○糖尿病患者でも果物制限は不要
医学誌「Nutrition Journal」オンライン版に2013年3月5日に掲載された、デンマーク西ユトランド地域病院のAllan
S. Christensen博士の研究で、「糖尿病患者であっても果物に関する制限は必要がない」と報告されています。
この研究では、新規に2型糖尿病と診断された患者63人(平均年齢58歳、BMI値32)を被験者とし、ランダムに2群に分け、全員に標準的な糖尿病食を与えた上で、果物高摂取群31人は2切れ以上、果物低摂取群32人は2切れ以下に制限し、12週間に亘り果物摂取の影響を血液サンプルなどを採種し調査しました。
今回の実験の果物一切れは糖質10g以下を基準とし、例えば、りんごは100g、バナナは50g、オレンジは125gを一切れとした。 1日平均果物摂取量は高摂取群は319g、低摂取群グループは135gであった。
データを分析した結果、両群に差なく平均2kgの体重減、ウェストサイズ4cm減であった。また、HbA1c(正常値6.2%未満)は高摂取群で6.74%から6.26%へと減少していたが、減少率に関して両群に有意差は認められなかった。
今回の結果からChristensen博士は、「果物の持つ様々な効用を考えると、2型糖尿病患者の果物摂取を制限すべきではない」と述べています。
○長時間座る人は糖尿病リスク増大
医学誌、「Diabetologia」オンライン版に2013年2月27日に掲載された、英国レスター大学のJoseph
Henson博士の研究で、「座っている時間が長いほど2型糖尿病になる率が高い」と報告しています。
この研究は、平均年齢33歳の成人を対象にしたものと、平均年齢65歳の成人を対象にしたものの、成人153人を被験者とした2つの研究を再評価したもので、座っている時間と中程度以上の強めの運動に費やされた時間を比較した。
その結果、座っている時間の長さが、高血糖と高コレステロール値、その他の心臓および糖尿病危険因子に有意に関連することが示され、運動時間および体脂肪を考慮後もこの関係が認められた。 また、座る時間を1日に90分短くすることが健康面で大きな効果をもたらすことも判明した。
Henson博士は、「糖尿病と心血管疾患予防プログラムは運動だけに目を向けているが、心血管代謝の健康における基本かつ重要なことを見逃している可能性がある。単純に座っている時間を少なくし、もっと動くようにと言うほうが効果的であるかもしれない」と述べています。
事務系の会社員の方は、コンピューターのモニター、キーボード及びマウスを2組用意し、1つは普通に座って用い、もう1つは高い位置において立って用いるように設置して、メールの確認などは立って行うようにする。また、会議は座らず立って行うなど、座る時間を減らす工夫をしては如何でしょうか。