日本料理といえばお寿司や天ぷら、インド料理ならカレーにサモサ、中華料理だってタイ料理だってそれぞれの「アイコン的」味がありますよね。そこで「アメリカ料理」と言うと何になるのかしら？という事で思いついたのが、ハンバーガーなどの、つまり「何かをパンで挟んで食べる」という形式の”サンドイッチ”ではないか、、、と。ひょっとするとランチメニューとしてはこの国で一番良く食べられている食事スタイルかもしれません。今の時期、スポーツの試合をみながらテレビの前でサンドイッチをパクっと食べ、ポテトチップスをつまみ、冷えたビールをゴクン、と週末を楽しんでいるお父様方も多いのでは？そんなわけで、今月と来月のホクホクでは、アメリカの「おふくろの味」とも言える”サンドイッチ”を特集してみましょう。

マクドナルドやウェンディーズのハンバーガー、こちらではポテトやジュースと一緒のセットとして頼まない場合（その方が珍しいみたいですけどね）は「just sandwich, please」なんてオーダーします。つまり、ハンバーガーもお肉を挟んだサンドイッチなわけです。日本にもあるサブウェイや、こちらでは人気の高いQuiznosなど、街にはたっくさんのサンドイッチショップが並んでいますが、オーダーの仕方が以外と難しくて怖じ気づいたりする事はないですか？チョイスが多いのはいいんですが、「パンの種類は（ホワイト？ウィート？ホーギー？）どれにする？」「チーズはアメリカン？スイス？チェダー？」マヨネーズは多めがいいな、でもオニオンスライスはいれないでね、などなど、とにかく完璧な”My Sandwich" を作り上げる事に対するアメリカ人の情熱はなかなかあなどれません。

サンドイッチという食べ方の由来は、イギリスのサンドウィッチ伯爵のカード遊びのおともに、という説が強いようです。ゲーム中にちょっと小腹がすいた時、簡単に手づかみで食べられてお腹も満足するこのサンドイッチが良く振る舞われたとか。サンドイッチと一言でまとめても、人種のるつぼ、世界中から人々が集まっているここアメリカにはサンドイッチの種類もたっくさんありすぎるくらいです。お国自慢や故郷由来のサンドイッチの数々に、アメリカの子供達がかならず一度は食べた事のあるような懐かしい味のものなど、今回のホクホクではサンドイッチ通になりきり、どんどんリストアップしてみたいと思います。

＜ピーナッツバター＆ジェリー＞

学校のランチ定番サンド。スライスパン（ホワイトだったり、ブラウンだったり、、、各家庭で好まれているパンのチョイスがわかります）にピーナッツバター、そしてジャム（こちらもイチゴジャムだったり、グレープだったり、、、）を一緒にサンドします。ご想像の通りかなり甘いので、お子様達の大好物。ちなみに、かのエルビス・プレスリーは、このピーナッツバターサンドにメープルシロップ、バナナ、そして時にはさらに’ベーコン’をはさみ、それをバターを溶かしたフライパンで軽く焼いて食べていたとか。これが The Elvisと呼ばれるサンドウィッチでございます。カロリーや脂肪分を気にされない方、どうぞお試しください。

＜クラブサンド＞

サンドイッチ伯爵の話と同様、こちらもギャンブルとの関わりのあるサンドイッチ。ニューヨークのカジノ”サラトーガ・クラブ”で賭け事を楽しんでいた人達に「食べやすくっておいしいサンドイッチを」という事でつくりあげられた物。薄めのトースト三枚の中に、お肉（ターキーやチキン）、ベーコン、レタス、トマトをはさみ（これでBLTと呼ぶ人も多し）マヨネーズで味付け。かわいい爪楊枝がついていて三角形に切ってあるパターンが主流。フライドポテトやポテトチップス、ピクルスなどが添えられている事が多いかな。確かに食べやすいし、お腹もいっぱいになるサンドですね。

＜ポボーイ＞

アメリカ南部でこう呼ばれているサンドイッチ、Poor BoyがなまってPo'Boyになったそうです。貧しい労働階級の人達が食べていたサンドイッチ、なのでしょうかね。お味は貧しいどころか、とーってもリッチ！さすがルイジアナ、フレンチ系の人が多い地区だけあって、ポボーイに使われるパンはフランスパンが主流。そしてフィリングはローストビーフだったりその他コールドカットだったりしますすが、一番有名なのは牡蠣フライや海老フライなどのシーフード。あげたてホヤホヤの牡蠣フライをたっぷりとはさみ、タルタルソースやレタスの千切りなどと一緒に挟む、と。ね、おいしそうでしょ？このタイプのサは他にもその地区によって名前がかわり、Hoagie、Submarine、Grinderなどと呼ばれます。

＜スラッピージョー＞

"Sloppy" 「ぐちゃぐちゃした」という意味のサンドイッチ。なぜそんな名前がついているかと言うと、スパゲティにかけるミートソースを挟んだパンの状態を想像していただければよく分かると思います。挽肉をトマト味で煮付け、タマネギのみじん切りや豆類をいれる人もいるようですが、味的にはまさにミートソース、あるいはチリ、、、かな。食べる時に手や口元がかなり汚れますので、ロマンチックな初デートの時には避けたいディッシュ。ちなみに、学校のカフェテリアではかなりの頻度でメニューにのっております。