注意：Tapas Valenciaは、取材先のBloomingdaleからシカゴ・サウスサイドへ移転しました。（2009年11月確認現在）

シカゴ郊外では名の知られたタパスレストラン、『メゾン・サビカ』の姉妹店であるTapas Valencia はI-335をLake Street で降りて少し西に行ったBloomingdaleにあります。店内はスペインの建築家、ガウディーのモザイクアートを思わせるようなにぎやかな雰囲気で、壁から水が出てくるように工夫されているので、子供達が楽しそうに水を触っている光景が見受けられました。

スペイン料理と言えばお決まりのサングリアですが、このお店では赤ワインベースと白ワインベースを選ぶことができます。今回取材班が選んだ赤ワインベースのサングリアはのど越しがすっきりしていて普通に美味しいのですが、特に特筆するほどの味というわけではありませんでした。

メニューが沢山あるのでオーダーを選ぶのには一苦労。そこで、とりあえず時間のかかるパエリアだけは先にオーダーしておきました。サイズはそれほど大きくないという事でしたので、ValenciaとMariscosの2つをたのみました。バレンシアは海老やムール貝、それにアサリのほかに鶏肉がシーフード以外のウマミも加えています。ただし、全体的にトマトの酸味がきつかったのと、ご飯がかたいところがあったのがマイナスポイントでした。それに比べるとマリスコスは海老やムール貝、それにあさり以外にもホタテやイカも加わった贅沢な海鮮パエリアで、こちらもトマトの酸味は強めですが、バレンシアよりもご飯のかたさもちょうど良くコクがあって美味しいと思いました。

Cold Tapas からはまず定番のガーリックポテトサラダをチョイス。ローストガーリックがそのままごろごろ入っていて、ポテトサラダとにんにく好きにはたまりませんが、次の日にデートやミーティングがある場合はやめておいた方が無難なくらいガーリックのパンチはすごいです。Imported Spanish cheesesはオリーブオイルのかかったスパニッシュチーズが3種類、それからブドウと2種類のりんごが一緒に出てきました。3種類のスパニッシュチーズはどれもくせがなくて食べやすく、好みでいろいろな果物と一緒に食べるという楽しみもあり、話も弾みます。Slices of roast vealもとてもさっぱりしていて、非常にうすく切られた子牛肉にラズベリービネグレットとラズベリーそのものがユニークなアクセントになっていて悪くない一品でした。ただし期待していたスパニッシュオムレツにはちょっと幻滅。お値段のわりには「えっ？」と思うほど小さめのポーションで、肝心なお味の方も淡白でまったくスパイスが使われていないので味がぼけていました。

Hot Tapas からはBaked datesをオーダー。“デーツ”というのはナツメヤシの実のことで果肉は甘く、かぼちゃをベーコンでまいたような味わいでした。赤ピーマンのソースもピーマンの柔らかでなかなかの味わいです。温かいGrilled eggplantはオレンジ色のベルペッパーバターソースがクリーミーで、トマトの酸味も加わって◎。本日のスペシャルから頼んだコロッケは、コロッケ自体にもソースにもスパイスが結構効いていて濃厚な味わいでした。そして、ほうれん草、マッシュルーム、アスパラガス、それにローストした赤ピーマンの入ったPenne Pasta はトマト風味のゴートチーズソースは思ったほどクリーミーではないのですが、親しみやすい一品でした。

色々食べましたが、取材班イチオシのホット・タパスはSeafood Casserole で、海老やサーモン、ホタテがふんだんに入っていて美味しいと一同絶賛でした！サフロンと香草の入ったトマトブロスの塩味もちょうどよく、シーフードのコクのある味わいが抜群でした。

このレストランでは5人以上でお食事をすると特別にデザートの盛り合わせを作ってくれるのですが、今回は、ソテードバナナ（ナッツのせ）、シュークリーム、フラワーレスチョコレートケーキ、フラン、フルーツケーキが出てきました。大きなお皿にいちごやラズベリー、それに生クリームを使って盛り付けられてなかなか綺麗なプレゼンテーションでした。肝心のお味も甘さがひかえめになっており、編集部も大満足でした。

お料理の内容という意味では本店『メゾン・サビカ』の印象が良いだけに「う〜ん」という気がしないでもないですが、アップテンポな雰囲気と、軽快なサービスは、気の知れた仲間と楽しむには良いお店です。フルバーも完備しており、テイクアウトもできます。ランチ・ディナーパーティもアレンジＯＫだそうです。

ガーリックのたっぷり効いたポテトサラダ	味のボケたスパニッシュオムレツにはちょっとガッカリ	ラズベリーソースがおもしろいアクセントの子牛肉
色んなコンビネーションが楽しめるスパニッシュチーズの盛り合わせ	グリルドカラマリはとにかく柔らか	かぼちゃをベーコンでまいたような味わいのBaked dates
本日のスペシャルからはコロッケを食べました。	Penne Pastaは親しみやすい味わいでした。	編集部お勧めのキャセロール
それほど大きくないパエリヤはペロリと食べてしまいます。	とっても可愛い盛り合わせをしてくれるデザートプレート	写真は暗いですが、店内は明るい雰囲気でした。