことは、スパイシーな味噌ラーメン?
ミヨ:うん、味噌野菜ラーメン・ファンのお客さんから、もうちょっとスパイシーにして欲しい、というリクエストがあったのを受けて新たに作られたメニューなんだって、これが予想以上に評判が良くって今ではお店のイチオシメニューになっているそうよ。
カズ:お、これがそのラーメンやな。スープの湯気から漂うゴマ油のかおりが何ともたまらんな〜、ってことで早速いただきま〜す!(ズルズル…)麺の上にのってる野菜炒めの歯ごたえ全体が、びっくりするほど柔らかくまとまってる。
ミヨ:そうなの、このお店では具を麺と一緒に絡めて食べやすいように、野菜それぞれを小さく切っているだけでなく、食材自体にもこだわっているのよ。例えば、キャベツは甘みがあって柔らかい食感のある日本キャベツに出来るだけ近い品種のものを、わざわざ厳選してるんだって。
カズ:なるほど、こういった丁寧な下処理や材料へのこだわりが、麺とスープ、それに具との素晴らしい一体感を生み出してるんやな。
ミヨ:スープのスパイシー加減も、お店が納得するまで何度も調節を重ねながら割り出したものだから、辛さのバランスが絶妙でしょ?ダシは鶏ガラに玉ねぎや生姜、ニンニクを加えたあと、昆布や煮干しなんかもブレンドしているので、和と洋両方の贅沢なうまみが味わえるのよね。
カズ:それだけたくさんの食材を使っているから、スパイシーな辛さが単調にならずに、スープに程よく馴染んでるんやな。お肉は一切入ってないけど味噌のコクを感じるし、野菜が一杯入っててお腹も大満足や。
ミヨ:もし、どうしても野菜だけでは物足りない、って場合は追加でチャーシューを頼むこともできるわよ。
居酒屋 三九 |
847-228-5539 |
1176 South Elmhurst
Road. Mount Prospect
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味噌ラーメン |
ミヨ:さて、今度は郊外にある美味しい味噌ラーメンのお店よ。
カズ:お、俺もよくお世話になってる居酒屋三九やね。確か定番メニューには味噌とトンコツ、醤油があったけど、ここも北海道出身のオーナー・シェフが作る味噌ラーメンがイチオシやな。
ミヨ:うん、北海道といえば味噌ラーメンって言うくらいだもんね。聞くところによると、北海道の味噌ラーメンには野菜炒めがのってるのが一般的らしいの。だから三九の味噌ラーメンにも炒めた野菜が麺の上にのってるってわけ。
カズ:ふーん、三九の味噌ラーメンには牛肉の細切れとモヤシを炒めたもの、それに半熟卵やチャーシュー、メンマがのってるんやな。トッピング内容はお店によって全然違んやね。
ミヨ:そうね。ここのは豆板醤と唐辛子を加えて炒めた、もやしのシャキシャキ感と辛さが印象的ね。お店でじっくり煮込んだ自家製のチャーシューも、ビックリするくらい柔らかくて美味しいので、それもじっくり味わってみて。
カズ:オッケ〜、どれどれ…、お、ほんまや!脂身部分が甘くてすごいトロトロで、口の中で勝手に溶けていくで。
ミヨ:このスープは鶏ガラと豚骨からとったダシに合わてあるんだけど、赤味噌のコクがあって食べていると本当にあったまるのよね。ラーメンはディナーだけでなく日替わりのランチにもあって、日によっては定番のラーメンのほかに餡かけラーメンや坦々麺を出すこともあるんですって。
Sozai
Banzai |
847-758-7328 |
1089 East Golf Rd.
Arlington Heights |
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あぶらーめん |
ミヨ:さて、ここからはちょっとユニークなラーメンのあるお店を紹介しようと思うの。まずはミツワから5分ほどのところにあるSozai
Banzai。ここは栄養バランスを考えたお惣菜を組み込んだ定食やお弁当、カジュアルに食べられる丼物や麺類、それに持ち帰りできるお惣菜なんかも扱ってるので、忙しい主婦や会社員にとっては嬉しいお店よね。
カズ:うちの会社でもランチ・ミーティングに、時々ここでお弁当を頼むんやけど、家庭的な味わいとボリュームがあると社内で好評やわ。ラーメンは食べたことないから、実は今回かなり楽しみにしててん。
ミヨ:それはよかった。色んなラーメンがあるけど、特に人気があるのは、じっくり煮込んだトンコツスープが自慢のトンコツラーメンと、そのトンコツラーメンにニンニクや唐辛子、ニラを加えて炒めた野菜をのせてあるピリ辛スタミナラーメン、そして坦々麺なんだって。でも、今回はこのお店の新メニューに加わった『あぶらーめん』というのを取り上げるわね。
カズ:あぶらーめん?初めてきいたけど、何それ?
ミヨ:私も最近まで食べたことがなかったんだけど、あぶらーめんはボウルの底に入ったタレを麺に絡めて食べる汁なしのラーメンのことなんだって。日本では別名、油そばとも呼ばれていて、つけ麺ブームに続き、今ではこのあぶらーめんがはやっているそうよ。
カズ:へぇ〜、全然知らんかったわ。でも、そんな日本で人気のヌードルがここシカゴでも食べられるなんて嬉しいな。
ミヨ:そうね。あぶらーめんには、普通のトッピングがのったベーシックタイプと、野菜炒めを加えたデラックスの2種類があるんだけど、今日は店長さんおすすめのデラックスを食べてみましょう。
カズ:スープが入ってないから、見た目は何となく焼きそばみたいやね。で、これはどうやって食べるの?
ミヨ:まずは、麺があたたかいうちに底に入ったタレをよーくかき混ぜ、味を馴染ませてから食べるの。
カズ:わかった…。ん!タレはラーメンのスープを濃縮したような感じで、ニンニクの風味とピリッとした唐辛子のカラさが効いてるな。汁がないのでラーメンって気がせーへんけど、トッピングのチャーシューやネギ、のり、卵、メンマと一緒に食べてると、やっぱりラーメンを食べているような気にもなる。
ミヨ:うーん、なんだか妙なコメントだけど、的を得てる気もするわ(笑)。じゃあ、今度はトレーにのってるラー油や酢、それにすり胡麻をかけてから、ムラなくかき混ぜて食べてみて。
カズ:オッケー。…ん!酢をいれると、爽やかな酸味がプラスされてすっきりと違った味わいになんねやな。芳しい香りのすり胡麻は味に奥行きが出るし、スパイシーな刺激が欲しければラー油をたっぷり入れればいいし。
ミヨ:私は酢を多めにかけてさっぱりと食べるのが好きなんだけど、こうやって後から自在に味を調節できるのもいいよね。それと汁がない分、スープが飛び散らなくて食べやすいし、時間がたっても麺がのびにくいのもポイントなの。あ、そうそう、エクストラで納豆やマヨネーズ、おろしニンニクなんかをトッピングすることも出来るのよ。
カズ:へぇ〜、それまた味のバリエーションが増えて飽きずに食べられそうやな。じゃ、今度プライベートで食べにきた時は、マヨネーズを入れてみるわ。
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ベトコンラーメン |
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豚骨ラーメン/五目餡かけちゃんぽん(奥) |
ミヨ:お次に紹介するのは『郊外のラーメン専門店』といっても過言ではないほど色んな種類のラーメンが揃っているSushi
Kushi Too。ほら、ラーメンだけで、なんと10種類以上もあるのよ。オーソドックスな醤油や塩、トンコツはもちろん、愛知県出身のシェフが作る名古屋のご当地ラーメンも揃ってて、名古屋の八丁味噌を使った八丁味噌ラーメンや、名古屋名物のベトコンラーメン、それに台湾ラーメンなど、ここにしかないユニークなラーメンがたくさんあるの。
カズ:俺はこないだ同僚に勧められて、ここの台湾ラーメンっていうのを食べたんやけど、コッテリとした鶏の旨みとピリッとした辛さが印象に残る味で美味かったのを覚えてるわ。
ミヨ:名古屋出身でもそうでなくても、この斬新な名古屋ラーメンを一度食べると、はまる人が多いみたいね。では、オーナー・シェフのシンジさんが特にお勧めという豚骨ラーメンとネギ味噌ラーメン、ベトコンラーメン、それに私の大好物の五目餡かけちゃんぽんの4品をオーダーしておいたのでいただきましょ。まずはダシにこだわった豚骨ラーメンからね。
カズ:う〜ん!いろんな店で豚骨ラーメンを食べたけど、ここのスープは程よい甘みとコッテリ感があるな。
ミヨ:トンコツスープには高品質な麦豚のばら肉を使っていて、野菜も入れて煮込んでいるので、臭みや角がないの。それに余分な油は取り除きながらもトンコツに必要なコクとコッテリ感を出すために豚の背油を最後の仕上げに足しているのもポイントかな。
カズ:なるほど、そういった細部へのこだわりが、この完成度の高さに繋がってるんやね。じゃ次はこのネギが山盛りのネギ味噌ラーメンを食べてみるわ。
ミヨ:ネギラーメンはスープの種類を醤油か味噌、トンコツの中から選べるんだけど、今回は美味しい名古屋の赤味噌を使った味噌ベースでお願いしておいたわ。
カズ:麺の上には具沢山の野菜炒めがのってて、その上に刻んだネギがのってるんか。あ〜、このゴマ油とニンニクのかおり、それにこの大量のネギの瑞々しさがたまらんなあ。
ミヨ:スープは赤味噌のコクが効いていて濃厚だけど、このたっぷりのネギと野菜のおかげでバランスがうまくとれてるよね。愛知県の中華料理店が発祥地といわれる、こっちのベトコンラーメンは、ニンニクやニラ、ネギ、唐辛子と一緒に炒めた野菜が麺の上にのってるのよ。
カズ:ほんま、麺の上には焦がしニンニクがゴロゴロ入ってるわ!ベトコンは通称ベストコンディションの略らしいけど、確かにこれ食べたら体調がバッチリ整いそうやで。辛さ具合はマイルドで、鶏ガラベースのスープもあっさりしてて、これもなかなかいける。
ミヨ:茹でた麺に中華風の餡かけソースをかけた、この五目餡かけちゃんぽんも、私がはまっているラーメンのひとつなの。懐かしい味わいのトロリとした餡が、ツボにはまる美味しさなのよね〜。
カズ:小さい頃に食べた中華屋さんのちゃんぽんのような、何だかほっとする優しい味わいやな。この餡はご飯にかけても美味そう。
ミヨ:ちゃんぽんはこの餡かけバージョンのほかに、麺の上に野菜炒めをのせてトンコツスープをかけた豚骨ちゃんぽんもあるのよ。また、ランチではお好きなラーメンに、チャーハンか餃子のついたセットメニューにもできるので、ガッツリ食べたい人はセットにしてみてね。
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長崎風のチャンポン |
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Slurping
Noodle |
ミヨ:最後は中西部のベストシェフの一人に名を連ねるジャパニーズ・フレンチの巨匠、ヤギハシタカシ氏がプロデュースするSlurping
Turtleよ。
カズ:え?あのアメリカ版Iron
ChefやTop Chef Mastersといったリアリティー番組に出演していたヤギハシさんのお店?
ミヨ:そう。Yagihashiさんといえば高級和風フレンチ・レストランのTakashiがあるけれど、こっちは日本の居酒屋料理を楽しんでもらうために作られた、もうちょっとカジュアルなお店なの。メニューには、ラーメンをはじめとするヌードル料理をはじめ、備長炭を使った焼き鳥や一品料理など、お酒にあうメニューが充実しているのよ。
カズ:居酒屋風といっても、お店の中はモダンなインテリアで洒落てるから、ラーメンを食べるにもなんかテンションがあがるな〜。
ミヨ:そうね。カップルや合コンなんかにもいい雰囲気よね。ラーメン・メニューには、醤油や味噌、トンコツなどのベーシックなものから、Yagihashiさんのセンスを生かしたオリジナルのものまで色々だけど、このお店のヌードルの売りは何といっても麺が自家製であることなの。
カズ:へぇ〜?アメリカで手打ち麺のラーメン?
ミヨ:うん、アメリカでもフレッシュな生麺を使ったラーメンを味わってもらいたいというYagihashiさんの強い意向で、お店の地下に製麺所をつくり、そこでオリジナルの麺を作っているんですって。納得のいく麺をつくるまでは時間もかかったみたいだけど、そのお陰で全てにおいてこだわりぬいた麺が完成したそうよ。作りたての生麺の魅力は手打ちパスタと同様、何といっても小麦粉の風味がしっかりと伝わってくることなんですって。
カズ:あとは、あの独特のもっちり感が味わえるのも生麺ならではだよな。
ミヨ:でも、その自家製の麺を使ったラーメン以外にも、実はYagihashiさんのオススメがあるので、今日はそちらを紹介するわね。まずは、お店の名前のついたSlurping
Noodleから。これは小麦粉アレルギーのある人にも食べられるようにと考案された、Wheat
Freeのラーメンで、麺はお米が原料のライスヌードルを使っているの。鶏ガラやトンコツを煮込んだ後、昆布やカツオ、いりこをブレンドしたダシに、たまり醤油や生姜、それにレモングラスなどのハーブを加えてスープを作っているそうよ。
カズ:うーん、たまり醤油のコクがありながらも、レモングラスの爽やかな香が見事にマッチしててエキゾチック。アジア料理のいいところがうまく調和されてる感じやね。あっさりとしたスープには、大きく切った薄あげや海老、かまぼこ、それにシラントロなんかが入ってて具の組み合わせもユニークやな。
ミヨ:もう一品は、カリカリの揚げ麺に、餡かけをたっぷりかけた長崎風のチャンポン。
カズ:サクサクの細麺にしっとりとした餡が絡んでて、これまた美味いな〜。チャンポンってどちらかというと大味になりがちやけど、ここのはとにかく色んな素材がうまく統一していて上品な味わいがある。具にはネギやもやし、サヤエンドウ、ニンジン、シイタケ、それに海老やタコ、ホタテなどの魚介類も入っていて贅沢な一品や。う〜ん、満腹!
ミヨ:さ、今回は色んなラーメンを食べたけど、お店それぞれのこだわりがあるし、トッピングも色々な種類があったわね。それぞれ全然違った味わいがあって面白かったわ。
カズ:うん、こんなに美味しいラーメンの食べられるお店がシカゴにあるなんて驚いたし、手軽にお腹いっぱいになれるラーメンの魅力に改めて気づかされた。当分貧乏生活せなあかん俺やけど、食材のうまみがギュッと詰まったラーメンで贅沢気分を味わうぞ〜。でもミヨちゃん、俺、ラーメンの取材頑張ったから、焼き肉はちゃんと連れてってや〜!
ミヨ:ウッ…それは、さすがに忘れてないのね。ともあれ、読者の皆さん、素敵な年末をお過ごしくださいね〜。
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