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先月号にひきつづき、『オリンピック開催の地を知ろう!イギリスおもしろ事典』と題し、イギリスやロンドンについてお話させていただきます。
●イギリスと言えば、お茶。お茶と言えばイギリス。そう「紅茶会議」なんて言葉もあるくらい、このお茶と歴史&文化はかなり強い繋がりがありそうです。そもそも、イギリスに紅茶が入って来たのは1600年ぐらい、オランダ人が欧州に持ち込んできたのがはじまりだろうですが、その頃のお茶はとにかく高級!給料の3分の1くらいのお値段が当たり前、それでも上流階級だけでなく、庶民までもこの「紅茶文化」に浸透していったそう。1700年からはイギリスの財政は紅茶の税金でまかなわれると言われたほどでその税率は120%なんてものだったらしいです。信じられませんよね。朝ご飯前のアーリーティーからはじまり、朝食時はもちろん、11時ごろの気分転換(イレブンジィスと呼ばれるらしい)、午後のおやつのアフタヌーンティーではクッキーやケーキなども一緒に豪華に、場所によってはハイティーという軽食も含めたものもあり、アフターディナーのデザートと一緒に(あるいはブランデーなどを垂らして)、そして就寝前のナイトティーもお忘れなく、と、とにかく飲め!飲め!もっと飲め!な英国紅茶文化。それでも、とってもお洒落で、ハイソで、素敵なイメージがあるのは私だけ?
●イギリスの食事はまずい?
なんて耳にした事がありますが、いえいえ、これが以外と美味しいんですよ。実際に足を運んでみた私が言うのですから本当、フィッシュ&チップというお魚のフライとパブ(ようは飲み屋さん)でのビールも最高だったし、ローストビーフに付け合わせとして来る事の多いヨークシャープディングも美味しかったなぁ。プディング、といっても日本のおやつプリンではなく、油をふんだんに使って焼き上げた柔かいパンのようなもので、これがローストビーフの汁を吸い取ってとろけるような味わいになるんです。そうそう、誰もが食べる「サンドイッチ」ですが、この由来はイギリス人のサンドイッチ伯爵が、”トランプをしてる時に簡単に食べられるものはないかね?”と考えだした食べ方だったそうです。
●国民的スポーツはいくつかあるようで、クリケット、テニス、ラグビー、競馬、そしてフットボール。最後のフットボールですが、肩パットいっぱいのアメリカン・フットボールとは違いまして、ようは”サッカー”ですね。そういえばベッカムさんとか国民的アイドルだし(余談:奥様は元アイドルのスパイスガールズの方)。テニスに関しては、そう、王道のウィンブルドンの地は英国の誇り。貴族達がここぞってダブルスとか組みながら「おほほほほっ」ってミニスカートで打っている姿が想像できます。もちろん、汗をかいた後のお三時はおいしい紅茶(召使いさんが持って来てくれる)とビスケット。まるでお蝶婦人な世界だわ(また歳がばれるって)。クリケットはあまり日本人にはまだ慣れがないかもしれませんが、イギリス連邦王国、および昔イギリスの植民地だった国では非常に根強い人気のあるスポーツです。野球に似たルールなんですが、なんだか長ーい、そしてちょっと複雑な構成。みてて気持良くなるのは、ユニフォームが白いんです、それだけでなんだかとても紳士的なスポーツに見えてきてしまう、単純な筆者です。
● イギリス風のファッションを語る際になくてはならないのが「チェック柄」。実はこのチェック”きれい”だけでなく、それぞれの柄に深い意味と歴史の背景が入っているらしいんです。例えば、マドラス・チェックという柄、これは17世紀頃にイギリス東インド会社が設立された時インドのマドラス発信で流行りだしたもの。そしてギンガム・チェックは、インドネシアから渡って来たらしい。そしてよく耳にするタータン・チェック。イギリスの伝統、特にスコットランド地区が発祥らしいのですが、昔からそれぞれ一族の出身地によってこのチェックのデザインが違うらしいのです。つまりどの柄のチェックを身につけるかによって、どのクランに属しているかが一目でわかる、という訳。ようは日本の家紋のようなもの、なのでしょうか。独特な音を醸し出すバグパイプ、これを演奏している人が身につけているキルトスカート、これはスコットランドの民族衣装となりますが、そのスカート部分もチェック柄ですよね。そういえば日本の制服でもよくみかけるチェック柄、あのAKB48のスカートもチェックだったような・・・。
●お堅い伝統を守る保守的なイメージとはうらはらに、以外とミーハーな面もある事で知られるイギリス人達。娯楽やゴシップ、スポーツそして芸能の内容を主に提供する大衆紙、”タブロイド”とも呼ばれる類いなんですが、英国の中流階級系の方たちはけっこうこれらの類いをお読みになる。ちなみに、タブロイドの語源は、お薬の錠剤のタブレットを元に「凝縮された」といった意味があるんだそうで、ようはいろいろな情報やゴシップを凝縮してまとめてご提供!という事です。上流社会の方々が読む真面目でお堅い”クオリティ・ペーパー”とは違い、『ザ・サン』や『デイリー・ミラー』などの大衆紙にはおもしろい、あるいは「え?うそでしょ?」みたいな情報がたくさん。宇宙人系や芸能人のすったもんだ系はもちろん、とにかく一般ピーポーが気になる「王室ゴシップ系(最近ではもっぱらウィリアム王子とキャサリン姫みたいですね)」が盛りだくさんでして。ウェブサイトもありますので、一応ご紹介。
http://www.thesun.co.uk/sol/homepage/
暇な時に読む、あるいは英語の勉強にいい、かも・・・?
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