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2-2012

なぜ、このオフだったのか

タイミングが悪すぎる。あと1年待つべきだった。
 
今でも僕はそう思っている。
 
ポスティング・システム(入札制度)でメジャーリーグへの移籍を試みた2人の選手のことだ。
 
東京ヤクルト・スワローズの青木宣親外野手と、埼玉西武ライオンズの中島裕之遊撃手。
 
どちらも、野球世界最強国を決める2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した日本を代表する選手だ。
 
このオフ、最も注目を集めた日本人選手は、同じ制度を使ってテキサス・レンジャーズに入団した北海道日本ハム・ファイターズのダルビッシュ有投手だった。独占交渉権の落札額5170万3411ドルと6年契約の5600万ドル。たった一人の投手のために1億ドルもの金が動いたのとは対照的に2人の日本人野手への評価は厳しいものだった。
 
日本のメディアは一斉にこう書き立てた。
 
「ポスティング・システムの犠牲者」。
 
この制度が作られたのは、千葉ロッテマリーンズの伊良部秀輝さん(故人)のニューヨーク・ヤンキース入りがきっかけとなった1997年だ。選手にとっての最大の利点は、球団の許可が出れば、フリーエージェントの資格(現在は1軍在籍7年)を取得する前にメジャーリーグへの移籍が可能になることだ。その一方で交渉相手が1球団しかない、選手側に球団の選択の自由がない、といったいくつかの不利な点もあるが、この15年間、廃止されなかったのは、これが最善の手段だったからだ。昨年オフは、東北楽天ゴールデンイーグルスの岩隈久志投手(現シアトル・マリナーズ)とオークランド・アスレチックスの交渉が決裂したが、それでもルールが変わることはなかった。
 
忘れてはいけないのは、選手たちはそれらすべてを承知した上で自分の意志で決断したということだ。だから、「犠牲者」では決してない。

果たして、青木選手の独占交渉権を獲得したのはミルウォーキー・ブルワーズ、中島選手はヤンキースだった。レンジャーズがダルビッシュ投手の獲得に動くことは想定内だったが、この2球団の名前を挙げたメディアはほぼ皆無だった。それは、どちらも選手層の厚い球団だったから。どうしても欲しいという状況にはなかったからだ。
 
それは落札額にも如実に表れている。250万ドル。しつこいようだが、ダルビッシュ投手は5170万3411ドルだった。同じ野手でも前年のオフに同制度を使ってミネソタ・ツインズに移籍した西岡剛内野手の落札額は532万9千ドル。単純計算で2倍も違う。なぜか。そのシーズンに選手が残した成績が反映されていることは言うまでもない。
 
2010年の西岡選手は自己最高の打率・346で初の首位打者に輝いた。千葉ロッテのキャプテンとして日本一にも貢献。ツインズとの交渉は順調に進み、3年総額925万ドルで合意した。09年の打率・260はまったくマイナス要素にはならなかった。
 
一方の青木選手は、生涯打率・329を誇る日本屈指の打者だが、11年の打率は・292。打者に不利とされる低反発の統一球が日本で初めて採用された年。『投高打低』は数字にしっかり現れている。さらに、足首のけがにも苦しんだ。1軍定着7年目で自己最低の成績だった。首位打者となった10年の打率・356はまったくプラスに作用しなかった。
 
聞いて呆れたのが、ブルワーズが日本にスカウトを派遣していなかったという事実だ。青木選手をじっくりと調査することなく、入札に参加していたのだ。まさか勝てるとは思っていたのだろう。ブルワーズは早速、選手側に注文をつけた。条件の基準にするため、アリゾナで練習している様子を見せなさい、と。シーズン・オフの真っ只中にその実力を見せろ、と命じたのだった。
 
その結果、提示された契約は2年総額225万ドル、3年目は球団オプション(球団に契約更新の決定権がある)。11年の青木選手の推定年俸は3億3千万円(約430万ドル)。1年平均1億円も満たない条件内容は、不利な交渉だったことは意味していた。
 
青木選手が不幸だったのは、ポスティングが始まった時点でブルワーズには控えも含め、実力のある外野陣がすでに4人以上いたということだった。ところが、主砲のライアン・ブラウン外野手が禁止薬物摂取の疑いで開幕から50試合の出場停止処分の可能性が判明。その代役として青木選手を考えていたとすれば、あまりにも目先のことにとらわれすぎていると言わざるを得ない。
 
中島選手の結末はもっと悲惨だった。ヤンキースの内野陣はベテランが多く、けががちとはいえ、同選手が守る可能性のあった二遊間にはキャプテンのデレク・ジーターとロビンソン・カノがいる。三塁にはアレックス・ロドリゲスもいるとあって、ブライアン・キャッシュマンGMは交渉前から中島選手を控え内野手と位置づけ。しかも、昨季の控え内野手だったエデュアルド・ヌネスは期待の若手だ。最初から中島選手に入る余地などなかったにもかかわらず、一部の日本メディアは一面で「ジーターの後継者」との大見出しで中島選手を報道。結局、ヤンキースからは1年契約しか許されず、交渉は決裂。西武残留が決まった。
 
さて、晴れてブルワーズ入団が決まった青木選手だが、先行きは不透明なことが多すぎる。ブラウンが出場停止になれば、開幕から2カ月で首脳陣を納得させる成績を残さなければ、ブラウン復帰後に守る場所はない。アジャストすべきことが多々ある中で即、結果を出さなくてはいけない。そこは、日本の球団でプレーする外国人と同じ。期待値が高い分だけ、結果を求められる。そして、それが、ブルワーズのみならず、メジャー全体の評価となってしまう。鳴り物入りでカブスに入団しながら、本来の力を発揮できなかった福留選手のように。
 
1年でも早く、20代のうちにメジャーリーグでやりたいという理想と、自分の場所さえ保障されなかった現実。そのもてる力を存分に発揮するためにも、青木、中島選手にはもう1年待って欲しかった。
 
僕は今でもそう思っている。



 
     
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