読者Bさんからの質問:初めて投稿します。駐在妻としてアメリカ生活10年が経ちました。先日結婚20年目を迎えたばかりです。主人との間には今年から大学一年生になった息子が一人います。息子は家から離れた大学に通っているため寮生活です。今まで一緒に3人で生活をしていたのに、息子が家を出たため、主人と二人だけの生活にちょっと戸惑っています。主人とは仲がいい方なのですが、息子がいた時は息子中心の生活だったので、主人と二人の時間は殆どありませんでした。主人と何をしたらいいのだろか?主人ってどんな人だったかしら?私自身、主婦としてずっと生活をしてきたので、今までの自分そしてこれからの自分のアイデンティティーは?なんて思ったりもするのです。
子供達が巣立った後、Bさんの様にこれから旦那・妻とどうやって生活をしていったらいいのだろうか?と不安になったり疑問に思ったりする事は良くある事です。エンプティーネスト(空の巣症候群)とよばれ、子供が自立した後に親が喪失感を感じ、親の心が不安定になる事を指します。
Bさんのように、息子さんが一緒に生活していた時は息子さん中心の生活だったというのは、家族であれば当然ですよね。もしかしたらBさん夫婦の間での会話は殆どが息子さんに焦点を置いた会話だったかもしれません。ご夫婦仲はよいという事ですが、今までは、二人の時間というものが、まったくなかったのでしょうか? 日常生活に追われ夫婦の時間が作れなかったのかもしれませんね。
結婚して、子供が生まれると夫婦の間でアイデンティティーが変化します。夫と妻という関係から、お父さん・お母さんへの変化です。実際に夫婦の間でお互いをお父さん・お母さんと呼んでいる夫婦も多いと思います。これは、自然な変化なのですが、同時に、夫、妻というアイデンティティーを忘れないで持ち続けていることが夫婦にとってはとても大切です。
今回、子供が巣立ったことで、改めて、お互いの存在を再確認するチャンスといえるのではないでしょうか?長い間、父母としてしかお互いを見ていなかった場合、相手に対する好奇心が少なくなっているかもしれません。長く一緒にいればいる程思い込みで相手を判断している可能性もあります。でも、実際には、この長い年月の間に自分も相手も、なんらかの変化もあるものです。その変化を見るためにも、オープンマインドで改めて人生のパートナーとしてその変化を見つめてみましょう。お互い今まで見えなかった部分が見えたり、新たな魅力を発見できるかもしれませんよ。これからは、ご主人と知らないレストランにデートにでかけたり、カップルデートもいいでしょう。意識して、一緒に新しいことにチャレンジしたり、出かけたりすることで、お互いの変化を見つけたり、二人の距離が今まで以上に近くなるものです。
それと同時に、これからの新しい自分を確立していく事も良いと思います。今までは主婦として、そして息子さんのお母さんとして生活してきましたが、これからは何がしたいのか?何に興味があるのか?などと色々と探る事は自分自身を向上させてくれる源となります。チャレンジして見たいものがあるのであれば、ぜひトライをしてみては?やってみなければわからない事が沢山ありますよ。今後は、「夫婦の時間」だけでなく、「自分の時間」を取る習慣を作る事が大切です。自分の時間を取る事に慣れてくると、その時間を心から楽しめようになります。
子供が一人前になり親から巣立ち、沢山の親は自分達はこれでいいのだろか?と悩むものです。だからこそ、今までの自分も見つめながら、これからの自分そして、パートナーを改めて知る必要があるのです。パートナーとこれからも一緒に過ごす為に、お互いを知り、認め合うことで第二の人生は今以上に素晴らしいものになるのでしょう。
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保市麻子