口唇ヘルペスとは頻繁に起こる口角の辺りに出来る湿疹のことを言います。悪性の病気ではないですがうっとうしいし、見掛けも悪いものです。
口唇ヘルペスは、Herpes Simplex Virus(単純ヘルペスウィルス)と言うウィルスが原因で起こります。このウィルスは大人の人口では85%以上が持っているものなので、殆ど誰でも口唇ヘルペスになる可能性はあります。このウィルスは感染する時、特に症状が無い事が多く、知らぬ間に感染している事が一般的です。但しウィルスを持っている方全員が口唇ヘルペスになるわけではありません。日本人の間では約10人に1人に発病します。
単純ヘルペスウィルスは人から人への感染で移りますが、感染力が強く、直接的な感染はもちろん、タオル、食器などを通しても感染するのではないかと言われています。つまり簡単に言えば感染を予防するのはほぼ不可能です。
主な症状
前駆症状としては唇の縁に起こる痛み、痛痒さ、腫脹感、それに続いて紅斑・腫脹、水疱形成が起こり、その後通常一週間程度で乾燥し、痂皮形成となります。健康な方であれば特に合併症などは起こりません。免疫機能が低下する病気や治療を行っている方、及び何か別の皮膚疾患を抱えている方は、症状が
悪化する可能性がありますので注意が必要です。
口唇ヘルペスはいつ起こるか予想は出来ませんが、風邪を引いた後、ストレスが溜まっている時、一般的に疲れたり体調が悪い時、または日差しが強い所に長時間いた後などに起こりやすいようです。
治療方法
治療方法は外用薬、内服薬、いずれも抗ウィルス剤を使用します。
外用、内服薬いずれも薬剤ですので、相性があります。あわない時は接触性皮膚炎などの原因となる事もあります。内服薬ではまれですが消化器症状、薬疹、神経症状など様々な症状を呈する事があります。
基礎疾患、免疫力低下などが無ければ原則的には、自然治癒致しますが、治療した方が病気の期間が短縮されます。内服が可能でしたら内服治療の方が外用より効果は期待できます。また、ウィルス性の疾患は一般的に治療開始が早ければ早いほど効果があり、口唇ヘルペスもそれに当てはまります。それらしき症状が出たら待たずに早めに相談してください。
発病したら
最後に単純ヘルペスは感染した一部の人が発病するわけで、一度発病した方は再発する事が多いようです。これはウィルスは治療しても完全に体内から除去する事は不可能だからです。ウィルスは感染すると神経細胞の中に潜んで、何かのきっかけを機にまた活動し始めます。ストレスや疲れなどはどうしようもありませんが、日に当たるとなりやすい、または生理中に起こりやすいなど、ある程度発病のパターンが決まっている場合は、タイミングを見計らって予防と言う形で薬剤を使用することも可能です。