日本とアメリカの違うところってた〜くさんあるけれど、高校生の生活、学校のシステムもその一つ。日本で学校生活を送ってきた者にとっては、なぞの部分の多い高校生たち。いざ、自分の子供が行くとなったときに戸惑うことも多いはず。今回は、この夏高校を卒業したホッカホカのアメリカ高校体験者の親子に高校生活を振り返ってもらいました。
母:高校生活も終わったねー。とりあえずこれで一安心。
子:思えば高校に入る時ってすっごい緊張感したよ!
シニアはものすごく大人にみえたし、いろんな中学から生徒がきてるから最初は本当にとまどったな。
母:そうだよね、高校は4年間あるから、日本でいう中3で高校にはいるんだもんね。最上級生のシニアなんてもうおっさんおばさんって感じ?おかあさんはアメリカで学校に通ったことがないから、あなたのやってることが普通なのか、正しいのか全然わからなくてよく衝突したもんだよね。
子:最初は学年の呼び方からわからなかったしね。
母:それをばらさないでよ!今は完璧だってば!Freshman, Sophomore, Junior,
Seniorほらね。
子:いまさら自慢するなって。(発音にはまだまだ問題ありだよなー)
●課外活動
母:体育系のクラブの呼び方も独特だよね。Varsityっていうのはスポーツチームのときの最高学年のことだよね?
子:そう。Varsityはチームの中では一番レベルが高くて、基本的にはシニアが入ることが多いけど実力を見せれば1年生でも入れるんだよね。逆にシニアでも実力がなければその次のJunior Varsityっていうのに入る。で、シーズン中に落ちたり上がったりもあるという実力の世界。特に州大会に行くようなレベルだとそういう傾向にあるよね。まあもともと課外活動って日本みたいに上下関係も厳しくないし、本当に実力主義だからね。スポーツならば大学のスカウトが見に来て、大学進学や奨学金につながることもある。スポーツを楽しみたい人にとってはVarsityだと練習も特にきついし、楽しむって感じがなくなりがちだからJunior
Varsityくらいが気楽かもしれないよね。音楽や芸術系の場合は学校での発表会とかArt
Fair(展示会)で評価されれば外部のコンクールに出展できる。そういう成果もしっかり大学へのアピールになるんだよ。だからシニアまでに学校の卒業に必要な単位をとっておけば、最終学年で課外活動に力を入れられるんだ。
母:高校生になると愛校心もすごく強くなってくるよね。スクールカラーとかキャラクターがあっちこっちで使われている。ユニフォームはもちろん、校舎内外の色、Tシャツとか、気づいたら同じ色ばかりだった。学校の名前入りの服着てる親も結構いるしね。
子:応援の盛り上がりは半端じゃないよー。秋の新学期にはアメフトの前にTailgateっていうイベントがある。まあ要はアメフトのシーズン初試合の前にみんなで騒ごうってことなんだけどね。特に自分の学校で行う試合、Home
Gameのときはみんな一丸となって応援する。うちのスクールカラーは緑とゴールドだったんだけど、髪をスプレーでその色にしたり、冬のスポーツだからものすごく寒いのに、上半身裸にペイントしてるやつとか。同じ地域のライバル校との試合は最高の盛り上がり!お袋、生でチアリーダー見てすごく喜んでたよな?
母:だって映画の世界みたいでしょ。本当にああいうふうに踊るんだーって。そういう応援は親ももちろん見に行けるから一度行ってみるのも面白いよね。ペイントといえば、それ、あなたもやったクチ?
子:もちろん!でもそのあとペンキがなかなかとれなくてねぇ・・・。
母:応援だけじゃなくって、いろんなスポーツをやってたわね。日本のように同じ部活を3年間続けるんじゃなくって、季節ごとに種類が変わるのは、合理的というかなんというか。
子:強いチームだとTryoutsといわれる選抜テストもあるからね。そのテストで入部とチーム分けが決まるから新学期、つまり秋冬シーズンのTryoutsは学校の新学期前からあるよね。だから8月になるともう夏休み気分じゃなくなってくるんだ。
<季節ごとのスポーツの分類>
(冬〜春)
レスリング、バスケットボール、ボーリング、体操、水泳、陸上
|
(春〜夏)
野球、バドミントン、サッカー、ソフトボール、バレーボール、水球、ラクロス、ラグビー、フリスビー、アイスホッケー、フラッグフットボール、アメフト |
(クラブスポーツに関しては高校、学区によって異なる) |
●学校の授業
母:アメリカは日本と違って高校受験がなくて住んでいる地域の学校にそのまま通うから、同じ地域に長く住んでいると小学校からずっと仲良くしてる友達もできて、高校時代にはその仲間たちとつるんでたことが多かったよね。
子:そうだね。小学校で転入してきたときは不安だったけど、いつも友達が助けてくれた。英語も彼らとの付き合いで学んだしね。いろんな友達と付き合ってきたけど最終的には近所の仲間が一番かな。しょっちゅう誰かの家でだらだらしてる。
母:まるで“That’s
70 Show”の世界だよね。
子:ほんとほんと。彼らの家族ともすっかり仲良し。そのうち彼らの教会に顔をだすようになって、その教会主催のボランティアトリップでメキシコの小さな村やハリケーン被害を受けた地域の復興の手伝いにも行った。
母:メキシコのときはマラリアの予防接種をしたり、電話もつながらない場所だっていうんで本当に心配したよー。
母:ところで学校の授業ってどうやって選ぶの?毎年新学期のOpen
Houseにいって、科目担任の先生に会ったり授業の内容について聞いたりしたんだけど、正直いって科目ごとに先生も違うし、授業の内容だって何をやってるのかちんぷんかんぷんでした。
子:気楽でいいね〜。勉強するほうは大変だったんだから。 まず授業は単位制だから新学期の前に授業を選択する。1年生はMiddle
Schoolのうちにカウンセラーが来て一人一人面談してくれるから大丈夫。2年目からは自分で決めるんだけど、卒業に必要な単位数とか大学進学に必要な科目とか結構複雑だから一人でやるのはなかなか厳しい。そのときにカウンセラーが助けてくれるんだよね。
母:カウンセラーって心の相談をする人って印象があるけど?
子:高校のSchool
Counselorっていうのは、教師ではなくて専門職。心や生活面の相談はもちろん授業のとり方や進路の相談などもしてくれる心強い存在なんだよね。教科の担任はあくまで授業をする人で日本の先生のように生活、進路にはそれほどタッチしない。Counselorは時に授業で問題がおきたとき、担当教師との間に入ってくれることもあるよ。特に今回の日本への受験のときはお世話になったなあ。提出書類の内容とか提出期限とか日本の学校は結構細かかったんだけど根気よく付き合ってもらえたし。
母:学校の成績の見方も、難しかったな〜。テストや授業態度だけじゃなくて、宿題を期限まで出したかとか、その内容、レポート、プロジェクトとかを細かく評価されるのよね。でも、新学期の最初に評価内容の基準が書いてある紙がくばられるのは親切だよね。特別に評価のあがるExtra
Creditとかね。親からの質問もメールで直接きけるようにもなってたし。
母:2年から3年にかけて宿題とかレポートがすごくたくさんでてふらふらだった時期があったよね。あれってどうして?
子:
APクラス(Advanced Placement)をとったときは厳しかった〜。APクラスは普通の授業より勉強する内容が多いから進度も速くて宿題もたくさんでるんだよね。成績の評価は普通の科目でAは、4点満点なんだけどAPの場合は5点と評価されて、大学受験で求められるGPA(Grade
Point Average)がぐんと上がる。GPAは高ければ高いほどもちろんいいわけだからね。
母:一度、教科担当に進められてAPを選んだけど結局その授業の宿題に時間をとられすぎて普通の科目の宿題ができなくなって、結局全体的に成績がさがったことがあったよね。
子:そうそう。教科担任は生徒の可能性を信じて薦めてくれるけど他の科目も選択しなくちゃいけない生徒にとってはそれは何十個もある授業の一つなわけ。一つ一つの授業に毎日1時間かかる宿題が全部出たら寝てる暇なんてなくなるんだよ。APはある程度の成績を取っていて先生やカウンセラーの承認があれば取れるけどそういう厳しい科目だということを覚悟して選択しなくちゃ。
母:なるほどねえ。じゃあ時間的に無理な場合はどうしてたの?
子:これは正しいやり方かどうかわからないけど、そのときに成績に影響しそうな科目から優先してこなしていってた。家で宿題が終わらなければ学校の昼休みにやったりね。最悪は優先度の低いものはやらない、とか。
母:要はTime
Managementってことなのね。
子:そうだね。これはすごく難しいよね。バランスよくクラスを選ぶっていうのもアメリカの高校で学んだ事だね。卒業だけじゃなくて大学進学への準備のことも考えると勉強だけじゃなくて課外活動やボランティアも経験するべきだし、バイトだってしたいしね。ホントあの時期は大変だった。だけどその時期にきちんと単位をとっておけばシニアになったときに余裕ができて楽しめるんだよね。
母:余裕できすぎでしたけどね。(苦笑)シニアの時は、はたから見ていたら適当に手を抜いているようで本当にいらいらしたわ。こうやって説明してくれれば納得するのに!
子:もう説明するのもうんざりだったよー。
●日本への大学進学
母:アメリカで高校卒業して今回日本の大学にいくわけだけど心境はどう?
子:不安半分、楽しみ半分ってとこかな。正直、アメリカでの大学進学にも魅かれてたけどビザのこととか将来のこととか考えたら行き着くべき選択なんじゃない?
母:そうだね、最初はアメリカの大学を考えてたものね。でも途中から日本の大学も検討するべきかも、と思ったんだよね。きっかけは永住権をあきらめたことかな。ビザが切れたら帰国しなくてはならないし、仮にこっちの大学に通っていても20歳の誕生日以降は学生個人が学生ビザへの切り替えが必要だってわかってきて。ビザ切り替えのプロセスとか費用、学生ビザを取ったあとの学費とか考えたら日本の大学のほうがいいのかな、って思ったんだよね。
子:戻ってきたかったら自分でビザ取れって?
母:そういうこと!
子:現地校しか通ってない自分にとっては日本の大学受験というのは脅威だったよ。「帰国生受験」があるから楽だよ、って言う人もいたけどね。一般に帰国受験ってアメリカの高校を5月に卒業してから日本で予備校に行って秋に受験し、翌年春に入学っていうパターンだよね。
母:私は、毎年秋に日本の予備校が開いてる帰国生対象受験セミナーには参加してたよ。帰国生受験っていうのはまずは条件の選択なんだよね。自分の現状(滞在期間、英語力など)にいかに適した受験条件の大学を選ぶかで合否は変わってくると思ったよ。選考に必要なテスト(SAT,TOFELなど)のことはセミナーに参加するまで全然しらなかったし、大学の合否基準とかもいろいろ細かくてとても勉強になったし、帰国受験にはいろいろなパターンがあることも分かった。ILの高校では中西部の大学に進学する生徒が多いからそれらの大学が評価基準としているACTを重視する傾向にあるんだよね?実際、学校で全員がACTテストを受けるんでしょ?
子:そう。ACTはSATに比べて科目が多くて、どちらかというと高校で学んできたものの理解を試すようなテスト。だからその成績が大学選択の基準になるっていうのもわかる。学校でも力入ってて、ACT用の補習とかやってたし。
母:SATのほうは自主的に受験しなくてはならないのは日系塾のセミナーで知ったんだよね。
子:SATは英語力がすごく大切。でも数学の問題そのものは日本で学んだ生徒には易しいとされてるみたいだよね。自分はそう思わなかったけど。だから数学の問題に慣れると点数は上がるんじゃない?SATは学校ではそれほど力をいれてなかった。それはSATの成績を評価するのが西部、東部の大学で多いからみたい。実際にそっちの大学を目指してた子は受けてたよね。自分は日本の大学で要求される点数をとるためにかなりの回数受けたけど、アメリカの大学受験の場合はあまり何度も受けないほうがいいとも聞くよ。TOFELも受けなくちゃならなかったし、定期的にSAT受験だったしでもうすごいプレッシャーだった・・・。
母:そりゃそうだよ。お尻たたかないとやらないんだから!
子:本人はしっかりやってたつもりだったんだけどねえ。だんだん自分の状況に合った受験方法が何なのかみえてきたし。僕の場合は海外が長かったから日本のテストを受けるよりもSATとTOFELの成績をみてもらう方法で受験する方針に絞ったんだよね。でも滞在期間が短くてどちらかというと日本語での勉強のほうが楽な場合は、別の受験パターンがおすすめ。それでもSAT、TOFELのスコアを必要とする大学は多いから、早いうちから準備をしておくのに間違いはないよね。LAには日本語でSAT,TOFEL対策をしてくれる通信制の塾もあるよ。日本語環境が少ない場合は、日本の予備校に入ってみるといいかも。僕はシニアになる前の夏に1週間日本の予備校に行ったんだけど。ちょっとしたカルチャーショックだったけど刺激になったな。進路相談もできたし、同じような帰国受験で帰ってきてる人と仲良くなったのもよかった。今でも連絡してるし、日本でもつきあうんじゃないかな。あ、一番大切な勉強のほうは、ただただ自分の日本語力のなさに驚いた、と。
母:笑い事じゃないんですけど!!
●運転免許
母:運転免許をとったことも大イベントだったでしょ?
子:そうだね。学校の授業の単位として仮免までとれるんだよね。
母:免許が取れるってことは知ってはいたけど、16歳ってかなり心配・・・。
子:ここはアメリカだよー。車がないと暮らしていけないでしょ?親だって高校生の生活パターンに合わせて運転手するわけにもいかないんじゃないの?
母:ふぅーん…。たしか16歳の誕生日の半年前から授業を受けられるんだよね?
子:そう。実際に運転するまえに講義をうけて、そのあとに1週間実際に運転する。仮免の試験に受かったら本免許をとるまではStudent
Driverとして一般道で運転できるけどいろいろルールがあるんだ。
母:運転時間は自己申告で50時間、21歳以上の運転免許のある人と一緒に、っていうのよね。
子:そうそう。学校じゃなくてと外部の運転教習所に通う奴もいたなあ。
母:どうして学校で取れるのにわざわざ外部で練習するの?
子:外の教習所だともっと早い年齢で練習が始められて、その分、学校では別の単位を取ることができるからね。早めに卒業単位を取ってSeniorで時間を作りたいという友達はそうしてたかな。
母:なるほどねー。そこまで計画を立ててたってことか。毎日に必死な我が家とは大違いだわ。ところで、仮免のときの同乗者って殆ど親がなることが多いでしょ。うちも当然そうだったけどね。仮免とったころは、普段一緒に絶対外出しないのにやたら一緒に来たがって。
子:もう面白くて面白くてしょうがないから、運転が。
母:あんなに怖い経験ったらなかったわよ。緊張のあまり体じゅう筋肉痛になったもん。今でも横に乗ってて進路変更のとき、ついつい一緒に横見ちゃう。
子:あれはいい加減やめてほしいよね。とにかく心配しすぎだよー。僕は少なくともおふくろよりは運転うまいって思ってるし。
母:さあどうだかねー。慣れたころが危ないんだけど。正式に免許をとって一人で運転してたころは毎日無事に帰ってくるように、って本当に祈る思いだったのよ。ましてや免許所得後1年以内は未成年の同乗者はひとりまでって決まりがあって。これって考えてみたら不思議なルールだと思わない??免許取立てで本人ひとりでもまだ心配なのにもう一人が乗れるなんて・・・なんだかよく理解できないルールだったけどね。
子:でも日本じゃそういうのないでしょ?免許を取れば何人でも乗せていい。
母:確かに。うーん、そう考えると厳しいといえば厳しいのかな?いずれにしても高校生同士が車に乗って起こる事故は後を絶たないし、大丈夫ってことはあり得ない。しつこいようでも警告はすべきだと思う。まあ高校生の運転が安全と思われていないってことは自動車保険の金額を見てても分かるよね。
子:でも成績がある程度高いと割引とかになるじゃない?
母:それも不思議な話よね。成績と運転技術はあんまり関係ないようにおもうんだけどね。
母:うちは子供専用の車は買わなかったけど、友達は結構持ってるよね。スクールバスに乗ってるシニアなんてすごく少ないんじゃない?
子:そりゃそうだよ。シニアになると授業の数も少なくなるから時間もまちまち。予定をバスの時間帯にはあわせにくいし、バイトしてる子がほとんどだから車は必需品。
母:ジュニアの終わりくらいになってみんなが車を運転するようになると一気に生活が変わったよね。夜は家にいないし、全然家族ででかけなくなって。
子:そりゃあ、友達といるほうが楽しいんだよ。
●放課後
母:貴方はビザの関係でバイトはできなかったけど、みんなどんなバイトをしてたの?
子:うーん、車の洗車場とか、ファーストフード、DIY
Store、グロッサリー、ナニー、衣料店の店員とかね。時給はまちまちだけど$10前後かな?みんなバイトしてるからもちろん僕よりはリッチでうらやましかった・・・。
母:よくレストランの無料の日とか団体で行ってたよね。ファーストフードのクーポン集めたりとか。
子:はぁ〜自分は主婦か?って感じだったよ。だって友達といる時間が長かれば長いほど交際費はかかるでしょ?
母:だからお弁当だって毎日作って持たせてお昼代がかからないようにしてたじゃない?毎日サンドイッチだったけど(苦笑)それでも足りないのは自分のやりくりの問題じゃないの?
子:えーっ。だってクラブの前後にお腹すくから絶対弁当だけじゃ足りないよ。
母:まあ毎朝のようにスタバとかは関心しないと思ってたけどねぇ。洋服だってみんなが買ってるからって流行の店でしか買わないというのは困り者だよねー。
子:そんなことなかったじゃない?Hollister,
Abercrombie
& Fitch, とかは自分の趣味じゃなかったし、なにより値段が安くなかったから買ったことない。結局いつも普通のTシャツとジーンズだったじゃない?買ってもバーゲンのときにZumiez,
Pacific Sunwearで買うくらい。女の子に比べたらそのあたりはお手軽だったと思うけどね。古着屋とかKohl’sで気に入ったのをお得に買ったりしてたしね。
母:高校生なんだから当然です!
●プロム・ホームカミング
子:学校で開催するダンスパーティはアメリカの高校生活には欠かせないイベントだよねー。全学年参加できるHomecoming,
Winter promっていうのとジュニアとシニアしか参加できないProm。
母:こういうパーティってカップルで参加しなくちゃいけないの?
子:基本的にはそうだけど、一緒にいくのが付き合っている相手じゃなくても仲良しなら一緒にいくこともあるし。別の学校の生徒でもいいし年上でもかまわない。ただ上限の年齢は21歳。
母:それはどうして?
子:学校の主催するパーティではもちろんアルコールは禁止。だから参加者もお酒を飲めない年齢に限るってことらしいよ。
母:なるほどねえ。女の子ほどじゃなかったけど準備も大変だったよね。
子:ホームカミングでは女の子はドレスだけど男の子はスーツが多かったね。僕もその時に初めて自分のスーツを買ったっけなあ。
母:そうだったよねー。プロムとかアメリカの高校生のダンスパーティっていうのはこの年になっても憧れだわー。日本人にとっては、映画のイメージなのよねー。パーティに行く前にディナーにいくとか、女の子にブーケを用意するとか、そういう習慣を知らない私には大変だった。
子:免許がないうちはおふくろが運転していったよねー。
母:あれはなんだか妙な感じだったわー。本人たちも緊張してるのかひとっことも話さないし、運転手は複雑でした。
子:ははは。
母:プロムはすごかったよね、女の子はドレスも本格的だし、男の子はタキシードが主流。女の子のドレスに合わせてベストとネクタイの色を合わせて、もう1ヶ月以上前から準備してた。最初あなたがタキシードを選ぶって知らなくって最近やたらタキシードレンタルの広告が来るのは何でだろ?って思ってた。いざタキシードを選ぶにしても私にはまったくわからないことばかりで、結局彼女に一緒にいって選んでもらったよね。白いタキシードに白い靴って聞いて最初は目が点だった。演歌歌手か?って。
子:ひどい言われ方だよなー。まあ結婚式と同じでPromは女の子のものだからねー。
母:そうそう。彼女は自分でドレスも作ったうえに、おそろいの生地であなたのベストまで作ってくれて、とても個性的なカップルだったと思うよ。まあ春にはみんなぼちぼち進路も決まってきてるし、あとは思い残すことなく遊ぶって感じだったよね。
子:当日は、みんなでお金を出しあって15人乗りくらいのリムジンを借りて会場にいったよね。
母:参加するメンバーで綺麗な庭の家に集まって写真をとったり。もう家族総出で大騒ぎなのにはびっくりしたなあ。まあ成人式っていうのがアメリカにはないから、そういうイメージなのかな。
子:Partyの次の日には同じメンバーで日帰りドライブもしたっけな。
母:本当に青春って感じだよね。大きな怪我も病気もなく、高校卒業まで過ごせてよかった。おめでとう!
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