今回ご紹介する「Little Sheep Mongolian Hot Pot」は、世界8カ国にロケーションを持つグローバル・チェーン店で、全米各地にも現在30店舗ほどあります。ヘルシーでユニークなHot Pot(火鍋)を、もっと多くの人々に楽しんでもらいたいという思いから、1999年に中国に一号店をオープンしたのがはじまりだそうです。今回訪れたシカゴ店はOld China Townの奥にあり、お店のシンボルである可愛い羊のイラストが目印。落ち着いた色調で統一された店内は、ブース型のテーブル席がメインに置かれてあり、メニューはビュッフェ式とオーダー式の二つに分かれています。

今回はビュッフェ式でお願いすると専用のオーダー用紙をわたされました。用紙には火鍋のベースとなるスープや具の種類が並んでいるので、そこから自分の好きなものを選んでいく仕組みです。スープにはオリジナルとスパイシー、それにハーフ＆ハーフがあるので、オリジナルの白湯（パイタン）スープとピリッと辛い麻辣（マーラー）のスパイシースープの両方を楽しめるハーフ&ハーフでお願いしました。スープには中華栄養師と医学専門家が厳選したという数十種類の漢方食材である香辛料が使われていて、大蒜（にんにく）や棗（なつめ）、党参（とうじん）、良姜（りょうきょう）、龍眼（りゅうがん）、そして枸杞の実（くこのみ）などが入っています。優しい味わいのパイタンスープはいかにも体によさそうですし、唐辛子が沢山入った麻辣スープは、赤いオイルがピリリと効いていて体が温まります。具となる肉類にはPrime-Aged LambとSupreme Lamb Shoulder、Garlic Beef、Kurobuta Pork Shoulderを、海鮮類にはHouse Shrimp PasteとWhole Shrimp、Mini Octopus、野菜類にはNapa Cabbage、Green Leaf　Lettuce、Daikon、King Oyster Mushroom、それにFresh TofuとGlass Noodleもオーダーしました。

それぞれの食材がテンポよく次々と出てくるのですが、最初に運ばれてきた肉類の量の多さにびっくりしました。ホットポットはスープに肉類や魚介類を先に入れて、ダシに旨みをだしてから野菜をいれると良いそうなので、まずは、グツグツと沸騰したスープにお肉を投入。最初に入れたプライム・ラムはプライムなだけあって、スプリーム・ラムに比べると羊特有の匂いがあまりなく、お肉もとても薄いので、何の抵抗もなくあっという間に平らげてしまいました。一方、スプリームのほうは食べた時の独特のクセがやはり残るので、羊が苦手な方にはあまりお勧めではないかもしれません。ガーリックビーフはその名の通り、薄切りの牛肉にニンニクが大量にまぶしてあるもので、黒豚肉と同様に味は意外と淡泊でした。シュリンプペースト(エビ団子)は入れるとスープにエビの旨みが染みわたり、ダシをより一層コク深いものにしてくれますし、コリコリとしたタコの食感も火鍋によく合っていてお勧めの具材です。肉や海鮮類のエキスがしっかりとスープに出たところで、厚めに切った白菜や大根などの野菜を入れてみたのですが、確かにお肉や海鮮の旨味もほどよく染みわたり、最後まで美味しくいただけました。このお店ではダシの美味しさを味わってもらうために、タレをつけずに食べることを基本としていますが、ガーリックオイルやゴマ、辛味、シュリンプペーストの4種のタレも用意してありますので、途中で味に飽きてきたら頼んでみることも出来ます。

モンゴルの羊鍋は日本のお鍋に比べると、匂いや味のクセはあるかもしれませんが、漢方食材入りのスープとヘルシーなラム肉が体にも優しいですし、アメリカでもなかなか食べられない鍋料理の一つでもありますので、一度はトライする価値があるのではないかと思います。具材はラム肉の他にもスパムミートや白身魚、ほたて、特製のヌードル、それにうどんな日本人の口にもあうものも色々とありますので、はじめはオーダー式にして気になる具材から少しず試してみても良いかもしれません。ちなみに、バフェ式では具のおかわりは3回まで出来ますが、あまりにもたくさん残すと通常価格分を請求されることもあるそうですので、オーダーのしすぎにはご注意ください。

(10/02/2017)

漢方食材である香辛料が使われたダシには、白湯スープと麻辣スープの二種があります。	スープの後に具材が次々に登場。お肉の量の多さにびっくり。	ダシの美味しさを味わうために、何もつけずに食べることを勧められますが、4種類のタレもあります。
ダシをより一層深いものにしてくれる海鮮類はマスト。	豆腐やうどん、グラスヌードルといった麺類、それに野菜も色々あります。	ブーステーブルがメインのダイニングエリア。