1.糖尿病リスク低下に地中海食が有用
医学誌「Annals of Internal Medicine」オンライン版に2014年1月7日に
掲載された、スペインの王立カルロス3世研究所の Jordi Salas-Salvado
栄養
学教授の研究で、「心疾患発症リスクが高く、オリーブオイルを多く含む地中
海食を食べている人では、摂取カロリー量の制限や運動の推奨を行わなくても
糖尿病の発症リスクを低下させられる」と報告されています。
この研究では、心疾患リスクが高く、非糖尿病の55〜80歳の男女3500
人超を被験者とし、地中海食に加えエクストラバージンオリーブオイルを摂取
するA群、地中海食に加えミックスナッツを摂取するB群、低脂肪食群のC群
の3群に分け、4年間追跡調査しました。
調査期間中に2型糖尿病を発症したのはオリーブオイル群で80例、ナッツ群
で92例、低脂肪食群で101例であり、糖尿病リスクに影響する他のリスク
因子を調整した結果、オリーブオイル群では低脂肪食群に比べ糖尿病リスクが約40%低いことが判明。ナッツ群でもリスクは18%低下していたが、統計
学的に有意ではなかった。
研究者は、「過体重は2型糖尿病のリスク因子であり、体重管理には適切な食
事と運動が有効なので、この結果が、適切な食事や運動を推奨しない方向に解
釈されないように」と述べています。
この研究での地中海食は、「オリーブオイルのほかに果物や野菜、全穀粒、魚
を重視する食事」とされていました。
2.眼疾患の合併リスクを認識していない糖尿病患者が多い
医学誌「JAMA Ophthalmology」オンライン版に2013年12月19日に掲
載された、ジョンズホプキンス大学医学部眼科の Neil Bressler
教授の研究で、
「糖尿病性網膜症により失明した成人患者のうち、糖尿病は視覚障害につなが
る疾患であるとの説明を医師から受けていた人は半分に満たない」と報告され
ています。
この研究では、米国疾病管理予防センター(CDC)が2005年〜2008年
に行った調査データを用いて、2型糖尿病に網膜症を合併した患者の受診状況
や反応について再調査しました。
その結果、失明の危険が指摘された糖尿病患者のうち、5人に3人は糖尿病と
失明の関連について医師から説明を受けたことを思い出せず、約半分は、その
前の1年間に糖尿病管理指導士などの保健医療従事者と面会していないとし、
5人に2人は瞳孔拡大について精密検査を受けていないと回答しました。また、
回答者の3分の1は、糖尿病に関して何らかの視覚障害をすでに自覚している
と回答しました。
Bressler 教授は、「糖尿病性視覚障害の90〜95%は予防あるいは進行を抑
制することが可能だが、それは早期に治療を受けた場合に限られる。糖尿病性
網膜症は、眼への薬物注入で浮腫を軽減でき、失明のリスクは5%未満に低下
できる。多くの患者には、眼疾患の検査をするよう促してくれる医療従事者が
存在していなかったことは恥ずべきことだ」と医療側の対応の悪さを指摘して
います。
糖尿病患者は、医学的治療に加え、眼科検診も定期的に受けておく必要がある
ようです。 鍼灸も血糖値改善効果が証明されているので利用されるとよいで
しょう。