もう九月じゃないですかぁ?本当に今年の夏はあっという間に過ぎてしまい、家族サービスもあまり出来ずに終わってしまったんじゃないかな?っと今このコラムを書きながら反省モードであります。皆さんはご家族と一緒に楽しいサマーを過ごせましたか?そうだと願っていますが。。。(笑)
今月の“アサコ先生にちょっと聞いてみよう!”のコーナーでは毎月読者の方々からたくさんのご質問を受ける中、と「Dear
Mini Me~ 最愛なる幼い私へ」というトピックを取り上げてみました。
読者Tさんからの質問:こんばんは!アメリカ永住の29歳女性です。アメリカにはかれこれ11年住んでいます。実はちょっとした悩みがあって初めて投稿しました。私にはアメリカ人の主人(結婚3年目)と、一人の息子がいます。家族円満に過ごしているように周囲からはよく見られがちで、友達にもうらやまれることがたびたびです。私自身、結婚生活、主人、そして子供に対してとても幸せを感じるのです。。。が。。。いつも不安で仕方がないのです。例えば、主人はよく州外に出張が多いのですが、彼の出張の際は彼が一緒に隣で寝ていないと言うことからの不安をよく感じます。そして自分だけ取り残されてしまうのではないか?という不安も日常よくあります。いつも一人になるのが怖くそわそわしてしまったりします。小さい時もなんだか似た様な気持ちを抱いていたことを最近思い出しました。私は4人姉妹の3番目なのですが、私以外の3姉妹はみんな学歴もよく、運動もでき、私が小さい時から両親はいつも私と残りの3姉妹を比べていました。両親はいつも「なぜお姉ちゃんや妹みたくなれないの?」と私に言っていました。私自身も「もっとカンペキだったら比べられないのに。。。」って思いながら毎日を過ごしていました。でもそう考えれば考えるほど、自分は姉妹たちと比べるはめになり、私のいる居場所がない感じがして、とても悲しく、孤独感を感じたことを覚えています。なんでいつもこんなに不安なんだろうなあ?って自分に聞いてもなんだか答えが出てこないのです。余りにも不安すぎて時には必要以上に主人に対して出張が多すぎだ!と一方的に攻撃してしまったりします。もう不安や孤独感に絡まれたくないのです。
まずは、誰でもが不安になり、劣等感を感じるものです。問題は不安感や劣等感が強すぎな場合です。Tさんは結構自分を観察できているようですね。不安感、孤独感というものは気持ちのよい感情ではありませんよね。不安というものは大抵の場合は自信がない時に生じるものです。要するに不安と自信は紙一重なのです。自信がないと劣等感というものも出てくるのです。この劣等感というのは生まれもった性格の一部ではありません。なんらかのきっかけがないと劣等感を感じません。Tさんは小さい時から姉妹と比べられていたと言う事ですが、比べられる程辛いものはありませんよね。比べられる度に自分の価値は何?自分はそんなに役立たない人間、姉妹よりも勉強が出来ないばか者、などとどんどん自分のこころの居場所や、存在を否定してしまう要因になってしまうのです。Tさんのようにいつも両親から比較されていたら、「もしかしたら自分は家族の一員ではないかも?」と自分で感じてしまうのではないでしょうか?「自分の居場所は自分の家族の中ではない」そう考えると孤独への恐怖感がどんどんとおしよせてくるのです。
劣等感を持っている人は自分を否定したり、自己嫌悪になりやすいようです。そうなると不安になりやすいですよね。自分の不安を隠すために必要以上に強がりになってみたり、自信満々な態度を取ってみたりしてしまいがちです。不安を隠すために相手に攻撃的な態度を取るときもあります。その様な時程、またやってしまった。。。と思いながらもいつも親から比較されている言葉が思い出されるのです。「お前は姉妹たちとは全く比べものにならないぐらいだめだ」と。。。そしてどんどん自分が嫌になったり、自分の居場所を失う感じがして孤独感が増し、不安になるのです。人は誰でも幼かった自分自身を持っています。比較されながら育ってきたTさんにはココロがぼろぼろに傷ついた小さなTさんがまだ存在しているのです。現在も不安になったら無意識のうちにココロは幼かった頃のTさんに戻っているのです。両親と一緒に住んでいなくても、ココロが憶えているのです、両親から沢山否定されてきたんだ!自分の価値はいったいなんなんだろう?ということを。。。Mini
Tさんのココロはずたずたのまま大人になってしまったのですね。
幼い時の傷ついたココロの持ち主のTさんには何が必要なのでしょうか?何をどうすれば不安や孤独感に駆られなくなるのでしょうか?いくつかあるのでは?まずは目には見えない幼かったMini
Tさんの傷ついた心を癒してあげることです。どうすれば癒せるのか?ですよね。一つ目は今の自分を否定や批判せずにありのままの自分を受け止めてあげることから始まるのです。自分の居場所を無意識のうちに探していたTさんですが、今は自分の居場所がTさんの家族の中にあるのです。Tさんは家族から必要とされている存在なのです。そこをきちんと理解する努力をすることも必要です。自分の存在価値というものを軽視しては絶対にいけないし、家族の一員なんだ!と確信するのです。家族から自分は必要とされているのだ!と日ごろから口癖のように自分に何度も何度も言い聞かせるのです。自分が心底信じれるようになって初めて幼かったTさんのココロが癒されたと言うことになるのです。きっとTさんのお父さん・お母さんはTさんを姉妹と比べたりココロ
のムチを打つことでTさんを向上させたかったのかもしれません。どの親も子供の成長を見守りたいと思うわけです。その意思がどの様に子供達に伝わるかということなのかもしれません。
二つ目は自分への自尊心(セルフ・エスティーム)を高めることです。劣等感や不安を感じる人は自分に対してあまりよくない感情や思考を持つ傾向があります。自尊心があるということは自己価値を高めることでもあります。自尊心がそれなりに高い位置で保つことが出来れば、少々辛かったり、自分と他人を比較しようとしても、なにがあっても自分はそう簡単に揺さぶられない!と確信できるものです。日頃から自分の長所に目を向ける努力が必要になります。例えば5つ程自分の長所をノートや手帳などに書き上げ、朝・晩二回自分の5つの長所を大声で自分に言い聞かせるように言う練習などもとってもパワフルなスキルの一つです。
三つ目はカンペキ主義を目指さない事です。Tさんのように3姉妹と比較されて「いつもカンペキであったらもっと親から認められたのに。。。」と思ったかもしれません。でもカンペキにしようとすればするほど、落とし穴にはまってしまうのです。そして孤独感・不安感が倍増するものです。周囲は完璧だと思っても本人が満足しないのであればきっとまた自分に対してココロのムチをうち、不安や孤独感を感じるのでは?カンペキを目指す=失望感・孤独感・不安感となりやすいので、やはり完璧というよりは、一つひとつをこなしている自分を沢山褒めてあげる事も自尊心向上の道のりとなるのです。
人は誰でも幼かった頃の自分を持っています。大人の自分と幼い自分は一心同体なのです。Tさんの様に傷ついたココロをもった幼い子は誰にでも存在します。そんな自分を大事にしてあげることが大切です。そして逃げずに向き合いながら、上手に付き合っていくスキルを身につけることも必要です。そうすることで自分のココロの居場所が再確認でき、不安も少なくなり、自分への自信にも繋がるのです。
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マインドフルプロフェッショナルカウンセリング
保市麻子