毎年、聖マタイルーテル日本語幼稚園で行われる泥んこキャンプ。その時の出来事です
朝のあいさつ、ラジオ体操、ダンスから始まり、いざ、遊ぼう!と思いきや、いつも元気なT君が、今日はなんだか気がのらない様子。T君のお母さんが帰ろうとすると、『待って。行かないで…』とお母さんを引き止めます。
新しい環境、新しい友達、新しい先生…最初の数日は元気にキャンプに参加していたのですが、今日はちょっと寂しい様子。『お母さん、一緒にいても大丈夫ですよ。』とスタッフと相談しながら、お母さんはT君と一緒に残ってくれました。T君をお膝にのせて、ラジオ体操もダンスも一緒に踊ってくれました。
しばらくしているとT君の表情も明るくなり、お母さんと手をつないでいたT君を遊びに誘ってみました。すると、T君はお母さんの顔を見て『ママ、僕、行ってくる。』とお母さんの手を離れ遊びの輪に入っていきました。 お母さんも『楽しんできてね! いってらっしゃい!』と、大きく手を振ってT君を送り出してくれました。
子供って、元気になるきっかけや、タイミングがあるんです。自分の心で『よし!もう大丈夫』って切り替われる強さを彼らはもっています。T君のお母さんは彼の強くなれる瞬間を信じて、彼が安心できるまで一緒にいてくれたのです。
幼児期の子供達はまだ小さくて、お父さん、お母さんの温もりが恋しくて、寂しくて泣きだしてしまう時もあります。小さな子供達にとって、新しい環境というのは時に彼らを不安にさせてしまう事もあるのです。そんな時、スタッフやお父さん、お母さんからの元気になる言葉や、きっかけ、ゆっくりできる時間など、いろんな事が子供達を勇気付けてくれるのです。幼児期の子供達ではありますが、もう少ししたら、『じゃ、行ってきま?す!』と、元気よく手を振って自分たちで前に進める時が必ずやってきます。笑顔で前に進める時、その時のタイミングは子供達一人一人違います。幼稚園に通っている子供達であれば、スタッフと協力し合いながら、子供達が安心して過ごせる環境を作り、子供達の心を伸び伸びと育てていきたいですね。
大きく育て! 子供達!
元気に育て! 子供達!