注）取材に訪れたロケーションは残念ながら閉店しました。イリノイ州にはOak Brookに店舗があります（2017年11月確認現在）

取材に訪れたアメリカには数えきれないほど沢山のピザ・レストランがありますが、最近は”ファーストカジュアル・ピザ”と呼ばれるお店が流行っているのをご存じですか？これはお客さんの目の前でピザ生地にソースやトッピングをのせて、その場で焼いてくれるお店のことで、アメリカ全土でこのようなスタイルのピザ店が続々とオープンしています。2011年6月にテキサス州でスタートした「Pie Five」もその一つで、クラストにソース、トッピングの手順であっという間に焼き上げる工程は、”フレッシュ・フィニッシュ”と呼ばれています。「Pie Five」ではピザメニューに、オリジナルとカスタマイズの2種類がありますが、どちらもカウンター越しにスタッフが目の前で作ってくれるので、食材の新鮮さや安全性が目で確かめられるだけでなく、オーダーしてすぐに熱々のピザが食べられるのが嬉しいです。

　ファーストフード系のお店なので、まずはカウンターでカスタマイズかオリジナルの中からピザを選びます。その後、希望があればサイドのサラダやデザート、飲み物などを注文して支払いを済ませたら、出来上がったものを各自で取りにいくシステムです。ピザはベルトコンベヤーにのせられて、６００度の高温のオーブンでたったの１４５秒で焼きあがるというから驚きです！カスタマイズ・ピザの場合は生地やソース、それにトッピングはチーズかミート、ベジタブルの中からそれぞれ選べるようになっているのですが、色んな種類が用意されているので、混雑するランチ時などには前もって何を頼むかを決めておいたほうがオーダー時に焦らずに済みそうです。

今回はメインのピザの前にピザ生地を器にみたてた一人用サイズのサラダを二種類試しました。一つ目のClassic Italianはロメインレタスと柔らかいチキン、レッドオニオン、ペペローニなどが盛られていて、ドレッシングにはビネガーの効いた甘酸っぱいバルサミコ酢がかけられています。もう一つのChicken Caesarはロメインレタスにサッパリとしたグリルドチキン、それに野菜と相性の良いパルメジャンチーズがふられ、ドレッシングには同じくバルサミコ酢が使われていました。どちらも塩気のある器のピザ・クラストにバルサミコ酢の甘酸っぱさがあっていて、なかなかの美味しさです。
　
メインのピザには、オリジナル・メニューからシカゴエリア限定のWindy City Worksと、期間限定のMagic Mushroom、それからChicken Calbonaraを選び、おまけにカスタマイズのピザを1つ作ってもらいました。ウィンディー・シティーは甘辛くローストしたイタリアンビーフに、酸味の効いたチリオリーブオイルに漬けた、Giardinieraと呼ばれる野菜のピクルスが散りばめられ、モッツアレラチーズと共に外側をカリッと焼きあげています。クラストに選んだClassic Panはモチっと柔らかく、クセのないあっさりとした味わいなので、トッピングのピリ辛さがアクセントに効いていて、また食べたいと思わせるコンビネーションでした。ちなみにオリジナル・メニューのピザは、生地を5種類のクラストの中から選ぶことができます。Artisan Thinのピザ生地で作ってもらったマジック・マッシュルームは、クリーミーなアルフレッドソースとたっぷりのモッツアレラチーズ、そしてその上にはマッシュルームとグリルドチキンがのっています。味付けには甘く濃厚なバルサミコ酢がかかっていて、奥深い味のハーモニーが楽しめました。クリーミーなアルフレッドソースとパルメジャンチーズ、グリルドチキン、それに薄くスライスしたマッシュルームがのったチキンカルボラーナは、円やかなソースに、ピリ辛いレッドペッパーとカリッとした食感と塩気のあるベーコンが効いています。全体的にミルキーでやさしい味わいなので、特に女性にもうけそうな一品かも。カスタマイズのピザにはClassic Panのクラストを選び、その上にオリーブオイルソースをかけてもらい、トッピングにはモッツアレラチーズと薄くカットしたトマトとレッドオニオン、ブラックオリーブ、アーティチョークをのせてもらいました。野菜のみのヘルシーなベジタブル・ピザでしたので、クセがなくサッパリとしていてなかなかお勧めの組み合わせです。
　
デザートにはアメリカで人気のあるTurtle BrownieとChocolate Chip Cookie Pieをオーダー。ブラウニーはサクッとした表面にチョコレートチップと相性の良いピカン・ナッツがのっていて、柔らかくて濃厚な生地はどっしりとした食べ応えがあります。チョコチップ・クッキーパイは、クッキー生地の中にトロリとしたチョコレートチップが沢山入っていて甘いのですが、塩辛いピザを食べた後にはピッタリで軽く食べてしまいました。

　お手ごろな値段で焼きたてのピザがサッと食べられる「Pie Five」は、アメリカ人の好奇心とニーズをしっかりつかんだコンセプトで、しばらくは熱い注目を浴びそうです。新感覚のオリジナル・ピザはもちろん、トッピング自由自在のカスタマイズ・ピザも合わせると、何通りものピザが食べられるので、色々と試してお好みのピザを探求してみてください。

(12/14/2015)

ロメインレタスと柔らかいチキン、レッドオニオン、ペペローニなどがのったClassic Italian Salad。	こちらはChicken Caesar Salad。器の形をしたピザクラストとみずみずしい野菜は相性バッチリ。	シカゴエリア限定のWindy City Worksは、甘辛いイタリアンビーフにGiardinieraと呼ばれる酸味の効いたピクルスがのっています。
期間限定のMagic Mushroomはアルフレッドソースの上に、たっぷりのモッツアレラチーズとマッシュルーム、グリルドチキンがのっています。	円やかなソースに、ピリ辛いレッドペッパーと塩気のあるカリカリベーコンがアクセントに効いたChicken Calbonara。	お好きな具材で作るカスタマイズピザもお勧め。こちらはオリーブオイルソースにモッツアレラチーズとトマトとレッドオニオン、ブラックオリーブ、アーティチョークをのせたもの。
チョコチップとピカン・ナッツがちりばめられたTurtle Brownieは濃厚でどっしりと食べ応えがあります。	Chocolate Chip Cookie Pieは、クッキー生地の中にトロリとしたチョコレートチップがたっぷり！