医学誌「Science Translational Medicine」オンライン版に2011年10月12日に掲載された、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のMario Fabri博士の研究で、「ビタミンDが感染症と闘う身体の能力において重要な役割を果たす」と報告しています。
この研究では、ヒト型結核菌などの病原体を人体はどのようにして死滅させ、あるいは増殖を阻止するかを調査しました。その結果、身体が感染と闘う能力(免疫力)に重要な白血球またはT細胞は、ビタミンDの濃度が十分でなければ適切に機能しないことがわかり、ビタミンDが欠乏していなければ、結核菌は85%減少しました。そして、ビタミンDは、先天性免疫系(自然免疫)と後天性免疫(獲得免疫)の両方を支持する上で重要な役割を果たすことが判明しました。インターフェロン蛋白が結核菌を死滅させる細胞を活性化させることが今回の研究に寄って初めて示されました。
Fabri博士は、「この知見は、補充によるビタミンDレベルの上昇が結核など感染症に対する免疫反応を改善することを示唆している」と述べ、また研究著書であるUCLAデビッド・ゲフィン医学部整形外科のJohn
Adams教授は、「以前の研究では、インターフェロン・ガンマの有効な免疫反応を生じさせるためには、十分なビタミンDが必要であることについては検討されていない。今回、この連鎖反応が機能する方法をより深く解明することができた」と述べています。
ビタミンDを多く含用する食材は、いわし、うなぎ、鮭、サバ、サンマ、ブリ、マグロなどの魚類、しいたけ、しめじ、マイタケなどのキノコ類、そして鶏卵などです。自然の食材からビタミンDをしっかりと摂取するとよいでしょう。