今月はQ&Aコラムをお休みして違う形でコラムを書くことにしました。皆さんは7月17日のドイツでの女子サッカーのワールドカップの試合を見ましたか?強豪チーム、アメリカ対わが国のなでしこジャパンチームが決勝に残ったのです。試合前の新聞、テレビやインターネットの記事などを読んでも明らかにアメリカチームが勝つだろうと言われていたこの大会で、見事に日本のなでしこジャパンチームが初のワールドカップの優勝を勝ち取りました。
優勝が決まった瞬間、テレビに映っているなでしこジャパンの選手を見ながら、私自身なぜだか涙が出てきました。「なでしこよくやった!」という気持ちと「この優勝が今の日本を勇気付けてくれるだろう!」とうい希望からのものだったのだと思うのです。3月11日の大震災そして放射能の現実問題は日本をどん底に突き落とし、私たちに希望の光を見る余裕さえないほどの失望感を与えました。被害者の方々はそれでもあきらめずに「今」を一生懸命に生きているのです。彼らの一生懸命さ、そして今回のなでしこジャパンのプレーヤーたちのあきらめない姿勢というものは私たち自身、学ぶことが多いと思うのです。
私は今回のサッカーを観ていろいろと学んだのが現実です。試合中、何度もアメリカに先制されたり、点を取られそうになってもあきらめずにがんばる姿。。。あの姿はお金では買えることのできないものです。観客も「もうなでしこチームはだめなのか?」「どん底から這い上がれないのか?」などと不安を感じながら観ていたのではないでしょうか?実際、私はもうだめなのかな?って思いながら観ていた自分を覚えています。でもそんな風に思いながら観ていた私とは裏腹になでしこはさすがすごいな!と思ったのは優勝インタビューを聞いた時でした。選手たちが「もう駄目だ!とは一度も思わなかった」と言っていたことです。誰が見ても試合の最後の数分間はアメリカがこの試合は勝ったものだろうと思わせるようなプレーの中、そんなプレッシャーなどを感じずに自分たちのサッカーをしたなでしこ。忍耐力そしてプレーヤー同士の信頼感などが明らかに見えた試合でした。
彼女たちの忍耐力、信頼感、あきらめない力などはサッカーだけではなく、私たち自身にも必要なツールのひとつなのです。毎日、生活をしている中で人間関係、仕事上でのストレス、アメリカ生活でのストレスなど、様々なストレスを抱えながら生活をすることが多いと思います。人によってはストレスの度合いや抱えている問題によっては「もう駄目かもしれない、先が見えない。。」と思うこともあると思います。人は窮地に立たされるともう駄目かも。。。と思うものです。でも今回のサッカーで学ぶ大きなことと言えばやはり最後まであきらめずに自分を信じて結果を出すと言うことなのではないでしょうか?その結果が自分が思っていたようにいかなくても「最後まであきらめずに戦い抜いた!」という達成感は何にも変えることのできない価値のあるものです。結果はどうであれ自分ががんばった達成感から学ぶことが沢山あるはずです。すぐにあきらめてしまったり、あきらめる前に挑戦せずに自分は駄目だから。。と思い込んでしまったり。。。そうしているともちろん先は見えるわけでもなく、結果も自分が望んでいる様なものは出ません。先を心配しすぎたりして「今」という時間を見逃してしまいがちです。なでしこジャパンの様に窮地に立たされてもその「瞬時」にフォーカスを置き、その時に何ができるか?と言うことだけを考え真っ直ぐにそのゴールへ向かって進むことはとても大切なことなのです。窮地に追われ、不安になり、ネガティブな思考などが飛び交う中、どれだけその瞬時に集中をして、ネガティブな感情に惑わされずに中立な思考を得ることができるかということで結果も違うものです。そうすることには忍耐力も必要になってきます。人間はすぐに結果を出したがるものです。結果を欲しがるため、目の前にある大事なことを見失ってしまい自分が描いていた結果とは正反対のものになってしまうことがよくあります。その時の失望感の大きさといったらたまらなく大きいのではないでしょうか?ストレスは私たちに沢山のネガティブ感情や思考を与えます。
日頃からその時、その時にフォーカスを当てる練習をすることもよいかもしれません。そうすることで我慢すること、忍耐力、そして自分自身を信じる力を得ることができます。自分を信じることは自分への自尊心の向上にもつながります。あなたはなでしこジャパンから何を学んだでしょう?
マインドフルプロフェッショナルカウンセリング
保市麻子