この間、「毎回、コラムの出だしは気候や季節のイベントの事を書いてるよね」と言われ、「そんな事ないでしょう??」って返答はしたものの、見返してみたら本当にそのとおり。今後は、ここに何を書こうかなあって思いながら、自分の悩みを書いてみました。今月のアサコ先生にちょっと聞いてみよう!≠フコーナーでは「親友とのお別れ」について取り上げてみます。
●読者Yさんからの投稿…アメリカ生活20年目のいわゆる永住組妻です。この間、仲の良かった駐在のお友達が8年間の駐在生活を終えて日本へ帰国しました。彼女とは同じ年齢の子供がいただけでなく、趣味も同じだったので、毎日のように一緒にいました。彼女が帰国してから急に取り残された感じがして、ふさぎ込んでいます。他にもお友達はいますが、帰国した親友とは違うのでなんだかココロにぽっかり穴が開いている感じです。孤独感ていうんですか…?
どうしたらいいでしょう。
春から夏にかけては、駐在員家族の移動が多くなります。永住組と駐在組と言う言葉もよく耳にしますね。私自身は、永住組のカテゴリーなので、Yさんのお気持ちとってもよくわかります。駐在員のお友達はいずれ帰国してしまうんですよね。やっと仲良くなったのに、お別れが来てしまう。何度経験しても慣れません。逆に、駐在の奥さん達も、せっかく慣れたアメリカ生活や友達を残して日本に帰国するという事も大変です。今後、日本で上手に順応できるのかなっていう心配もあるだろうなあって思います。
Yさんは、そのお友達を親友と呼ぶほど、信頼し合えるような仲だったのですね。大人になってから信頼できる友人関係を作るのは、子供時代ほど簡単ではないですよね。でもそんな中、Yさんにその親友がいてくれたことはとっても幸せな事であり、素晴らしいですね。お互いの努力があったからこそでしょう。そんな素晴らしいお友達が自分の前からいなくなってしまい、ココロにぽっかり穴が開いたように感じているんですね。
Yさんが今、経験されているのは、一種のグリーフ(悲嘆)です。グリーフとは、一番有名なのは、死別を経験した人がその人を思い慕う気持ちを中心に様々な感情を経験する事を言います。別れた人を思うが故に感じる、悲しみ、寂しさをともなう喪失感などが主です。その喪失感から立ち直る過程で、その状況を理解しようし、不安になったり、孤独感・疎外感などを感じたり、怒りさえも感じます。時には引きこもりたくなるぐらい、うつっぽくなって見たり。この様なステージを行き来していくうちに、お別れを受け入れる事が出来、上手に別れに対して適応、対応が出来ると言われています。
グリーフは、死別だけではなく、何等かが原因で人との別れを経験する事も含まれます。Yさんにとっては、親友の帰国はある一種の別れであり、グリーフを経験していく中で、その別れと上手に向き合っていくことが出来、だんだんとココロの持ちようも変わって来るんです。
まずは自分が感じている感情(例えば、悲しみ、寂しさ、孤独感、そして時には怒り)を認識してください。そして悲しくて泣いてしまいそうな時は泣いても大丈夫だと自分に許可して、思う存分泣く事です。泣く事を我慢すると、自分の感情に蓋をしてしまう事になるので、後になってもっと辛くなるんですね。自分の気持ちに正直になる事は、お別れと向き合うツールの一つでもあります
また、自分の辛い気持ちや悲しい気持ちを人に話す事はとても大事です。一人で抱えてしまうと余計に辛くなってココロもカラダも身動き出来なくなってしまいます。一番の親友がいなくなって、他のお友達といてもなんか違うと感じるのは当然です。
でも寂しい時に、それをお話できる相手がいる事ですごく救われる事があります。Yさんが少し勇気を絞ってお話してみる事で回りは話を聞いてくれると思います。こんな時こそ、頼っていいのではないかなと思いますよ。
時間が経てば少しづつ、親友が帰国してしまった辛さや悲しさは柔いで行くはずです。今の時代、LINEやFACEBOOK、メールなど、繋がっていられるツールが沢山あります。だからこそ一生繋がっていられる!って思えたら少しは安心できるかな?
大人になってから親友と呼べるお友達に出逢えた事に感謝ですね。そのお友達を一生大切にしながらも、悲しみに向き合うことで、少しづつ辛くなくなる事を願っています。
引用:日本グリーフケア協会
www.grief-care.org/about
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保市麻子