見守る事の大切さ
森へ行くと、子ども達はいろんな事に挑戦します。急な斜面を降りていったり、川にお手製の船を流したり、泥沼に入り無我夢中で遊ぶ子ども達。大人はその子ども達の様子を静かに見守ります。森で子ども達の大好きな遊びは丸太上り。最初は低い位置からのスタートですが、どんどん高くなっていきます。 子ども達が『怖い』と思った瞬間、
今まで大人の存在を忘れていた子ども達が、 ふっと大人を見るのです。そして大人が見守っている事を確認すると、安心しまた続けて挑戦しています。
先日、こんな事がありました。
運動会の振替休日。せっかくの休日を有意義に過ごそうと、携帯の電源をオフにして、車の掃除から窓ふきまで、忙しい一日を過ごしていました。一段落し、メールを見ていると、突然ガレージの方から『ガタガタッ』と、ドアを開く音が聞こえたんです。
一人で焦っていると、ドアの向こうから、『お〜い!誰かいるのかい?』と、隣のおじいさんの声が聞こえてきました。急いでドアを開けるともうすぐ90歳になるおじいさんが階段でよつんばになって私を呼んでいました。『どうしたの?!』と急いでおじいさんを起き上がらせ車いすに乗せると、額に汗をかきながら『ガレージのドアが開いていて、君の気配がなかったから、なんだか心配になって...電話もしたけどつながらなくって、大丈夫かなって。君に何かあったら大変だからさ、様子を見に来たのさ。』車いすでは無理な階段を、おじいさんは、はうようにして上ってきたんです。この時の私の状況が園で見る子ども達と重なって見えたんです。
この時の私も、園で無我夢中になって遊ぶ子ども達も自分の事で頭がいっぱいなんです。でも、私も園児達も知らず知らず周囲に見守られながら育ち、生活する事ができるのです。人は一人では生きていけない、周囲の人達の優しさの中で支えられてるのだと改めて感じました。
毎日成長し、前進していく子ども達。無我夢中で練習し、初めて二輪車に乗れて嬉しくて振り向いた時、笑顔で答えてくれる人がいる。何度も失敗し不安で振り向いた時、『大丈夫だよ』と、励ましてあげたる人がいる。どんな時も見守られているという安心感は子ども達に自信と前進する力を与えてくれます。これからも隣のおじいさんが私にくれた優しさで子ども達を見守り支えていきたいです。
大きく育て!子ども達!元気に育て!子ども達!