昨年のアンダーソンビルに続いて、今年も『週末にブラリと出掛ける街』としてNeighborhoodシリーズの第二弾をお届けします。今回の街はアジアン・カルチャーのメッカ、『リトルサイゴン』。シカゴでも感じるアジアの風を満喫してください。
たまちゃん(以下たま):先輩!編集長から伝言です。昨年、『週末にブラリと出掛ける街』としてアンダーソンビルを紹介したじゃないですか。あれが結構評判が良かったらしくって、今回はその第二弾を企画しろですって。
先輩:もうあれから一年経つのか〜。今回はどこのエリアにしようかねえ。
たま:実は私、ちょっと気になってるところがあるんですけど。BroadwayとArgyleが交差するエリアに『リトルサイゴン』って呼ばれてる地区がありますよね。
先輩:うんうん。ニューチャイナタウンとも言うよね。あそこはアップタウンになるのかな。
たま:ええ、あそこって、Furamaっていう飲茶の有名なお店があるので時々行くんですけど、その他にも色んなアジア系のお店がいっぱいあるし、昔から取材してみたいなって思ってたんですよね。
先輩:そっか。確かにFuramaは有名だけどそれ以外にも美味しいお店が多いからねえ。僕も何件かオススメのお店があるし、じゃあ今回はリトルサイゴンにしよう。
たま:はい!じゃあ早速取材道具取ってきますね!
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リトルサイゴン
シカゴのアップタウンにあるWest
Argyle Streetの一角。2010年には歴史登録財 にも指定されている。以前はニューチャイナタウンという名の通り、中華料理のお店が多かったが、最近のベトナム料理ブームを反映してフォーのお店が増えている。食料品店でも、チャイナタウンでは見られないようなアジアの食材や、商品をみかけることが出来る。 |
〜 リトルサイゴンに到着
〜
先輩:さ〜て、まず最初のお店はこのTANK
NOODLE。場所的にもこのエリアの顔だしね。お店が広いので、いつ来てもそんなに待たずに座れるのも嬉しいよね。
たま:知り合いにベトナム人の女の子がいるんですが、彼女もとってもオーセンティックな味だって言ってました。
先輩:それにしても、このメニューの種類の多さにはびっくりするね。ほら全部で32ページもあるよ(笑)!フォーの種類だけでも多いのに、他にもヌードルスープのメニューがこんなにいっぱい!
たま:フォーガ(チキンベース)でしょ、バーミチェリでしょ。。。確かに凄い数ですね。おかゆもあるので週末の朝なんかは嬉しいですね。
先輩:オススメしたいものはたくさんあるんだけど、やっぱりここではフォーをオーダーしておいたよ。色んな具が楽しめるコンビネーションでね。あとはスペシャルアペタイザっていうコンボもオーダーしておいたので、そろそろ出てくるんじゃないかな。
たま:あ、アペがきました。生春巻きと、エッグロール、シュリンプケーキの揚げ物にバーベキューポークなど他にも色々盛り合わさった豪華版ですね。
先輩:このお店はBYOB(アルコールは持ち込み)なんだけど、ビールに合う料理が多いんだ。
たま:生春巻きも色んな種類があるんですね。ポークスキンの入ったタイプって初めて食べたんですが、コリコリした食感が面白いですね。これにはホイシンソースが合うみたい。でも、ここの生春巻きはどちらかと言うとミントの香りが効いてますね。
先輩:なるほど、それは好き嫌いが分かれちゃうかもね。お、お待ちかねのフォーの登場だぞ。
たま:うわ、ボリュームたっぷり!じっくりとビーフのうまみが出たスープの中に米麺がいっぱい入ってます。どれどれ。。。、お〜、麺もコシがあって美味しいです!
先輩:うん、このスープのコクが人気の秘密なんだろうね。チリソースやホイシンソースを入れてしまう前にじっくり味わいたくなる味だよ。
たま:たしかに。牛肉のスライスやブリスケットをはじめ、内臓なども入ってるんですが、すべて柔らかくて臭みがまったくないので、食べやすいです。
先輩:同じフォーでも店によって色々と違うからね。そういう意味では今シカゴで一番色んなフォーを食べ歩けるのは間違いなくこのリトルサイゴンだろうね。
たま:あと、私はベトナムサンドイッチが好きなので、それもオーダーしておきました。Grilled
Marinated Pork Sandwichなんですけど、じっくりとタレに漬け込んだポークが柔らかくて味がしみこんでいて香ばしいです。
先輩:お、これはかなり辛いソースだね。きゅうりに香菜、ハラペーニョ、この酢漬けの大根がいいよね。タンクのサンドイッチはこのフランスパンがいい。サクッだけどもっちりとしていて美味しいね。
Tank Noodle |
www.tank-noodle.com |
4953 N Broadway St,
Chicago, IL (773) 878-2253 |
たま:いやあ、タンクヌードルのフォーは美味しかったですねぇ。しょっぱなから最高でした。
先輩:フッフッフッ。。。そっか〜、最高か〜。
たま:なんですかそのマンガみたいな含み笑いは?
先輩:いやあ、あまりにも僕の思ったとおりに話が進むと思ってね。たまちゃんが『最高』っていうそのタンクヌードルのフォー、超えるお店って凄くない?
たま:ええ〜!それは確かに凄いです!
先輩:だろ?これからそのお店に連れていくよ。あ、ここ、ここ。
たま:えっと〜。。。Pho
888ですか?Pho
777っていう有名店の名前は行ったことありますけど、なんかパチモンっぽくないですか?
先輩:ははは、確かにPho
777はここいらでタンクヌードルと並ぶ有名店なんで、Pho
888っていうとニセモノっぽいよね。おまけにかなりこじんまりしてるしね。でもここのお店のフォーの味がタンクヌードルのフォーがうまいんだよ(評価には個人差アリ)。
たま:それは楽しみです。入りましょ、入りましょ!うわ、中は満席じゃないですか?しかも立って待ってる人まで。
先輩:それだけ知る人ぞ知るってことなんじゃないかな。
〜 しばらくして 〜
先輩:ふう、やっと座れたね。小さいお店ではあるけれど、これだけ客足の引かないお店も珍しいよね。フォーは勿論頼んでおいたけど、出てくるまでの間にアペタイザを食べよう。
たま:あ、このカラりと揚がったエッグロールもクオリティー高いですね!中にはポーク、にんじん、きくらげ、春雨が入っていますね。熱々で美味しい〜!
先輩:そうなんだよ。フォー以外のものも美味しいんだけど、バインミー(ベトナムサンドイッチ)だけはここでオーダーしない方がいい。さっきのタンクの方が美味しいし、なんといっても後で紹介するBa
Leには敵わないからね。お、そうこうしてるうちにフォーとフォーガが出てきたよ。フォーガはライスヌードルではなくちょっと縮れたイエローヌードルにしておいたので、食感の違いを楽しめると思うよ。
たま:う、うまい!このフォー、牛肉のウマミがたっぷり出てますよ!このスープのコクは確かにタンクよりも私、好きかも。米麺もつるつるっと喉越しの良いシルキーなタイプで量もたっぷり入ってます。とにかくボリュームが凄いですよ。ヌードルはもちろん牛肉もたっぷりなのが嬉しいですよね。
先輩:ね?ここのフォー、かなりのものだろ?下ごしらえをきちんとして手抜きをせずにつくってるので色んなお肉の部位が入ってるのに臭みがまったくないよね。
たま:はい。おかげで、つるつるやわらかくコラーゲンたっぷりな腱の部分や、こりこりっとした食感を楽しむ胃袋までも美味しくいただけます。
先輩:じゃあ、こっちのフォーガも試してみてよ。実は僕の最大のお勧めはこのイエローヌードルのフォーなんだ。
たま:へ〜、そうなんですね。ではでは、あ、このスープはガーリックを揚げたものがアクセントになってるんですね。少し独特のハーブの香りがします。先輩の言うとおり、この透き通ったブロスの味が絶品に美味しいです!このニョク・マム(ベトナムの醤油)のコクもいけてますよ。で、ヌードルはどうかな?うわぁ!これはやばいかも!イエローヌードルってこんなにチキンに合うんだ。
先輩:でしょ、でしょ?チキンを細かく割いたのがたっぷりのってるし、とにかくほっとする優しい味のスープだよね。888ではやっぱりフォー系がお勧めだけど、実はそれ以外のライスプレートなんかもかなりレベルが高いので、他にも是非試してみて欲しいな。
Pho 888 |
1137 W Argyle St, Chicago (773)
907-8838 |
たま:いやあ、食べた食べた。
先輩:でもさ、さっきもちょっと話題に上ったけど、やっぱりフォーに次ぐ庶民的ベトナム料理といえばバインミー(ベトナムサンドイッチ)だよね。
たま:そうなんです、さっき先輩が888では食べるなって言ったときからもう頭の中は。。。
先輩:やっぱりBa
Le Bakeryだよね(笑)。2010年にリモデルしてからとってもコンテンポラリーでお洒落な感じにうまれかわっちゃったけど、バインミーの美味しさは健在だ。
たま:バインミーだけでなく、ちょっとしたペイストリーやデザート、テイクアウト用のお惣菜なんかも売っているのもポイントですよね。あ、つきましたよ。
先輩:このお店ってサンドイッチは『Buy
5 Get 1 Free』なので、パーティーの時なんかも重宝するね。僕はとにかくこのオーソドックスなスペシャルサンドイッチが好き。サクッとしたフランスパンの中に2種類のベトナムハムとポークパテが入ってるんだけど、値段も安いし、もちろん味も最高!
たま:ですよね〜。初めての人はまずはそれからトライするのが王道です。あと、大根とにんじんの酢漬けや、香菜、ハラペーニョ、玉ねぎのスライスは、自分の好みの量を入れた方が良いので最初から入れてもらわないでサイドにしてもらうのが通の食べ方なんですって。
先輩:確かにそれが一番いいね。そして、この店のコクのあるベトナムコーヒーと一緒に食べる。
たま:ほろ苦さと甘さがちょうどよくあうんですよね。。。(笑)。私はちょっと高めですけど、リブアイのバインミーが好きなんですよ。リブアイステーキを薄切りにしたものと、炒めた玉ねぎが挟まってます。
先輩:へ〜。それは知らなかったよ。どれどれ?あ、確かにお肉が柔らかくて香ばしい。フレーバーがたっぷりで、かなりいけるね。
たま:あと、最近の私のお気に入りがこの『Che』なんです。『Che』ってのはベトナム語でスイーツのことらしいんですが、中でも私が好きなのはこのChe
Bap。『Bap』はとうもろこしっていう意味です。冷たいぜんざいみたいな感じなんですが、これがクセになるんです。
先輩:ふ〜ん、カップの下の層にはコーンと日本のお米よりももっと小粒で甘いライスが入ってるね?ライスの部分が綺麗な緑色になってるのはパンタンの葉で色付けしてるからかな?
たま:はい。で、上はココナツミルクの層になってます。ココナツミルクといってもさらさらではなくて、ねっとりとした食感で、このココナツミルクの部分とコーンとお米の部分をかき混ぜて一緒に食べるんです。
先輩:ほ〜。確かにこのねっとりもっちりとした食感はクセになるね。意外と甘さは控えめだし、コーンってこんなに美味しいんだ〜って実感できるスイーツだな。
たま:とうもろこしの他にも色んなタイプのチェーがあるので、是非試してみてください。あと、Ba
Leでは、この他にも見た目がかわいいので手土産にもいいマカロンとか、生姜の入ったシロップにお餅が入った温かいデザートなんかもあるし、明るい店内で街行く人たちを人間ウォッチングできるのも面白いです。
Ba Le
Bakery |
www.balesandwich.com |
5014 N Broadway St Chicago,
IL 60640 (773) 561-4424 |
たま:先輩、さすがにリトルサイゴンといわれるだけあってこの辺りはベトナム料理のお店が多いですね。
先輩:でも他にも色んなアジアの国の食べ物が集まっているのもこの一角の魅力なんだよ。中華料理は勿論、インド料理やペルシャ料理なんかのお店もあるしね。中でも僕がオススメなのはタイ料理のお店!
たま:あ、そういえば以前ぷれ〜り〜でもSiam
Noodle & Riceを紹介しましたよね。確かにあそこの料理はバツグンに美味しかったです。
先輩:そうそう。サイアムヌードルは、もともと僕がタイの総領事から直接教えてもらった庶民派のお店だったんだけど、味に関してはタイ人も太鼓判を押す本場中の本場のお店だね。でも今回僕が紹介するのはこちらのThai
Pastryなんだ。
たま:へ〜、メインストリートに面してるし、見た感じお洒落な雰囲気ですね。通っぽいお店を発掘するのが好きな先輩にしては、珍しいチョイスじゃないですか?
先輩:確かにアメリカナイズされてそうな外観ではあるんだけど、これがイイ意味で予想を裏切ってくれるんだよ。
たま:楽しみですねえ。さ、入りましょう。あ、Thai
Pastryっていうくらいだから、お店の一角でペイストリーの販売もしてるんですね。
先輩:そうなんだ。でもそっちは食後にデザートとして頼むとして、まずはアペタイザだね。前回来た時にウェイトレスさんに勧めてもらったのがSatay、それからTod-Mumだったので、それを今回も頼んでおいたよ。お、さっそくだけどサテーが来たぞ。鶏肉をガランガル、コリアンダーシード、クミンシード、ターメリックパウダー、カレーパウダー、ココナツミルクなどにじっくりと漬け込んで香ばしく焼いた屋台風の焼き鳥ってとこかな。
たま:じっくりタレに漬け込んであるし、鶏肉は柔らかくてとってもジューシーです。焼き具合も香ばしくて美味しいですね。あ、トッド・マムもきましたよ。
先輩:魚のすり身とレッドカレーペースト、いんげん、ナンプラーそれにバイマックルーというこぶみかんの葉を混ぜてカラリと揚げてあるんだ。ピリッと辛くて食欲がそそられるよね。
たま:サイドについてくるキュウリのサラダと一緒に食べるとさらにさっぱり楽しめますね。次に出てきたこのスープはトムヤムカイ(チキン)ですね。
先輩:レモングラスの香りとバイマックルーなどのハーブの香り、おまけにニンニクの香り、この芳香のコンビネーションがたまらないね。
たま:辛さもかなりの辛さに設定されていますね。でも、繊細な具のせいか食べやすいです。
先輩:次はこのTilapia
Ginger。しょうがの細切り、きくらげ、セロリ、赤パプリカ、玉ねぎ、マッシュルームが入っていて、全く魚のくさみを感じない美味しさがあるよね。
たま:これ美味しい〜!魚がとってもふっくらしていますね。ソースの隠し味に豆ソースが入ってるのかな?あ、私が頼んだグリーンカレーもでてきたみたい。
先輩:うん、このカレーもいけるね。ナス、たけのこ、それから、なすびは中華ナスとタイナスの両方が入っているんだな。
たま:バジルにしても、ココナツミルクにしても、全体的に具が多めなせいか、まろやかな中にコクと辛さのある一品ですね。う〜ん、大満足です。
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Siam Noodle and Rice |
siamnoodleandrice.com |
4654 N Sheridan Rd,
Chicago (773) 769-6694 |
タイの総領事もお勧めの、本格的な屋台風タイ料理店。何を食べても美味しいが、中でも鶏肉をナンプラーや塩コショウなどで漬け込んでからカラリと揚げたDeep-Fried
Chickenはマストアイテム。ライスがちゃんとSticky Rice(蒸したタイのもち米)で出てくるのもグッド。タイ式コーヒーも美味しい良店。 |
〜 食後 〜
たま:先輩、確かに先輩の言うとおり、このお店、びっくりするほど美味しかったです。私は特にティラピアが気に入りました。
先輩:でもね、僕がここを紹介したかったもう一つの理由は食後のデザートなんだ。まずは、アイスクリーム。このお店では、NilesにあるVillage
Creameryというホームメードアイスクリーム専門店のアイスを扱ってるんだけど、これがまあ美味しいんだ。特にこのPurple
Yamのアイスはタイ料理との相性がとってもイイ。
たま:この紫色のアイスですね。どれどれ?うわ〜、確かに美味しい!おイモのねっとりとした美味しさがしっかり生かされてます。
先輩:だろ?で、あとはこのサンカヤー・ファクトーンというタイのスイーツ。簡単に言うとかぼちゃを使ったココナッツプリンみたいなものなんだけど、なかなかシカゴでは食べられるお店がなくってね。
たま:ほんと、素朴で自然な甘さがいいですね。ねっとり、ほっくりしたかぼちゃに、ほんのりと甘いカスタードが良くあってます。
先輩:そうそう。この他にも玉子の風味が美味しいカスタードともち米のデザートや、バターや玉子のたっぷり入った洋風のクッキーとか、なんせこのお店は食後がめちゃくちゃ楽しいんだ。
たま:なるほど。そういう意味もあって、このお店を紹介してくださったんですね?確かにちょっと歩き詰めで疲れてたから、おかげでゆっくり休めました。
先輩:まあ、リトルサイゴンの周辺ではスムージーを飲めるお店は沢山あるんだけど、こういう一味違ったアフタヌーンが楽しめるお店があるってのも知ってもらえると嬉しいな。
先輩:さ、じゃあ今日の取材はこの辺にして、明日の早朝からの取材に備えて今日はもう帰ろうか。
Thai Pastry
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www.thaipastry.com |
4925 N Broadway St,
Chicago, IL (773) 784-5399 |
〜 翌朝 〜
たま:はい、取材二日目の朝です。眠いです。。。
先輩:そりゃそうだよね、こんな早朝だもの。でも週末、ブラリと出来る街の紹介ということだから、朝ごはん系のお店はやっぱりはずせないでしょ。
たま:分かってはいるんですが。。。ねむッ。
先輩:今日は、そんなたまちゃんにぴったりの企画を用意したよ。題して『お粥&ヌードル対決in
リトルサイゴン』!お、目が覚めてきたみたいだね。
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たま:私、中華のお粥を週末の朝に食べるの大好きなんですよ〜。
先輩:でしょ?今回はこのエリアでは有名な朝ごはん中華が食べれるお店、Hon
KeeレストランとSun
Wah BBQレストランで全く同じメニューを食べて比較しちゃいます。メニューは、コンジー(中華風お粥)の定番である、BBQポークとピータンの入ったお粥と、同じくBBQポークの入った湯麺(ヌードルスープ)。
たま:どちらも中華風朝ごはんの代名詞ですね。二つのお店はどんな風に違うんですか?
先輩:実は、この二つのお店は両方ともバーベキューの専門店なんだ。だから、どちらも店先にポークやダックなんかがぶら下がってる系のお店。中でもHon
Keeは、地元の中国人の間でも人気が高くて、週末になると、お祝い用の豚の丸焼きがドンドンクルマに運び込まれていくほどだよ。Hon
Keeは清潔だけど古いお店で、対するSun Wahはお店の場所がちょっと外れているというハンデがあるけど、広くてとってもモダンなお洒落なお店。アジア人だけでなく、アメリカ人のお客さんにも入りやすい雰囲気があると思うよ。
たま:なるほど、それだけ聞いているとHon
Keeの方が美味しそうですがねえ。
先輩:それはどうかな?では、これから両方のお店に行って食べ比べをして、1時間後に総評をしてもらいます。
たま:了解です!
〜 一時間後 〜
先輩:ぷは〜、朝から食べたねぇ。もう満腹だよ。さあそれではたまちゃん、ジャッジをお願いします。まずはお粥対決から。
たま:お、いきなりなんですね。それでは。。。Sun
Wahに一票!実は今回結構難しかったです。というのも、Hon
Keeは見た感じそのままで、私が日頃から慣れ親しんでいる中華風のお粥をだしていたんですね。ピータンも含めて味付けは塩味がかなり抑えられていて、お米のやさしい味を感じることが出来たという点でもHon
Keeの味には満足したんですが、Sun
Wahのおかゆは、お米が細切れになっていて、Hon
Kee のものよりも、さらさらした仕上がりになっていたんです。しかも、ピータンがクリーミーで、後味がとっても美味しくって。あと、しょうがの千切りが少しだけ入っているんですが、これのおかげで全体的にあっさりと上品な味わいに仕上がっていたのが軍配のポイントです。
先輩:なるほど、なかなか細かいところまで見てたんだね〜。さっきまで寝ぼけまなこだった人とは思えないコメントです。では、次に湯麺についてのジャッジをお願いします。
たま:はい。これも甲乙つけがたいところです。Hon
Keeの湯麺は、喉越しがすっきりしていて、おかゆと同じでとってもあっさり仕上げでした。あと、レタスのアクセントがとっても良くって、朝ごはんとしてはお値段的にも魅力的です。その点、Sun
Wah の湯麺も喉越しはスッキリしているんですが、こちらはコクがありました。レタスではなく、芥蘭(チャイニーズブロッコリー)が入っているところも良いポイントでした。ただ、BBQポークの味が単純にHon
Keeの方が私の好みの味でした。ちょっと甘みのあるジューシーさが決め手ですかね。朝ごはんとしての湯麺ではやっぱりHon
Keeに軍配ですかね。
先輩:なるほどね。確かにSun
WahのBBQポークは一枚一枚が大きいんだけど、若干パサパサ感があったかもね。いやあ、たまちゃん、ありがとうございました。
Hon
Kee Restaurant |
1064 W Argyle St, Chicago,
IL 60640 (773) 878-6650 |
Sun Wah
Bar-B-Que |
www.sunwahbbq.com |
5041 N Broadway, Chicago
(773) 769-1254 |
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行列のできるパン屋さん
Chiu Quon Bakery
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www.chiuquonbakery.com |
1127 West Argyle Street,
Chicago
(773) 907-8888 |
たま:先輩、あそこのお店、こないだから気になってるんですけど、また行列が出来てますね?
先輩:そうなんだよ、あれはベーカリーだと思うんだけど、いつ通っても人が一杯なんだよね。売り子さんも数名いるみたいなのに、メチャクチャ混んでるね。あ、たまちゃん、そんなに買い込んで!
たま:当たり前じゃないですか。取材なんですから、あ、こっちのバーベキューポークバンも買っとこ。エクスキューズミ〜♪
■Sesame
Ball - ここのは甘さも控えめでセサミの香ばしさもちょうどよく、つい沢山食べられてしまいそう!
■ちまき
- ポークや、海老、チキン、干ししいたけなどがぎっしり入っていて、大きくてボリュームたっぷり。
■ハム&チーズパン
-コクのあるチーズがチューイーなパンと絶妙のコンビネーションを生み出しています。
■チキンの肉まん
- 柔らかい生地と、ところどころしゃきしゃきしたウォータークレストの食感がいい。しいたけのウマミが美味しい編集部お勧めの一品。 |
〜 最後のお店 〜
先輩:さて、では今回の取材の最後のお店だよ。最後は中華料理でしめようと思うんだ。
たま:ここはまた、うっかりしてると見過ごしちゃいそうな、先輩好みの小さなお店ですね。えっとお店の名前はHoneymoon
Cafeですか?
先輩:うん。実は僕もこのお店の事は知らなくってね、今日取材に行くって知り合いの中国系の人に話したら、是非ここをトライしてみろって言われてね。だから僕も初めてなんだよ。
たま:そうなんですか。楽しみですね。店内も小さいところですね。でもテーブルにはターンテーブルが置いてありますよ。それに、このお店はメニューが写真入りで親切ですね。
先輩:一応、友達におススメを聞いてきてるのでそれをオーダーしておいたけど、たまちゃんも欲しいものがあったら足してね。お、さっそくShark
Fin & Crab Meat Soupが来たみたいだ。
たま:へ〜、これ美味しいですよ!とろみのついたスープは蟹肉がたっぷり入ってて、玉子の白身がふわふわしています。さすがにフカひれは姿煮のようにいっぱい入っているわけではないですが、こりこりとした食感がわかる程度には入っているので十分に楽しめます。
先輩:確かにスープの味がいいね。この蟹の香りが食欲をそそるなあ。それからさ、さっきお店の人に今日の青菜で一番いいの何かな?って聞いたらこのTung
Choi(空芯菜)を勧められたんだ。
たま:ほ〜、空芯菜ですか、ガイラン(中華ブロッコリーとか)じゃないんですね。どれどれ?あ、旨い!ガーリックと炒めてあって、苦味がまったくないです。
先輩:うんうん、まさに空芯菜だ。香港でよく食べたよ。ちょっと粘り気というかぬめりがあるところがいいよね。それなのにシャキシャキしてる。新鮮なんだな、きっと。
たま:私はシカゴの中華料理店では初めて食べたグリーンですけど、大ファンになりました。こういう色んな野菜が食べれるお店っていいですよね。お、メインも運ばれてきました
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先輩:これは、
Beef Dice with Green and Black Pepperっていって、黒胡椒の効いた牛肉の角ステーキってとこかな。
たま:これ、コクがありますね〜。ピーマンや玉ねぎとも良く合います。一度揚げてあるんでしょうか?
先輩:そうみたいだね。そのせいかな、お肉がジューシーで柔らかい。何にせよ、この黒胡椒ととニンニクの香りがいい感じだね。取材じゃなかったらビール飲むとこだな。お、次に出てきたのはFish
Filet with Snow Peasだな。
たま:さやえんどうと魚のフィレを炒めてあるものですね。コクのあるブラウンソースの中にしょうがが入っていてさっぱり仕上がっています。フィレも一度油を通してあるのか、身がぷりぷりしていて、魚の独特の臭みが全くないですね。
先輩:うん。野菜がたっぷり入っていて栄養満点なところもいいよね。いやあ、こういうお店って応援したくなるよね。
たま:ええ、最後にふさわしい美味しいお店でしたね。
Honeymoon
Cafe |
www.honeymoon28.com |
1138 W Argyle St, Chicago
(773) 271-6668 |
たま:なんだか今回の記事は食べ物特集みたいになっちゃいましたね。前回のアンダーソンビルの時は小物屋さんなんかも紹介できたんですけどね。
先輩:うん、そうなんだよ。僕も取材前はアジア風の雑貨屋さんなんかを紹介できればなあと張り切ってたんだけど、そういう意味ではあまり紹介できるようなお店は見つけられなかったね。
たま:ネイルや、ツケマなどを扱ったコスメティックの専門店は色々ありましたね。どれも卸売り店としてやってましたけど、個人でも買えるようでした。
先輩:そういうのに興味がある人にはいいのかな。あと、近郊にはリンカンスクエアみたいな散策に向いている街も多いので、リトルサイゴンで好きなものをタップリ食べたあとにそういった近くのエリアにくりだしていくのも手かもしれないね。
たま:いやあ、それにしても今回の取材ではあのChiu
Quon Bakeryの味には驚かされました。先輩、やっぱり帰る前にもう一度寄っていきません?あの胡麻だんご、買いだめしてかなくっちゃ!