たま「この界隈で『懐かしい味』と言ったらダルマのナポリタンを思い浮かべる人は多いんじゃないですか?」
先輩「確かに。あの日本の洋食屋さんの味は他ではなかなか食べられないからね。アレ、週に60食以上も出るらしいよ。でも、今回紹介してもらうのは、あえて純和風の一品料理ばかりなんだよ。」
(だるまに到着)
たま「ここは相変わらず若いお客さんが多いですね。」
先輩「従業員もみんなチャキチャキしてて威勢がいいからなあ。さ〜て、今回マロさんに出していただいたのは、だるまさんのスペシャルメニューの6品。この中でいつもメニューにのっているのは角煮だけで、あとは日替わりなのを今回は全部まとめて出してもらったんだ。」
たま「(お盆に並んだ6品を見て)どれも色が濃すぎない上品な印象ですね。」
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煮物などが懐かしい味のスペシャルメニュー |
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シャキシャキッとしたきんぴらごぼう |
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ほどよい味付けのひじき |
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山菜のよい香りがするぜんまい |
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具たくさんの筑前煮 |
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かぼちゃの甘味がおいしい煮物 |
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とてもやわらかい豚の角煮 |
先輩「まずは
きんぴらごぼう。」
たま「ごぼうの香りが引き立っていて、シャキシャキとした食感がよく残っています。」
先輩「甘すぎない、さっぱりとした味付けが特徴だね。」
たま「次は
ひじきですね。さつまあげの薄切りが入っていて、噛むごとに優しい甘さが広がり良いアクセントになってます。」
先輩「味が濃すぎないので、沢山食べれちゃうんだよな〜。ひじきって美容にもいいから日本でも見直されてるんだって。」
たま「これは
ぜんまいですね。うわあ、懐かしい。おばあちゃんがよく作ってくれたんですよ。」
先輩「山菜独特の良い香りが口いっぱいに広がるね。油揚げと一緒に煮てあるから優しい味わいだ。こういう料理を食べると日本人で良かったって思うね。」
たま「ほんと、クセがないのでとっても食べやすいです。」
先輩「僕にとっての『懐かしい味』っていうとこの
筑前煮なんだよね。里芋、ごぼう、こんにゃく、にんじん、竹の子、鶏肉、しいたけ、いんげんまで入ってるよ。」
たま「一皿で野菜の食物繊維がたっぷりですね。この分厚い干ししいたけはふっくらジューシーでとっても上品。一口かむとジュワっと旨みが広がります。」
先輩「うん、素材それぞれの味が生かされていて、それでいてまとまりがある上品な味付けだね。」
たま「これって
かぼちゃの煮物ですよね?へ〜、ちりめんじゃこが上にのってるんだ。」
先輩「そう、これがマロさんのお母さんのレシピなんだって。じゃこの香りが強く出てて風味があるよね。勿論かぼちゃはカタチを崩さない程度に柔らかくって味付けはさっぱりめ。」
たま「かぼちゃの甘味を生かした優しい味付けが嬉しいですね。」
先輩「この
豚の角煮は通常メニューにもあるんだけど、何時間もコトコト丁寧に煮込んでいるからトロトロと口でとけちゃうほどだよ。」
たま「私も好きなので家でも作ってみるんですけど、なぜかこういう風にはならないんですよね。豚の脂は決してしつこくないし、からしのアクセントもまさにピッタリです。」先輩「うん、味が中までちゃんとしみてるんだけど、味が濃くなり過ぎないところがミソだね。」