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みなさんは、アメリカでライブコンサートなどに足を運びますか?筆者はオペラやミュージカルには良く観劇に行きますが、いわゆるみんなで拳を上げて首を前後にフリフリして、シャウトするようなコンサートにはあまり、、、なのです。しかし、この1週間の間に、なぜか連続して2つのライブコンサートに参加、という異例な事態となりました。その2つのバンドは、はっきり言って全てが違う!まったく違う!サウンドも、ノリも、オーディエンスも、会場の匂いも、、、同じなのは、両方カリフォルニア出身、という事だけです。それはそれは興味ある体験となりました。
こちらアメリカでは小さいライブ会場から大きなホールまで、とても便利に取り揃っていますが、それだけに誰でもお金さえ出せばコンサートを行えちゃうわけですよ、はい。観客数がどれだけ入るかは天と地の差があるようですが、自由な国アメリカ、パイオニア精神溢れる国アメリカ、誰でも’ライブコンサートをするチャンス’をゲットする事はできるようです。私たち聞く側にしてみれば、いろいろな音が安いお値段で楽しめるわけです。
まずは最初のコンサートレポート、こちらは『強い、激しい、痛い』という文字がちらちらと筆者の頭の中にあがってきたバンドのライブ。友達からの「一緒に行ける人がダメになってしまったの。どう?」というお誘い、実はそのバンド名さえも、彼らのサウンドも知りませんでした、、、。という訳で『行きましょう、参りましょう』と言った手前、”予習課題”をいただき、My
Spaceなどでお勉強をしたわけなんですが、これがすごかった!筆者今まで38年生きてきた中でも、一番の強く激しい音。一応、その昔は「ホワイトスネイク」やら「デフレパード」なども聞いていたんですよ。しかし、このバンドの音はそれ以上にすごい、何を言っているかわからない。でも、なぜかそそられるYoutubeビデオでのバンドメンバー達。ボーカルの名前がチノだから(昔、チノという名のキュートなラティーノ・ボーイを存じ上げておりました)?それとも、Wikipediaによって分かった”ベーシストは交通事故に会い、今は植物人間状態、、、”という悲しい事実を知ったから?どちらにしても、ホクはこのコンサートをフルで、VIPパスまで含め、参加する事を誓ったのでした。
バンドの名前はDeftones−Def
という文字をつけると”かっこういい、クールな”という意味になるのですが、それにTones(いろんな音)がついてクールなサウンド、という意味。彼らはぞくに言う『激ロック』という分野に入るのでしょうか?とにかく音は激しくて耳ががんがんしてくるのですが、でもメロディラインは奇麗なものが多く、またヘビィメタル、と一概には言えないなにか奥深いサウンドが宿っている「近年で最もユニークなロック・バンドの1つ」「革新的で空間的な音楽」なのだそう。フーン、なるほど。。。確かに1つのコンセプトや単独の理解では入りきれない「何か」を持った音でした。が!耳が痛ーい!んです、ロビーでも、更には、ロビー奥のトイレでも、、、ライブの音の強さはもう、38歳の私の耳にはまったくもって受領できな範囲でした、、、ので『耳栓』ゲット。会場で1ドルにて売っていました、はい。コンサート中は熱狂的なファン達が、ここぞとばかりにジャンプし、人の上に乗り、さらにその上に乗り、、、痛そうで、お母さんはとても心配しましたね。そして人の波にもまれて登って行った先は、ステージ近く。そこでセキュリティにつかまる、あるいは、他のオーディエンスにぼこぼこにやられる。。。何かに似てるなぁ、と思いました。そう、北海道などで見る「鮭の川登り」ですよ。あの辛そうな姿、しかし、最後の最後に子孫繁栄の卵を産むために向かう逆流の世界。。。うーん、ロマンです。熊に食べられないようにしなくちゃね。
さて、お次のバンドのライブはDengue Fever−その名も”デング熱”です。Deftonesと比べますと、まったくもってワールドワイドには知られていないマイナーバンド、なんですが、NPR(アメリカ公共放送ラジオ)などの宣伝のおかげでかなり根強い人気が西海岸の方であるようです。こちらのバンドのコンサートは、IT関係の友達からのお誘い。ホク的キャッチフレーズは『熱く、異文化で、レトロな』といった所でしょうか、彼らのコンセプトは「古き良きカンボジア歌謡曲に、サイケデリックロックを足して、アメリカのサーフ音楽要素も含めている」という事らしく、もうこれだけで”え?何ですか?”という感じなんですが、それが微妙に面白く良い後味が残るサウンドになっているのです。紅一点のカンボジア人の女性(もともと本国でカラオケシンガーとして活躍していたそうですが、今はアメリカに移住)がリードボーカル、そして後の5人は、お世辞にも奇麗&清潔な、とはいえない男性方。いいんです、別に洗濯石けんのコマーシャルではないので。サウンドはユニークそのもの、オルガンの音とサイケなホーンの音、加えてボーカルちゃんの甲高い声、ちょっと間違えれば非常に安っぽく聞こえてきてしまうものなんです。そのような音をあえて巧みに入れ込んだカリフォルニアン・ロック、これが上手に調理&配合されていて「お洒落で洗練された歌謡曲」という雰囲気になっていました。ポルポト政権によって抑圧された人々の熱い気持ち、カンボジアという遠い異国への情緒たっぷりに、なんとも言えない浪漫たっぷりのレトロな音を楽しむ夜となりました。こちらには耳栓は必要なかったんですが、微妙にノスタルジアな雰囲気の中で、なんだかちょっと寂しい気持ちにもなってしまったのが正直な所ですね。
という訳で、まったく違った2つの音楽バンドを楽しんだこの1週間。この記事を書いている時には、やはり自分のコンフォートゾーンである「ハワイアン」を耳にして気持ちよくなっております。でも、時にはそのゾーンを超えて、新しい音に遭遇するのも大切な事なのです!いろいろなサウンドを教えてくれる友達に感謝、感謝。
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