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今回のホクホクは「りんご」にせまります。え?りんごって、果物の「アップル」?そうです、情熱の赤、シャイな黄色、クールな緑、りんごの色って見てるだけでも楽しくなりませんか?光沢のあるりんごをひとつ手に取り、顔を近づけてみると、かすかな甘?い香りに包まれ、、、つい唇をよせて「かわいやりんご〜」と歌いたくなりませんか?(『りんごの唄』日本の戦後を象徴したメロディーですねぇ。ホクの母はよくこれを口ずさみながら家事をしていたものです。ノスタルジックな気分)
ところであなたは何種類のリンゴの名前を知ってますか?ゴールデンデリシャス、フジ、ジョナ・ゴールド、ガーラ、マッキントッシュ、ローマ、グラニー・スミスなんてのもあったかな。なんとアメリカ国内で出回っているリンゴの種類は2500以上あるらしく「この種類はアップルパイにむいてる」けれど「生で食べるならこっちの種類」でして、「見た目はきれいだけど甘くない」のもあれば「小さめで酸っぱくないから、子どものお弁当にピッタリ」と多種多様。どのリンゴがどの調理方法にむいているかを知っていれば、あなたのおいしい手料理もさらにデリシャースになること請け合いです。
今年のハロウィーンパーティーではリンゴを使って楽しいゲーム、なんてどうでしょう。まずお店に行って10種類くらいのリンゴを購入。各袋にちゃんと「ブランド名」を書いておきましょう。パーティー会場では、このリンゴちゃん達をスライスし種類ごとにお皿にもっておく(お皿に番号を置くのをお忘れなく)。参加者はリンゴをひとスライスずつ味見し、各番号のブランド名を当てる、というわけ。大人も子どもも参加できるし、お砂糖いっぱいのハロウィーンキャンディと比べたらと〜ってもヘルシーだし、リンゴの知識が増えるし、ホクのおすすめエンターテイメントです。
さてさてこの「りんご」、アメリカでの生活では単なる果物のひとつ、だけではないようです。逸話に出て来たり熟語に使われたり、ちょっとその辺りをチェックしてみましょう。
毎年、地元のすばらしい先生達を讃える「Golden Apple Award」。俳優にとってのアカデミー賞、歌手にとってのレコード大賞、そして教師にとってはこのゴールデン・アップル賞なんです。このセレモニーの時に受賞者に贈呈されるのはもちろんリンゴ形のトロフィー。その昔アメリカの子ども達は、ピカピカに磨いたリンゴを先生に渡して「一生懸命教えてくれてありがとう!」と伝えたらしく、その伝統がこの賞の意味に根付いているという、なんとも微笑ましい話。そういえば熟語にApple
Polisher というのがあるけれど、これは「りんごを磨く」→「先生に気に入ってもらいたい」→「ごまをする」という意味。あんまり微笑ましくない表現になっちゃいましたね。
他にも大活躍のりんごちゃん。中学校の英語教科書で目にしたでしょう「An
Apple a Day Keeps Doctors Away」。1日1個のりんごは医者を遠ざける、それもそのはず、りんごにはセルロースやペクチンなどの食物繊維が豊富なので、血行や消化を良くしてくれるのです。そうそう、便秘や高血圧の予防にもなるそうですので、りんごを上手に摂取してお医者さんいらずになりたいもの。ちなみにこれが
An Watermelon a Dayだと大変ですね。大きいですから、食べるだけで疲れちゃってもっと病気になるかな。
こんなのはどうでしょう、「the apple of one’s eye」「目に入れても痛くない」→「愛しいもの」、というシェイクスピアの「夏の夜の夢」にも登場するちょっと素敵な言い方。ホクの旦那は、最近1歳半になる娘にべた惚れなんですが、まさにthe
apple of daddy's eye状態。でも小さな指を自分の目に入れられた時は「痛い!痛い!なんて事するんだ!」とマジで怒ってました。あくまで表現、表現。これがオレンジでないのは、汁が目にしみちゃって、愛おしいどころか涙ぽろぽろ悲しい状態になっちゃうからかしら。
その他、イギリスの数学者ニュートンが万有引力の法則を発見できたのはりんごのおかげ、「いかにもアメリカン」を象徴するのは”An
American As Apple Pie”という表現だし、「のどぼとけ」はAdam’s
Apple だし、学校の教科書には”Story of Johnny Appleseed”が載ってるし、ニューヨークのあだ名はビッグ・アップルだし。あ、今これを書いているラップトップにもちょっとかじられたアップルがあるし、、、
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