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「アメリカの宗教事情」第2編、まずはユダヤ教から触れてみましょう。キリスト教よりも古くから存在し「我々は神様に選ばれた者、だから神との契約を守る」と、このような思想に基づいています。シナゴーグと呼ばれる建物ではラバイ(聖職者)とカンター(朗読者)によって礼拝が進められます。ニューヨークなどで黒いスーツ&黒い帽子、そして仙人のようなボーボーなひげをはやしてるのにもみあげだけはクルンと豚のしっぽのようにかわいい彼らは「超正統派」と呼ばれるジューイッシュの方々。超がついちゃうくらいですから、それはそれは戒律にきびしく、コーシャーと呼ばれる食べ物ルールもしっかりきっちり守るなど、トーラ(ユダヤ教徒としての掟が書いてある:旧約聖書内最初の5書)を忠実に従っている人たち。
同じユダヤ教徒でも、改革派と呼ばれる人たちはもうちょっとリベラル、「ん?、僕ジューイッシュなんだけどね、生ガキも好きだし、キッパ(頭につける小さな帽子)も似合わないから持ってないんだよねぇ」なんて人はこの派ですな。ユダヤ教と聞くと、『アンネの日記』を思い出すホク。そうなんです、ジューイッシュの人々は、昔から土地をとられたり強制収容所へ送られたり、、、と悲しい歴史上の出来事も多々。しかしながら、家族やコミュニティとの繋がりを大切にし、勤勉で学業を優先するなど、社会で成功する知恵がある事でも有名。
ハリウッドではジューイッシュの方々が大活躍中。ウッディ・アレン、ベッド・ミドアー、ダスティン・ホフマン、バーバラ・ストライザンド、アダム・サンドラー、、、あれ?バーバラは“クリスマス曲集”CDを出してるような。。。ま、いいか。
さて、芸能界で今話題の宗教というと「サイエントロジー」。そうそう、あなたの好きなトム・クルーズ様も会員です。奥様のケイティ・ホルムズももちろん会員、という事は2人の赤ちゃん“スリちゃん(え?お金とらないでね)”も会員になるのかしらん?L.ロン・ハバード氏が創立、ダイアネティックスと呼ばれる「精神療法」からはじまり、さまざまなカウンセリングや講義に参加したりして「心を自由にする」ことに重点、、、とまぁ「哲学」ですなぁ。ちなみに「サタデーナイトフィーバー」でパンタロンはいてたジョン・トラボルタも会員さん。哲学っぽくないですけどね。
トムとニコール・キッドマンの離婚騒動中は、このサイエントロジーが理由ではないかという話もあったり、はたまたケイティの出産では「宗教上、出産の時に“プッシュ!プッシュ!”と声をかける事はさけたい」などという「???」的な話も多々ありますが、まぁあのハンサムな笑顔を見る限り、この宗教哲学はトムにとって良いものなのでしょうね。彼の心は自由になっているに違いない。
日本人になじみが深い仏教など、東洋からの宗教も「移民のるつぼ」アメリカではきちんと根付いております。ウッドストックなどで知られるヒッピーの時代、西洋のコンセプトに反抗した若者達が目指した先は“イースタン宗教”。ヨガに参加したり、菜食主義を実行したり、「スピリチュアル」な姿勢と「平和主義」がおおいに受けたらしいです。ビートルズの面々も解散前にはかなりサイケデリックになってましたが、彼らはハーレ・クリシュナというヒンドゥー系宗教にのめり込んでいたんですね。そういえば、麻薬にものめり込んでいたという噂ですがね。ん?、いかにも60年代だぁ。
その他有名人の名前をあげると、リチャード・ギアはダライ・ラマを支持するチベット仏教徒、スティングやキアヌリーブスも仏教徒、そうそう、ティナ・ターナーは創価学会会員だそうです。
イスラム教はどうでしょう。キリスト教、ヒンドゥー教とならび世界三大宗教のひとつ、イスラム教徒達は「ムスリム」と呼ばれ、コーラン(教典)を読みモスクで礼拝、1日に5回聖地メッカ方向への祈りはかかさない、、、ですね。黒人解放運動で知られたマルコムX氏は熱心なムスリム教徒だったけど、アフリカンアメリカンで組織された“ネイション・オブ・イスラム”という宗派に暗殺された話はあまりにも有名。またオリンピックで金メダルをとったボクシングのモハメド・アリもムスリム信者。現在アメリカでのイスラム教徒は600万人以上とも言われているらしい。
残念ながら、ビン・ラディンやサダム・フセインなどの名前もあがってしまうムスリムですが、もちろんこの人たちは異例であって、ホクの友達のムスリムさん達はみな明るくてユーモアのセンスがあって、優しい人ばかり。断食月のラマダン中はなるべく日中エナジーを使わない行動をし、日の入り後に食べ物を口にできる時には「食事ってありがたい、神様の恵みはありがたい」という気持ちになれるのだそうです。感謝する気持ちっていいですよねぇ。
というわけで、実はまだまだたーくさんの種類の宗教が存在するアメリカ。大きなものからカルト的な小さな宗派まで、「宗教の自由」をもとに個人個人のニーズにそって行われるスピリチュアルな世界。お互いの信仰を尊重&理解できれば、世の中もっともっと平和になれそうですね。
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