みなさんはパイがお好きでしょうか？As American as Apple Pieなんて表現があるくらい、アメリカ人にとってパイはおふくろの味、コンフォート・フードのひとつのようです。アップルパイやブルーベリーパイ、ココナッツパイにストロベリーパイ、バナナクリームパイもおいしいしナッツたっぷりのピカンパイもなかなかよろしい、、、と、とにかくありとあらえる種類のパイを味わう事ができますが、同じ具で作ったパイでもちょっとした秘訣や家族代々に伝わるレシピによって、味も香りも形もまったく違うものになっちゃうのがおもしろいですね。甘いデザート系パイだけでなく、ほうれん草や卵、チーズを入れたキーシュのようなパイや、そうそう、イギリスから伝わってきた「腎臓パイ」なんて、黒ビールと一緒に食べると最高ですよ。

パイを作る時のイメージで思い浮かべられるのが「白雪姫」のワンシーン。小鳥やリス達に囲まれながら、口笛ふきつつパイ生地をこねる、、、と。実際のホクのパイ作りはこーんなに美しいものではございませんが、まぁ口笛の一つもふきたくなるような楽しい気分にはなります。ホクがパイを作る時、ちょっとだけこだわるのはエッジ部分のデザイン。フォークを使ったり、指を使って波状にしたり、時には余った生地で小さな葉っぱの形をつけてみたり。焼くときに空気穴を忘れずに入れるのは大切なお約束。さすがパイ王国アメリカ、Pie Bird、Pie Ventなんてものもあるのをご存知ですか？パイの真ん中に置いて焼くと、この鳥のくちばしから空気が出てパイが破裂するのを防ぐ、という優れもの。写真の通り見た目もかわいく、そんなに出番がないけれど話しの種になるであろう、おもしろキッチン用品です。

そういえばAmerican Pieという映画もヒットしましたね。高校生の男子が童貞を失う事を目標にひっちゃかめっちゃかするコメディ映画。こういった「思春期特有のストーリー」が国や言葉に関係なく人気があるのは、ノスタルジアな気分になるからでしょうか。ちょっとハレンチ（！）だけど、誰もが通った青春の一幕のせつなさとか元気さがひしひしと伝わってきます。しかーし「良い子のみなさんは真似しないでね」的行動も多々あり（まだ映画をご覧になってない方は、『なぜ題名がアメリカン・パイ？』と気になる所でしょう）やはりR指定はしょうがないです、はい。ちなみに１９７０年代に流行ったドン・マクリーンのMiss American Pieという曲。マドンナもカバーしていましたが，他にももう一人カバーした人がいるんです。それはホクの旦那ーーなぜだかホクにプロポーズする直前にこの歌（８分くらいあります）を熱唱しておりました。今でもその理由は不明。でも結婚今年１２年目でも熱々の二人ですから、まぁ良かったとしましょう。

生地はパイの命！何度もチャレンジしていますが、どうも寝かす時間が足りないのか長過ぎるのか、ぱさぱさになってしまう時が多く凹みます。しかしそんな私にも強ーい味方がいたのです！その名もMarie Callendar様。彼女のパイはボリューム満タン、フルーツたっぷり、具の甘さとちょっと香ばしい生地のぱりぱり感のマッチがたまりません。今までマリー・カレンダーパイをいくつも試しましたが、どれもほんとに良く出来ていて冷凍ものとは思えないくらい美味。マリーおばさんはカリフォルニアに実在した女性でして、５０年ほど前にレストランをオープン、今現在も大反響のレストランは、パイだけでなくサンドウィッチ、サラダ、ローストターキーなど、いかにも家庭の味がそろった「アメリカだなぁ」と思わせるメニューで有名。そんな彼女を一躍有名にしたパイの数々、フリーザーセクションからお試しください。

感謝祭のテーブルに並ぶであろうパンプキンパイ。秋を感じさせるカボチャの色と、ナツメグやシナモンなどのスパイスの香りがマッチしますよね。もちろん生のカボチャから作るグルメな方もいらっしゃるでしょうが、他にもいろいろ作らなければいけない感謝祭の日は大忙し！てなわけで、缶詰のパンプキンパイ・ミックスを使ってしまう我が家です。ピューレ状のパンプキンに更にスパイスを足し、パイ生地（これも既にくるくるっと巻いてある物を使います）に入れてオーブンで焼く、というセマイホームメードで乗り切るわけです。それでも十分おいしいし、ターキーやマッシュドポテトでお腹がいっぱいになった後のデザートですから、Made from Scratchかどうかは気にしませーン。

サンクス・ギビングデー夜の楽しみと言えばTonight Show with David Lettermanを観る事！デイビッドのママが毎年ホームメードパイを作っており、その中身を当てるゲームがあるのです。別にエキサイティングでもないし、答えも「んー、ピーチかなぁ、パンプキンかなぁ、」と、ただそれだけなんですが、、、。デイブのお母さんはインディアナ在住、中継を使ってデイブが「hi Mom!」などと声かけている様子がかわいくって、おもしろくって、微笑ましいゲームです。