○子供の睡眠を電子機器が妨害
医学誌「BMJ
Open」電子版に2015年2月2日に掲載された、Uni Research Health
の Mari Hysing, PsyD の研究で、「日中および就寝前の長すぎる電子機器の使用が、十代の子供の睡眠に有害」と報告しています。この研究では、16〜19歳のノルウェー人約
1万人を被験者とし、学校以外での電子機器の使用時間と睡眠の量や質を調査・分析しました。
その結果、日中に4時間以上電子機器を使用すると、入眠時間が60分以上長くなるリスクが49%高い。睡眠時間が5時間未満になるリスクは、電子メールやチャットを2時間以上する者では3倍、内容にかかわらず使用時間が4時間以上の場合では3.5倍になることが判明。
また、電子機器を1個のみ使用する者と比べ、2〜3個の者は睡眠時間が5時間未満である可能性が50%高く、4個以上の者では75%高く、かつ入眠時間が60分以上長くなる可能性も26%高いことが判明。
放課後2時間以上の電子機器の使用、特に就寝前の PC、スマートフォン、MP3プレーヤーの使用は入眠時間の延長に強く関連し、コンピュータは睡眠不足と最も強く関連していることが判りました。Hysing
博士は、、「今回の結果は、十代の子供の電子機器使用に関するガイドラインを更新し、保護者へのガイダンスを提供する必要性を示している」と述べて警鐘を鳴らしています。
○ 甘い飲料が女児の初潮を早める
医学誌「Human Reproduction」電子版に2015年1月28日に掲載された、ハーバード大学公衆衛生学部博士研究員の
Jenny L. Carwile, ScD の研究で、「砂糖入り飲料を多量に摂取する女児は初潮が早まる」と報告しています。この研究は、9〜14歳の女児5600人弱を被験者とし、1996年から2001年まで追跡し、食物摂取の詳細なアンケートを実施し、飲料から摂取された砂糖量を算出して分析しました。。
その結果、砂糖入り飲料摂取が最も多い群(1日に1.5サービングを超える砂糖入り飲料を摂取)の女児の平均初潮年齢は12.8歳だが、砂糖入り飲料摂取が最も少ない群(週に2サービング以下を摂取)の女児の平均初潮年齢は13歳と、砂糖入り飲料摂取が最も多い群の女児は初潮(最初の月経)が2.7ヶ月早いことが判明しました。この結果は、女児の
BMI(肥満指数)、食物摂取量や運動量と関連せず、またダイエット飲料が初潮年齢の差には関連していないことも判明しています。
Carwile 博士は、「早期の月経開始は、思春期のうつ病、成人後の乳がんのリスクファクターであることから、この知見は単に初潮を早く迎えるという以上の意味をもつ」と述べ警鐘を鳴らしています。
親御さんは、こういった知見を参考にして、子供さんの健康を守ってあげて下さい。