〜 一緒に何かをするという事〜
秋の風が心地よい土曜日。パパやママと一緒に子ども達がシャベルをかついで幼稚園へやってきました。『美しい環境で伸び伸びと育って欲しい』そんな大人達の願いから、小さなフラワーガーデンを作ることになりました。
重いブロックを何度も運ぶお父さん達、まだ掘り返した事もない固い地面を一生懸命に掘り返すお母さんの姿を見ながらずっと昔、自分の父と母も手にカマを持ち、幼稚園の草刈りをしていたなぁ・・・と小さかった頃の思い出を振り返ります。
暖かい日差しを浴びながら、ガーデンは少しずつ形になり、大人達の額に汗が光ります。重たいブロックを運んだり、固い地面を掘り返す大人達の表情は静かですが、真剣な大人達の姿はどこか力強く、迫力があるのです。『パパってすごい・・・ママってすごい!』大人達の横で静かに見ている子ども達。幼い心をどきどきさせながら夢中になって大人達の動きを追いかけます。
しばらくすると、子ども達もシャベルを手に近寄ってきました。そして大人の隣に立ち、一緒に地面を掘り始めました。土を掘る・・・地味な作業の中であっても『僕もやりたい!私もやりたい!』と、子ども達が思うのは大人達が彼らのあこがれとなり、この日、幼い彼らが大人達の姿をみて感じた事、この日の大人達の姿がいつまでも彼らの心に残るのです。
子ども達は大人達の姿を見ながら学んでいます。フラワーガーデンから子ども達が学ぶ事は、そこに植えられたお花の名前だけではなく、そこで関わる大人達の姿だと思います。みんなで一緒になって働く事、相手を助け、尊重し合いながら作業を進めている姿を言葉だけではなく、身をもって教える事。相手とどのように関わっていくのか大人達の姿を見て子ども達は学んでいるのです。
数時間後、フラワーガーデンは完成しました。手にはまめができ、普段使わない筋肉を使ったせいか、体のあちこちが痛みます・・・。しかし、ガーデンを眺める大人達の顔、子ども達の顔も達成感で満ちあふれていました。パパやママの腕につかまりながら『僕のパパが作ったんだよ!ママがお花を植えたんだよ!』誇らしげに教えてくれる子ども達の心は喜びで溢れています。
今日もガーデンには優しい風が流れ、美しい花が元気に走り回る子ども達を見守っています。
大きく育て!子ども達!
元気に育て!子ども達!