〜あっちゃんの一日〜
『おはよう!』子ども達の元気な声が、朝の涼しい風と共に教室へ入ってきました。『あっちゃん、おはよう!』『...』いつも元気なあっちゃんが、目にいっぱいの涙を浮かべ不安そうに立っています。『どうしたの?』と聞いてもママの方を静かに見つめ何にも言えないあっちゃん。 すると、あっちゃんのお母さんがそっと教えてくれました。『主人が出張に行ってしまって...さっきお別れをしてきたばかりなんです...』大好きなパパにしばらく会えなくなっちゃう...あっちゃんの瞳からは、あっちゃんがパパを恋しがる気持ちが痛い程感じられました。『あっちゃん、先生と一緒に手をつなごう。一緒にいるからね。』あっちゃんの小さな手を握りしめ、下のクラスへ降りていきました。しばらくして『あっちゃん、ごめん。先生皆に絵本を読んであげないといけないけど、先生すぐ戻ってくるからね。』不安そうに小さくうなずくあっちゃん。最後にぎゅっとあっちゃんを抱っこし絵本をとりにいきました。 すると、他の先生もあっちゃんの様子に気がつき、『あっちゃん、先生のお膝に座って絵本聞こうよ。』と、静かにあっちゃんをお膝にのせてくれました。先生のお膝の上で、絵本のページをめくるごとに、あっちゃんの表情も次第に明るくなってきました。
子ども達が不安になった時、
保護者だけではなく、周りの大人達が彼らの不安に気づき、不安を取り除いてあげる事によって子ども達は安心し、彼らの心は強く成長し、前に進む事ができるのです。『一緒にいるよ。』の一言が子ども達を勇気づけ、隣に座ってあげたり、手をつなぎ、抱っこしてあげる事が子ども達には大切なのです。
青空の下『先生!ミミズ探してくるね!』ふっと私の手を離し、元気にお友達のもとへ走っていくあっちゃん。皆の優しさがあっちゃんの力になりました。あっちゃんの後ろ姿を追いかけながら、『あっちゃん、今日もまた一つ大きくなったね。』と嬉しくなった一日でした。
大きく育て!子ども達!
元気に育て!子ども達!