●知能が高い人の体は左右対称
医学誌「Intelligence」2010年7・8月号に掲載された、バージニア州大学のMichael
McDaniel教授の研究で、「知能の高い人は体がよりシンメトリー(左右対称)である」と報告しています。
この研究では、過去に発表された14の研究と、その1871人のデータを基に、知能と体の対称性を調査分析した結果、知能の高い人は統計的に僅かではあるが体がよりシンメトリーであることが判明しました。
McDaniel教授は、「進化論的な適者生存の観点と、これまでの研究から、知能は健康や死亡率を予測できる指標であり、生殖の成功と生存競争に勝ち残るための重要な要因であると考えられてきた。 今回は知能と、体のシンメトリーという信頼できる適応度を示す指標との間に、何らかの相関が存在するのではないかという予測の下で研究を実施した。 一般的知能に基づく認知能力は、個人の職務遂行能力を予測する最も優れた指標であり、今回の我々の研究が、知能の個体差の潜在的原因の一つとして体の対称性という新たな証拠を示せたのではないか」と述べています。
以前の研究でも、自由な悪い姿勢でテストを受けたグループの子供と比較して、背筋を伸ばした正しい姿勢でテストを受けた子供のグループは、IQ(知能指数)テストのスコアが平均30%優れている事が報告されていましたが、今回の研究でも体の対称性と知能の関係性が報告されています。
●健康と機能と神経
ウエブスター辞典では「健康とは全ての器官が常に100%機能している完全体の状態をさす」と記されています。 つまり健康であるためには、「全ての器官が常に100%機能している」という様に、機能が重要です。 私達の体は約60兆の細胞で構成され、それが目、鼻、歯、骨、胃、腎臓、皮膚などの組織、器官、臓器を作っています。 では、何がそれらの機能を司っているのでしょうか。
グレイの解剖学では、「脳と神経系の役割は、体の全組織、器官及び系統の機能を調整し制御することにある」と記しています。 そう、人体の全ての機能は神経系によってコントロールされているのです。 人体の神経線維の総延長は約100万Kmにもなり(地球を2周半と同じ)全身に神経が張り巡らされています。
その大切な神経系の中枢である脳は頭蓋骨に、脊髄は脊椎(背骨)によって包まれ、護られています。 しかし、脊椎と脊椎の間にある椎間孔という穴から出て、末梢神経になるところ、神経根という部分で圧迫が加わると神経機能が著しく障害されることが数々の研究で判明しています。
1.神経根の活動電位を半分にブロックするのに、10mmHgの圧で十分であった(Department
of Health, Education & Welfare Publication
(NIH), 1975)、
2.神経根は末梢神経に比べ、はるかに感受性が強く、より圧迫による障害を受けやすい(Pain,
Vol.3, Num.1, 1977)、3.神経根の静脈流をブロックするのに、5〜10mmHgで十分であった(The
Journal of Manipulative and Physiological
Therapeutics, Vol.15, Num.1, 1992)。
神経根部は椎間孔という脊柱の可動部にある隙間から出てくるため、脊椎サブラクセーション(不整列)が起こると、神経圧迫によって神経機能不全が引き起こされ、痛みや痺れといった自覚症状だけでなく、組織や器官などの機能も損ない、健康を失う原因となってしまうのです。
コロラド大学の脊椎生態力学のChung Ha Suh博士の研究では、「脊椎サブラクセーションによる脊椎神経への軽微な圧迫で神経機能の60%が障害される」と報告しています。
これらの研究によって、「カイロプラクティックで脊椎を調整し体のバランスをとる事、そして神経圧迫を取り除く事の重要性」の科学的根拠が証明されています。 健康の回復・維持・増進、また知能UPの為にも脊椎のケアは必須と言えるでしょう。