●シカゴで遊ぶ：スポーツ観戦：

■シカゴ・ファイアー（MLS：サッカー）

長らく「サッカー不毛の地」と呼ばれ続けてきたアメリカですが、94年のワールドカップ開催、96年のメジャーリーグサッカー（MLS）設立、アメリカ代表チームの世界ランキング上位国入りなどを経て、サッカーは着実に「観る」スポーツとしての人気を獲得してきています。

サッカー人気を支えているのが、サッカープロリーグのMLS。世界的な有名選手はいないものの、レベルの高さはアメリカ代表チームの実績（05年世界ランキング10位）で実証済み。アメフトで培われた「データ」「戦略」重視サッカーで、観るものを楽しませてくれます。

シカゴ・ファイアーはMLS設立の2年後、98年に誕生しました。チーム名のファイアーは「シカゴの大火」にちなんだもの。MLSには、他にサンノゼ・アースクウェイクス（カリフォルニア大地震）というチームもあり、独特のネーミングセンスがあるようです。

初年度の98年にいきなりMLSチャンピオン、その後も3回のリーグ制覇および3回のアメリカ杯（日本の天皇杯に相当）制覇と、強豪チームとしてMLSに君臨し続けています。

加えて、シカゴは中南米（特にメキシコ）、欧州（特にポーランド）からの移民が多く住んでいるため、サッカー熱が高く、観客動員数はLAギャラクシーに続いてMLS第2位を誇っています。ヒスパニック系の観客が半分近くを占めたり、スペイン語のアナウンスがあったりと、中南米のスタジアムにいるかのような独特の雰囲気が醸し出されています。ちなみに全試合がラジオ実況されていますが、スペイン語（1200 AM）とポーランド語（1030 AM）のみ。これらの層での人気の高さがうかがい知れます。

試合前には国歌斉唱に続き、選手紹介と記念撮影、ハーフタイムにはキッズを対象としたミニゲームやフリーキックのイベントが行われますが、アメリカンスポーツにありがちな派手な演出はなくむしろ地味め。欧州・中南米のスタイルを踏襲し、サッカー好きを対象に試合そのものを楽しめる環境を整えていると言ってよいでしょう。

観戦で特筆すべきは、アメリカプロスポーツで唯一、応援団が存在することです。応援団のあるスポーツ観戦に慣れた我々日本人には、親しみやすい応援スタイルですよね。Firehouse と呼ばれるソルジャーフィールド南側のゴール裏が指定席で、応援団長を中心に途切れることのない歌・鳴り物・声援で選手に勇気を与えています。赤色の服を着て（もちろんファイアーのチームジャージがベスト）、ビール片手に大声を張り上げれば、日頃のストレス発散に最高の場所となることを保証します。

アメフト・ベアーズの本拠地として知られるソルジャーフィールドに行ったことのない人も多いはず。ソルジャーフィールドは、建築物としても一見の価値があります。

● チケットと駐車場について

応援団と一緒に盛り上がりたいという方は、ゴール裏の応援団スペース、全体の展開を見ながら、サッカーそのものを楽しみたいという方は、サイドの席を購入されればよいと思います。なおお子様は2歳以上より大人と同じチケットが必要となります。
また12歳以下のお子様を対象としたKids Clubに入会すれば、無料観戦券やプレゼントなどさまざまな特典がありますので、オススメです。
駐車場は、ソルジャーフィールドの南側が近くて便利ですが、ここが満車の場合はマコーミックプレイスやアドラー天文台、ダウンタウンのモンローガレージに誘導されます。

中村聡明(Living in Chicago(www.e-nakamura.net/chicago/))

フィールド全体像。観客席からの距離はかなり近い	Firehouseからの眺め。白地の旗を持っているのが応援団長	試合前の記念撮影。この日のユニフォームは水色でした（通常赤色）。
Fireのチームマスコット Sparky くん	Firehouseの応援団。右端が応援団長	迫力の空中戦
迫力のコーナーキック	ハーフタイムに行われるガールズサッカー。いい思い出になるでしょうね。	Firehouseの応援団。点が入ると紙テープが舞い飛び大騒ぎ。

2022年4月更新