『On the Border Mexican Grill & Cantina』は、アメリカでは有名なテクスメクスのフランチャイズ店です。国内のみならずプエルトリコやカナダ、最近ではエジプトやデュバイ、サウジアラビア、それに韓国などの海外への進出もめざましく国際的にビジネスを広げています。イリノイ州には現在のところ4店舗ありますが、今回はその中からバーノンヒルズ店を訪れました。店内はブリキや陶器、木製など色んな素材を使った家具や装飾品が飾られ、カラフルな豆電球のイルミネーションで異国情緒溢れる雰囲気。お店の中央にはトルティヤを作るのにかかせない大きなトルティア・プレスがあり、店員さんが1枚ずつ生地を押してトルティヤを作っている姿をみることもできます。

実は取材員のこのお店の大好物は、席につくとすぐに運ばれてくるトルティアチップスとサルサ。ほんのりと温かいチップスは非常に薄めで、噛むたびにパリパリという気持ちのよい音とともに、コーンの香ばしい香りと甘みが口いっぱいに広がります。さらりとした軽めのサルサは、後からジワリと感じるスパイシーさがちょうどよく、薄味のチップスにぴったりです。チップスは、なくなったらお代わりをいくらでも持ってきてくれますが、食べ過ぎるとメインが食べられなくなるのでご注意を。ちなみにこのトルティアチップスとサルサはファンが多いこともあり、市販用向けのものが大型グロッサリーストアでも手に入るようになったほどです。アペタイザーにはChicken Tortilla SoupとCitrus Chipotle Chicken Saladを頼みました。チキントルティアスープには、チキンやライス、コーン、ビーンズ、ズッキーニ、トマト、玉ねぎなどが入っていて、トロトロに煮込まれています。優しいチキンブロスに、野菜の甘味とクミンやチリパウダーなどのスパイスが加わり、まろやかで奥の深い味わい仕上がりに。トッピングにはフレッシュ・アボガドと揚げたトルティアチップスがのっていて、どちらもユニークな食感と味のアクセントになっていました。シトラス・チポトレ・チキンサラダは、レタスや赤玉ねぎ、赤キャベツ、トマト、コーン、ジマカ、ニンジン、香菜、オレンジ、ケソフレスコチーズ、それにさいたチキンがお皿一杯にのっています。しっとりとした胸肉はびっくりするほど柔らかく、ジカマのシャキシャキ感やオレンジの爽やかさといった素材の1つ1つが引き立っていましたが、マンゴーとシトラスを使ったドレッシングの甘すぎるため、他の具材の味を消してしまいバランスの悪さが目立ちました。

メインには、Create Your Own Combo 、Southwest Chicken Tacos、そしてお店のオススメのThe Ultimate Fajitaをオーダしました。コンボミールでは、スープやサラダ、数種類のタコスやエンチラーダ、エンパナダス、トスタダス、またフラウタやタマリなどの伝統的なメキシコ料理の中から、お好きなメニューを2つ、または3つ選んで組み合わせることができます。今回はPork Tamale、Slow-cooked Pulled Chicken Enchiladas、そしてCheese Stuffed Chile Rellenoの3つをチョイス。タマリはとうもろこしの粉とラードを錬ったものに具を詰めて、コーンの葉で包んで蒸したものです。とうもろこしの素朴な甘味と豚肉のうまみが、まろやかなトマトソースでバランスよくまとまっていて◎。チキンをコーントルティアで包んでソースをかけて焼いたチキン・エンチラーダには、一般的なトマトソースではなく真っ白なホワイトソースがかかっています。クリーミーで優しい味わいで悪くありませんが、マイルドすぎてちょっとパンチが足りない気もしました。チリ・リエーノは大きくて甘味のあるポブラノ・チリに、たっぷりのチーズを詰めて揚げたものです。うすーくつけられた衣は、下味がしっかりついていて本当にカリッカリ！中には驚くほど大量のチーズが入っていて、ナイフで切ると波のように溢れ出てきます。チリ・エリーノには酸味とハーブのきいた、さっぱりとした温かいピコデガロソースをお好みでつけてお召し上がりください。サウスウェスト・チキンタコスは風味よいフラワー・トルティヤで、ふっくらと柔らかいグリルド・チキンにチェダーチーズ、それにカリッと香ばしい揚げ玉ねぎをトッピングしたタコスです。揚げた玉ねぎの甘味とクランチーさ、それにクリーミーなレッドチリソースの組み合わせは抜群ですが、かなりアメリカ風にアレンジされた印象をうけました。サイドにはメキシカンライスとリフライド・ビーンズまたはブラックビーンズがついてきます。バターの風味がよくパラパラとしたメキシカンライスは、どのメインとも相性がよく好評でした。ウルチメート・ファフィタはステーキとチキンのグリル、それにソテーしたエビ、Carnitasと呼ばれるメキシコ風のローストポークを柔らかくさいたもの、それに彩りのいい色んな焼き野菜が熱々のグリルにのっています。お好きな具材を好きなだけ、手づくりのトルティヤにのせ、さらにお好みでワカモレ、レタスやトマトなどをトッピングして一緒に食べます。パプリカやチリパウダー、カイエンペッパーやクミンなどの独特のスパイスは感じるものの、全体的にはあっさりとした味付けでそのままでも十分美味しいですが、ほんのりと甘いMequiteを使ったバターソースをかければ、コクがプラスされて、味に奥行きが出るようです。

デザートに頼んだSizzling Apple Crispもジュウジュウといい音をたてながら運ばれてきました。香ばしく焦げたカラメルの広がる鉄板の上には、シナモン風味のベイクドアップルにナッツをミックスしたクランブル、それに大きなバニラアイスがのっています。味の組み合わせは最高ですが、クランブルが残念ながらネットリとした食感でイマイチでした。

『On the Border Mexican Grill & Cantina』は、豊富な種類のマルガリータがあることでも有名です。クラッシックなストロベリーマルガリータから、珍しいAgaveのメキシカン・テキーラを使ったものまで色々ありますので、お料理に合わせて是非そちらも試してみてください。なお、週末の夜は特に混雑しますので、予約をしていくことをオススメします。

(4/4/2011)

パリパリと薄〜いチップスに、ジンワリとくるスパイシーさがたまらないサルサは抜群のおいしさ！	まろやかなChicken Tortilla Soupはフレッシュアボガドの甘さとチップスのクランチーさがいいアクセント。	Citrus Chipotle Chicken Saladは残念ながら、ドレッシングの甘味が強すぎてバランスの悪い仕上がりに。
お好きなメニューを2つ、または3つ選んで組み合わせることができCreate Your Own Combo。	Cheese Stuffed Chile Rellenoをナイフで切ると、大量のチーズが波のようにトロリと流れ出てきます。	Southwest Chicken Tacosはフライドオニオンの甘さが引き立つ、かなりアメリカ風にアレンジされたタコス。
ステーキ、チキン、エビ、ポーク、それに色んな野菜を作りたてのトルティーアにのせて食べるThe Ultimate Fajita。	Sizzling Apple Crispはカラメルの香ばしさがいいのですが、クランブルの食感がイマイチだったかな。	この看板の下にある大きなトルティア・プレスで、1枚ずつ丁寧にトルティアを作っています。