●抗生物質で子供の体重増加リスク
医学誌「International Journal of Obesity」電子版に2015年10月21日に掲載された、ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生学部環境健康科学部教授の
Brian Schwartz, MDの研究で、「抗生物質の反復使用は小児の体重増加と関連し、生涯にわたり体重に影響する」と報告されています。
この研究では、米国の若者16万4千人程のデータを収集し分析した結果、約21%が小児期に7回以上の抗生物質の処方を受けており、これらの群の15歳時の体重は、抗生物質を使用しなかった群よりも1.4kg重いことが判明しました。
Schwartz教授は、「小児期の抗生物質の投与でBMIが生涯にわたり変わる可能性がある。今回のデータは、抗生物質を小児に与えるたびに、体重増加が速まることを示唆している。こうした影響の累積で、成人期にはさらに悪化する可能性が高まる。抗生物質の全身投与は、強く指示された場合を除き避けるべきだ」と指摘しています。
抗生物質は、これまでにも多くの副作用が報告され、生来の免疫力を弱め、また耐性菌の増加の原因となるなどの問題点が指摘されていましたが、抗生物質の反復使用が消化管の細菌バランスを永久に変えることが示唆されており、それが食物の分解方法を変え、吸収されるカロリー量が増加して体重増加につながるとも言われていました。
今回の研究では、「抗生物質の反復使用は小児の体重増加と関連し生涯にわたり体重増加に影響する」と結論つけられ、「抗生物質の全身投与は強く指示された場合を除き避けるべきだ」と安易な使用に警鐘を鳴らしています。
●ADHD治療薬が小児の睡眠障害の原因に
医学誌「Pediatrics」電子版に2015年11月23日に掲載された、ネブラスカ大学リンカーン校のKatherine
Kidwell, MAの研究で、「注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療薬が小児の不眠の原因となる」と報告されています。
この研究では、ADHDの小児を、精神刺激薬を服用する群と、服用しない群(プラセボ群)に無作為に割り付けて比較した7件の臨床試験の結果を統合し精査しました。
その結果、精神刺激薬を投与した群では睡眠障害が多くみられることが判明しました。 一例として、ある研究ではメチルフェニデート(リタリンのジェネリック薬)を服用した小児群は、1日の平均睡眠時間がプラセボ群に比べ約20分短いことが判明しています。
研究者らは、「リタリン、コンサータなどのADHD治療薬には生じ得る副作用の1つとしてすでに睡眠障害が記載されているが、これまでの研究では一致する結果が出ていなかった。今回、小児が1日に精神刺激薬を服用する回数が多いほど、夜間に眠りにつくまでに時間がかかることが明らかにされている。どんな薬剤にも副作用はあり、親はADHD治療薬の「コストと便益」を総合的に比較する必要があり、睡眠障害がみられる場合は親が小児科医に相談することを勧める」と述べています。
ADHDに関しては、その診断名の名付け親である医師が、「ADHDは存在しないでっちあげの病気である」と暴露したという報道もあり、またこの種の精神刺激薬(抗精神薬)は麻薬と化学的構造が類似した危険な薬物であり副作用のリスクが大きいという指摘もあります。
貴方の愛する子供さんの安全と健康と幸せの為に、参考にして頂ければ幸いです。