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6月はLGBTQのプライド月。アメリカだけでなく、世界各国で6色のカラフルな旗をみかけたり、大きな「ゲイ・パレード」などが開催されたりします。“はいはい、同性愛者の人たちのお祭りでしょ?”と理解されている方、大正解です。しかし、このLGBTQという頭文字になにが意味されているのか、なぜ6月がプライド・マンスなのか、、、今回のホクホクでは、そのあたりの情報を含めてご紹介していきましょう。センシティブな内容になるかもしれませんが、実際「10人に1人はLGBTQ」と言われている世の中、基本情報として読んでみてくださいね。
まず、、、「LGBTQ」というのはそれぞれの英語表記の頭文字です。
レズビアン (Lesbian)のL、ゲイ
(Gay)のG、バイセクシャル (Bisexual)のB、トランスジェンダー
(Transgender)のT、そして疑問がある、あるいはLGBT以外の性自認を表すクイアー(Queer)または(Questioning)のQ。この5つの意味があります。それでは、この5つの違いをご紹介していきます。ただし、これはあくまで“おおまかな”まとめかたであり、詳細はいろいろ違いが出てきます。つまり、性は個人的なものであり、消して一口では表せない、という事、そのあたりはご理解ください。
●レズビアン: Lesbian
体の性別 : 女性 - 心の性別 : 女性 - 恋愛対象 : 女性
*女性の機能を持って生まれ、心も女性。恋愛対象が女性。
●ゲイ:
Gay
体の性別 : 男性 - 心の性別 : 男性 - 恋愛対象 : 男性
*男性の機能を持って生まれ、心も男性。恋愛対象が男性の方。
●バイセクシャル :
Bisexual
体の性別 : 男性または女性 - 心の性別 : 男性または女性
恋愛対象 : 両性
*バイセクシャルの方は、恋愛対象が男でも女でもあります。
時々“バイ”と短く表現される事もあり、現在、有名人にもこのバイの方が多いようです。
●トランスジェンダー
: Transgender
体の性別 : 男性または女性 - 心の性別 : 男性または女性、あるいは中性、無性
-
恋愛対象 : 男性または女性、ときには両性。無し、という人も。
*クリアーに表現できない場合が多いのですが、基本的に「心と身体の性が一致してない人のことを指します。巷で話題となることが出てきた“性同一性障害”というのは、このトランスジェンダーのことを話している事が多いようです。
トランスジェンダーの中には男性や女性という分け方だけでなく、「中性」だったり「無性」という方もいる、深く広いカテゴリーです。
●クイアー:Queer
体の性別 : 男性または女性 - 心の性別 : 男性または女性、あるいは中性、無性
-
恋愛対象 : 男性または女性、ときには両性。無し、という人も。
*基本的に、上記のLGBTのどれにも入らない(Questioning :疑問を持つ、の意味もあり)人たちのカテゴリー。これから、LGBTのどれかに入るかもしれない人もいるようですし、まったくもって性的な欲求がない、同性愛者だとはわかってるけど、性的対象がない」などという人もここに入るんだそう。
彼らのプライドを意味するフラッグ、これは6色(赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫)が使われており、オリジナルのデザインは、サンフランシスコのアーティストが手がけました。同性愛者達の中で人気の高い、ジュディ・ガーランドが歌った「虹のかなたに(Over
the Rainbow)」からアイデアをとったようです。
さて、なぜ6月が「LGBTQプライド月間」なのか。これは1969年6月28日に起きた事件がきっかけです。ニューヨークにあるゲイバー、Stonewall
Innに集まっていたLGBTQの人たちが、警察による踏込み捜査に対して反乱を起こしたんですね。
当時、まだアメリカでは「ソドミー法」というのが執行されていて(イリノイ州以外)、同性愛者同士の性交渉は法律違反と理解され、また、社会的にも同性愛者達の地位はまったくといっていいほど認められていなかったのです。13名が逮捕され、警察官も含む多数の負傷者が出た反乱、この時の証言などをもとに、Stonewall
という映画も作られましたので、ご興味のある方はご覧になってみてください。
というわけで、この事件がきっかけとなり、同性愛者達の権利獲得と理解助長の動きが本格的に始まったと言われています。6月のLGBTQプライド月間、単なる“そんなの気の持ちようでしょ”とは言えない、実在する同性愛者の皆さんへの理解を深め、コミュニティとして大きな愛が存在する世界を作っていくきっかけになることを祈る、筆者でした。
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