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2016年はうるう年、というわけで「夏季オリンピック」開催の年です。4年に1度のスポーツの祭典。世界中からアスリート達が集まって腕前を競いあう、だけではなく、各国の文化が入り混じり、また開催国の色がたっぷりと反映される開会式や閉会式のエンターテイメント。今回は第31回目の夏季オリンピック、南アメリカ大陸で開催されるのははじめてのことだそうです。また、リオデジャネイロ・オリンピックから、Rugby
Sevens と呼ばれる短時間&7人制ラグビー(通常は15人制)、および112年目に復活となるゴルフ、の2つが正式種目に加えられます。その代わり、スカッシュ、ソフトボール、そしてローラースケート(これが正式種目だったことを知らなかった筆者。。。)などが落選しました。リオデジャネイロでの開催にあたり、その準備状況が「過去最低」と言い放ってしまったIOC
(国際オリンピック委員会)の副会長の言葉もありましたが、現在では開催に向けて「急ピッチで頑張っている!」とも聞いております。
というわけで、今回のホクホクでは、2016年夏季オリンピック開催国である、ブラジルおよびリリオデジャネイロ市についてまとめてみたいと思います。オリンピック中継のかいまに紹介される地元の人々の様子や風景が、より一層楽しめるかも?
● ブラジルの概要は?
まず、正式な国名は「ブラジル連邦共和国」。公用語であるポルトガル語だとRepublica
Federativa do Brasilとなり、英語ではFederative Republic
of Brazilです。首都はブラジリア市(リオデジャネイロではないのです)、人口は約9800万人。国土がとても大きく、日本の22倍以上、ヨーロッパ全土よりも広い(ロシアは除く)、よってまだ未開の土地も多々ある国です。経済的には、ラテンアメリカ最大の規模、世界レベルからみても、7番目ということで、南アメリカをリードする経済効果を生んでいるようです。スペイン語が主流の南アメリカで唯一ポルトガル語圏、領土の大きさ&人口の多さから、世界最大のポルトガル語使用人口国でもあります。ちなみに、この’ブラジル’という言葉。これはポルトガル語で”紅い木”を意味する”パウ・ブラジル”という名前の樹木から。この木は16世紀ごろ染料として重宝され、ポルトガルへの輸出が盛んだったそうです。
●人々の生活は?
ブラジルと聞いて、皆さんの頭に浮かぶのは「リオのカーニバル」でしょうか?派手な(そして、露出度の高い)コスチュームを着け、軽快なサンバのリズムに合わせて踊りまくる、アレです。が、別に、ブラジル人が毎日ああいった感じで過ごされているわけではございません(もちろんですが)。しかしながら、「お祭り好き!」な明るいラテン系の方達であることは間違いなさそう。ヨーロッパ系ブラジル人(ポルトガル人を先祖に持つ方が多い)もいれば、アジア系の移民、アフリカ系の方達、また、アマゾンに住む先住民も多きい割合を占め、なかなか「人種のるつぼ」的な人口形成。世界で最も多いカトリック信者をもつ国でもあり、そう、コルコバードにある腕を広げた大きなキリスト像が愛されている理由もわかりますね。残念ながら、治安はあまりよくないというレポートの入ってくるブラジル、しかしこれも、オリンピックという経済効果が良い意味で影響を及ぼしてくれるといいですね。
●主な都市は?
人口が集中し、また経済や商業の中心となっているのが、南東部。今回のオリンピックのメイン開催地であるリオデジャネイロ、そしてサンパウロがあるのもこの地区です。港町のサントス、こちらは100年以上の昔、日本人移民がはじめてブラジルの地を踏んだ場所として有名。ブラジル北部は熱帯雨林アマゾン地帯となり、地球上の酸素の1/3を供給しているという「地球の命」的な場所。また、アマゾン川の水量を利用した水力発電が人々の暮らしを助けています。ちなみに、流通業界で有名なAmazon.com、こちらの会社名は「アマゾン川のように、強く太く大きな流れ(流通)になりたい」という意味だったそう。中西部には首都ブラジリアがありますが、ほかは大湿地帯が広がり、野生動物の宝庫。そして南部には、ユネスコ世界遺産にも指定されている「イグナスの滝」があり、観光客のあとは立たないようです。アルゼンチン(80%)とブラジル(20%)にまたがるこの世界最大の滝、故ルーズベルト大統領夫人が「あらまぁ、ナイアガラはかわいそうね(比べたら小さいので)」とおっしゃったとか。
●特産物や輸出品は?
ブラジルが誇る特産物といえば、そう「コーヒー」です。世界第一位の生産量でその輸出量は世界のコーヒー市場において30%以上を占めているのだとか。そのほかにも、砂糖、大豆、オレンジ、そして様々な肉類。また、さとうきびやとうもろこしなどの、バイオマスを発酵&蒸留させて製造するエタノールの生産も盛んなため、ブラジルからの輸出量も高いそうです。このバイオエタノール、本国ブラジルでは、ガソリンに20%混入、あるいは100%エタノールの_自動車もあるのだそう。石油に代わるエナジーソースとして注目されていると同時に、食糧供給との関係や、製造工程でのエネルギーの問題などが課題、らしい。
●ブラジル・グルメは?
さて、腹が減っては戦はできぬ!ということですが、平和なスポーツの『戦い』でもありますし、ブラジルグルメをご紹介してみましょう。その生産量から、やはりお肉料理&豆料理が豊富。日本でもアメリカでも楽しめるようになった「シュラスコ」というお料理形式、これはお肉の各部位を刀に刺して焼き、焼きあがったもの表面を削ぎ切るようにしてサーブしてもらう(NO!と意思表示するまで、食べ放題!)という、お肉好きにはたまらないメニュー。ほかにも、黒豆とお肉をじっくり煮込んだシチュー、フェイジョアーダや、ブラジル風コロッケのコシーニャも有名。筆者のお気に入りはポンデケージョと呼ばれる、チーズ入りパン!ふわふわで、風味も濃くて何個でも食べられちゃうのが問題点。お国自慢のコーヒーはもちろん絶品、さらにデザートとして、プリンのようなフラン、キャッサバやタピオカを使ったミルクたっぷりのスイーツなど、なかなか「ダイナマイト・バディ」になっちゃいそうなグルメの数々。いいんです、しっかり食べて、しっかりサンバを踊れば!
●日本人との関係は?
最後に、ブラジルと日本の関係について。現在も約150万人からなる世界最大の日系人社会が存在するブラジル。その70%ほどの方達が住んでいると言われるサンパウロ市は、ヤクルトやトヨタ、コマツに東芝など、様々な日系企業のが進出しており、またサンパウロ日本人学校もあります。リベルダージという日本人街を歩くと、「あれ?ここはどこ?日本?」のような錯覚も。「ジャポネース・ガランチード」という表現があるそうで、これは「保証付の日本人」という訳になり、つまり「日本人や日系人なら、信頼していい。間違いはない。」というポジティブな表現。在日ブラジル人たちは、過去約100年の間に、その勤勉さと賢さで、ブラジル国内でもしっかりとしたステータスを得ていったという事でしょうね。
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