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新年です!心も体もリフレッシュ、2007年も明るく楽しく過ごしたい「笑う門には福来る」の精神です。日本のお正月といえば、こたつに入ってみかんを食べながら"芸能人新春隠し芸大会"や"爆笑お笑いバトル"などのバラエティーショーざんまい。そういえばアメリカのお正月テレビ番組っていつもと同じラインアップ、あるいはフットボールの試合を延々と中継。んー、こちらにも「隠し芸大会」があったらどんなに視聴率があがることかーブリットニー・スピアーズとクリスティーナ・アギュレラが二人羽織してお雑煮食べたり、トム・クルーズが物まねしたり、ミック・ジャガーあたりがレオタード着て空中ブランコ、なんてのも想像しただけでおもしろそうだなぁ。。。
ところで、ユーモアのセンスというのは土地や人柄によって大きく異なるわけで、言語の違いだけではない『文化の違い』が大きく影響しますよね。日本でウケてるものがアメリカでウケるとは限らないし、もちろんその逆もあります。かと思えば、こちらのテレビで「風雲たけし城」を夜な夜な放映してるのをみて「体を張ったギャグは万国共通なんだなぁ」と感じたり。USAならではのユーモアってあるのでしょうか?そういえば、こちらの人はどんな時でも(お葬式の時だって)ちょっとしたジョークを含んだスピーチをしたり、そんなにおもしろくもない”ノックノック・ジョーク”を飛ばしたりしてますね。人種のるつぼ、と呼ばれるアメリカで良くネタになるのが”エスニック・ジョーク”。お国柄の面白さをシニカルに&ブラックジョーク的に含んだもの。例えばホクの旦那直伝のこんな話はいかが?
<こんな天国だった行ってみたい>:
フランス人が料理を作り、
ドイツ製の車を乗り回し、
イタリア人と愛を語り、
イギリス人が治安を守り、
スイス人が政権を握り、
アメリカ人がエンターテイメントを担当する。
<こんな天国だったらごめんです>:
イギリス人が料理を作り、
フランス製の車を乗り回し、
スイス人と愛を語り、
ドイツ人が治安を守り、
イタリア人が政権を握り、
アメリカ人がエンターテイメントを担当する。
アメリカ人のエンターテイメント性は良くも悪くも有名、ってことですな。あはは。
テレビのコメディ・セントラル・チャンネルをのぞくと”アメリカ人ってこういう部分でユーモアを感じてるんだなぁ”と勉強になります。例えば”デイリー・ショー。”ジョン・スチュワート氏がニュース形式で送るこの番組は、いわゆる「ポリティック」がテーマ。政治家たちの行動&言動にあげあしをとり、それをみんなで笑っちゃおう、という内容。最近のアメリカ国内外時事問題を理解していないと面白さが伝わらない、ちょっとハイセンスな笑い。けして”ハイセンス”とは言えない番組なのが”South
Park。”折り紙で作った人形のようなキャラクター、その過激な内容でかなり話題になっているアニメ番組。宗教、ゲイ、政治、セックス、幼児虐待「えー、そこまで言っちゃっていいのぉ」と見ている側がびっくりしちゃうくらい、反社会的なメッセージがたっぷり含まれております。そこが面白いのか、、、?大人のユーモアですな。
NBCが誇る老舗番組(30年以上!)”Saturday Night Live。”タイムリーな話題をふんだんに盛り込み、旬のタレントをホストとして参加させる事によって、毎週かなりの視聴率を得ています。こちらのお笑い芸人にとってはこのSNLシーズンキャストに選ばれる事は最高の勲章!番組内のスキットから映画化される事も多く、芸人にとっては将来を約束されたようなものです。”オースティン・パワーズ・シリーズ”で有名なマイク・マイヤーズ、数々の最新コメディ映画に出演するアダム・サンドラー、泣く子もだまるエディ・マーフィーやスティーブ・マーティンなどなど、SNL卒業生の活躍ぶりは目を見張るものがありますね。そうそう、ティナ・フェイが制作&出演するSit
Com (Situation Comedy) ”30Rock"なかなかおもしろいですよ。こういったシチュエーション・コメディは、アメリカでは最も楽しまれているテレビ番組かもしれません。「フレンズ」や「サインフェルド」「フルハウス」などなど、とにかくた〜くさんありますね。最近ではかなりの数のアメリカン・シッコムが日本のお茶の間にも紹介されてきているようで、生きた英語の勉強には抜群です。
ラジオの世界にも全米で根強い人気を持つショーがあります。その名も”A Prairie
Home Companion。”プレイリー、そうです、この雑誌と同じ、アメリカの大草原を想像させるような題名。内容はライブ音楽と有名ホスト、ガリソン・ケイラー氏の非常にのんびりしたトーク。公共放送なもんで、宣伝だってガリソンおじさんの声によって行われます。その昔NHKの放送博物館で見た『これは馬の走る音』『波の音』などを作る特殊音響設備を思い出してしまうような、まるで一昔前の古き良きラヂオ局、聞いていると微笑ましくなる、そして懐かしい気持ちになる番組。中西部エリアを題材にしたジョークが多く、またスカンジナビア系アメリカ人の生活や風習をおもしろおかしく語ったり。この番組の笑いは”Feel
Good Jokes”と言いましょうか、誰かを攻撃したり中傷する事なく、あまりPolitically
Incorrectな内容ではない所がうけているのかもしれません。家族みんなでリラックスして笑える、’気分の良い」ユーモアです。
アメリカの本屋さんって必ず「Humor」のセクションがあり、例えばおもしろいコラムを書く事で有名なDave
Barry氏の本などは売れ行きがとても高いらしいです。新聞を開けば必ず4コマ漫画が登場するし、そういえば知り合いの牧師どのはどんなお説教の時も必ず1つ2つは笑いを取ろうとしてジョークを入れてみたり。アメリカ人の多くは根っからの「ユーモア好き」なのかもしれませんね。良いセンスのユーモアは、その人の人柄に大きなプラスになるのではないでしょうか。楽しい会話のできる人=気持ちに余裕のある人、やはり「笑う門には福来る」なのかもしれません。
最後にちょっとパーソナルな内容。一昨年に他界した義理の父は、スウィーディッシュ・アメリカンのユーモアたっぷりの人でした。サマーバケーションから戻ってくるお隣さんの家庭菜園に大きなすいかを置いておいたり、従兄弟が新車を買ったと聞けば、駐車してある所からポタポタとオイルをたらして「あれ?新車なのにオイルが漏れてるみたいだなぁ」と言ってみたり。そうそう、息子が生まれた時に始めて抱っこしながら「He
looks just like UPS man」なんて。1月はそんなグランパの誕生月。いつもジョークを言う前にニタニタァと笑いながら、スウィーディッシュ・ポルカをバックに踊っていました。グランパが残してくれた「Sense
of Humor」の贈り物、これからも大切に守っていかなくては!
今年もホクホクをよろしく。
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