01-2005 |
千人が大集合!
大リーグのオフシーズン最大イベント
ウィンターミーティング
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毎年12月に開催される大リーグのウィンター・ミーティングはオフシーズン最大のイベントだ。主な目的は、来季に向けてのチーム補強とフリーエージェント(FA)選手の
”職探し“。昨年12月10〜13日の日程でカリフォルニア州アナハイムで行われた同イベントには、メジャー30球団のゼネラルマネジャー(GM)やスカウト、監督、選手とその代理人、さらに各球団の動向をレポートするメディアなど、約1000人もの人々が集結した。
ホテルのロビーの片隅に四重、五重の記者の人垣ができていた。その中心にいたのは代理人のスコット・ボラス氏だ。選手の動きに関して入れ替わり立ち代り、矢継ぎ早に浴びせられる質問。1時間半もの間、同氏は疲れの色を見せずにしゃべり続けた。
ボラス氏が抱える選手と言えば、00年オフにレンジャーズと史上最高となる10年2億5200万ドルの契約を結んだアレックス・ロドリゲス内野手が最も知られている。今オフも「10年2億ドル」を要求したと伝えられる元アストロズのカルロス・ベルトラン外野手をはじめ、前ホワイトソックスのマグリオ・オルドネス外野手、今季ナ・リーグ本塁打王の前ドジャースのエイドリアン・ベルトレ三塁手ら、数多くの大物FA選手の交渉に携わっている。今や、ボラス氏を記者が取り囲むシーンは欠かせない風景の一つとなっている。
ところで、このオフ、大リーグのFA選手は何人いるか、ご存知だろうか? ざっと数えて300人(!)。1球団平均10人もの選手が職を失ったことになるが、もちろん、FA選手全員の
”就職先“がわずか4日間のウィンターミーティングで決まるわけではない。交渉はイベント終了後も継続されるのだ。
そんな中、今オフも大リーグに挑戦する日本人選手がいる。FAで移籍を目指すのは、井口資仁内野手(30、ダイエー)、仁志敏久内野手(33、巨人)、藪恵壹投手(36、阪神)、デニー友利投手(37、横浜)、稲葉篤紀外野手(32ヤクルト)の5人と、合併球団のオリックスからポスティング・システム(入札制度)で移籍を目指す中村紀洋内野手(31)。しかし、01年のイチロー(マリナーズ)と02年の松井秀喜(ヤンキース)の両外野手、昨オフの松井稼頭央内野手(メッツ)に比べると注目度は高くはない。
人気だったは野手よりも投手。友利のトライアウトには20球団以上、約30人のスカウトが集結。藪に関して「興味がある」と答えた球団は少なくとも5つはあった。反対に、最も注目されると予想された井口はホワイトソックスから条件提示を受けた程度(結果は井口側が拒否)。2年前にメッツと合意後に日本残留を表明した中村も入札日の公示を前にして異例の公開練習。ケン・ウィリアムズGMが姿を見せたホワイトソックスのほか7球団が視察に訪れたが、入札するのはドジャースだけ、との声もある。
今回のウィンターミーティングは大きな動きもなく終了した。 ”パイオニア“野茂英雄投手がドジャースと契約を結んだのは95年2月13日。あれからちょうど10年になる。今年も当然のように新たな日本人大リーガーが誕生しようとしている。会場には代理人事務所で働く若い日本人の姿も目についた。時代の変化を強く感じた。
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