前回はにきびに関しての情報でしたが、今回は治療についてお話します。
にきびの治療は内科、小児科、家庭医学科、皮膚科で行われています。殆どの方は受診する前に、市販の治療薬を何種類か試しているケースが多いようです。ごく軽度の場合は市販薬でコントロールできますが、色々試しても改善されない場合はあまり悪化しないうちに早目に診察を受けた方が良いでしょう。
にきびの治療は根本的に治す事が難しいので、ある程度は長期間の治療と考える必要があります。治療の主な目的は、にきびの痕が残らないようにする事です。にきびを減らす事はそれほど困難ではありませんが、痕になってしまうとなかなか消えるまで時間が掛かります。
市販の薬ではClearasil、Stridexなどが代表的で、これらの薬は、軽度のにきびには効果的です。作用としては、にきびの原因となる皮膚の細菌を減らし、皮脂の分泌を減らす事で、にきびの発生を抑える事や、既に出来ているにきびを分解し、早く治すという作用などもあります。にきびの治療薬は処方薬、市販薬でも即効性はあまり無く、4?8週間の治療が必要です。その期間治療をして、効果が無い場合は別の方法に切り替えた方が良いでしょう。また、市販薬でも副作用が無いとは限らず、一番多い副作用は皮膚が乾燥してしまうと言う事です。徐々に副作用がおさまる事もありますが、場合によっては肌に薬が合わず、痛みや腫れが起こる事もありますので、その場合は治療法を変えたほうが良いでしょう。
一般的な処方薬は塗り薬と、内服薬です。塗り薬は、抗生物質を含むものが多く、これらの薬は皮膚の細菌に作用し、にきびの発生を減らす効果があります。その他にはトレチノインと言う種類の塗布薬があります。トレチノインは皮膚の皮脂腺を萎縮させ、皮脂腺の機能を低下させるとともに、毛穴に蓋をしている角質をはがれやすくすることによってにきびを治していきます。トレチノインを始めとするレチノイド(ビタミンAの誘導体の総称)は非常に有効なにきび治療薬として、欧米ではにきび治療の第一選択薬となっています。治療開始直後は、ある程度の皮膚の乾燥、ヒリヒリする感じなどがありますが、これは徐々に軽減します。
塗布薬を使用しても、効果が無い場合、または症状がひどい場合は抗生物質の内服薬が効果的です。治療期間は4?6ヶ月ぐらいが一般的で、塗布薬と組み合わせて使用する方が効果的です。症状の改善が見られたら、徐徐に内服薬の量を減らしていき、最終的には塗布薬のみでコントロールすると言う所まで進むようにします。
以上の治療が一般的にに行われているにきびの治療です。このような治療で殆どのケースが改善されますが、一部の重症のケース、難治性の場合はさらに、専門的な治療が必要となります。この場合は治療薬が強くなるにつれて、副作用なども多くなる事が多いので、にきびの治療に詳しい皮膚科受診が必要となります。