7月のアメリカ国内最大イベントいえばやはり独立記念日。この時期は愛国心たっぷりにアメリカ国旗を飾ったり、パレードに参加したり、とにかくお祝い事の好きなアメリカ人にとっては「ここぞ!」とばかりにパトリオティックに盛り上がります。先祖がはるばるやって来た新大陸、ここで辛い境遇を体験しながら築いた富と成功を感謝しているのでしょうね。筆者も日系アメリカ人として、やはり感慨深い気持ちになるのは事実、そんな時に一緒に耳にしたいこの名曲の歌詞をご紹介したいと思います。アメリカのオフィシャルな国歌(Star-Spangled
Banner)も良いけれど、今回のヨンダでは、あえてこの"My Country,
'Tis of thee”のシンプルな言葉を読んでみましょう。
My
Country, 'Tis Of Thee
Sweet Land of Liberty
Of Thee I Sing
Land Where My Fathers Die
Land of The Pilgrims' Pride
From Every Mountainside
Let Freedom Ring! |
我が祖国
美しい自由の国
そのために、私は歌う
先祖が骨を埋めた土地
開拓者が誇りをもった土地
全ての山並みから
自由の鐘よ、鳴り響け! |
■'Tis
: It is
■
Thee : You と同じ意味、古い言い方 |
この曲のタイトルは「America」とも「My Country, 'Tis of Thee」とも呼ばれ、アメリカ人なら誰でも知っているメロディのひとつ。オフィシャルなアメリカ国歌ではないにしても、昔からアメリカ人に親しまれている曲。1963年にキング牧師が黒人公民権運動を指導している時に行った有名なスピーチ『I
have a dream...』内でも引用されました。”奴隷の子供達も奴隷主の子供達も、みなが手に手をとって共に兄弟愛のテーブルに着く日が来る、そんな夢があるんだ。その時は新しい意味で『My
Country, 'Tis Of Thee』を歌い上げたい”と。それから40年以上たった今、アメリカではじめて黒人の大統領が就任。この事実にはキング牧師もきっと喜んでいるでしょうね。
最近ではオバマ大統領の就任式で、Soul Queen と言っても過言ではない、アレサ・フランクリンが感情たっぷりに歌いあげていました。アメリカの歴史上初めてのアフリカンアメリカン大統領、そんな記念すべき日に、自らもアフリカンアメリカンであるアレサの声が響いていましたね。いつもおしゃれな帽子などで独特の雰囲気を醸し出している彼女は「アメリカの肝っ玉かあさん」的存在、そして敬虔なクリスチャンでもあります。
"Being
a singer is a natural gift. It means
I'm using to the highest degree possible
the gift that God gave me to use. I'm
happy with that." - Aretha Franklin
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『歌手になったのは自然な事。神様が私に授けてくれた中の、最高のギフトを使って歌っているの。とても幸せだわ。』ーアレサ・フランクリン
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"My
faith always has been and always will
be important to me. " - Aretha
Franklin |
『信仰は、今までもこれからも、私にとってとても大切な物。』ーアレサ・フランクリン |
さて、この曲のメロディ、どこかで聞いた事があるような、、、?実はイギリス国歌である「God
Save The Queen」と同じメロディラインなんですね。
以下のように歌詞はまったく違いますが。イギリス版は思いっきり「女王陛下万歳!」の意味の内容のようです。そういえばもともとアメリカはイギリスから独立して成り立った国。こんな所でもつながっているとは、おもしろいですね。
God
Save Our Gracious Queen
Long Live Our Noble Queen
God Save Our Queen
Send Her Victorious
Happy and Glorious
Long to Reign Over Us
God Save The Queen |
神よ、慈悲深い我らの女王陛下をお守りください
高貴な女王陛下が永らえん事を祈ります
神よ、我らの女王陛下をお守りください
女王陛下に勝利を
幸福と栄光を
御代の永らえん事を祈り
神よ、我らの女王陛下をお守りください |
という訳で、みなさんも楽しい&安全な独立記念日をお迎えくださいね。 |