今回ご紹介する『Bombay
Chopsticks』は、シャンバーグの有名なインド料理店『India House』のオーナーがオープンしたインドと中華料理のフュージョンのお店です。しかも、メインはインド料理ではなく、中華料理やタイ料理で、そこにインド料理特有のクミンやコリアンダー、それにターメリックなどのスパイスを用いた創作料理を出すお店です。私たち日本人にとっては全く新感覚な料理と出会うことができると聞いて早速訪れてみました。インド料理と中華料理というと一見接点が薄そうですが、実は中国からの移民がインドのコルカタ地方に移り住んだのをきっかけに、随分昔から中華料理はインドでも食べられていて、大都市を中心にこうしたインド風中華料理というものは、かなり普及しているのだそうです。勿論、インドの人たちが食する文化なので、牛肉や豚肉があまり使われないのも特徴。このお店でも牛肉の料理はメニューにはのっていないようでした。アメリカではIndian
Chinese Cuisineと呼ばれ、既にインド系の人たちの間では親しまれているそうなのですが、そんなお店が郊外に出来るという事はそれだけインド系移民がこのエリアにも増えているという事なのでしょうね。
大きなライオンの銅像が構えている入り口を入ると、店内には入ってすぐそばにバーがあり、天井には煌びやかなシャンデリア、そしてフロアにはシックな風合いの家具が配置され、エキゾチックかつゴージャスな雰囲気がたっぷり。キッチンはガラス張りになっているので、インテリアの一部としてシェフ達の調理している様子を見ることができます。かなり洗練された雰囲気のレストランなので子供連れはどうかなとも思いましたが、事前に連絡しておいたところ、キッズ・メニューも用意されているなど、意外とファミリー・フレンドリーなお店でした。インド系は家族主義だとよく耳にしますが、それが現れているのかも知れません。
まずはアペタイザーに、Chicken Munchuarian
Dry、Golden Fried Baby Corn、それにLamb Wontanを頼みました。チキン・マンチュリアンは小さくカットした鶏肉を揚げて、玉ねぎやニンニク、チリペッパーと一緒に和えたもので、ジューシーで香ばしいチキンとニンニクの香りが食欲をそそります。ベビー・コーンは外側のカリッとした食感と中のシャキシャキした歯ざわりが何とも言えません。かなりスパイシーですがビールとよく合う味で、ニンニクとネギの良い香りについつい箸がすすんでしまう美味しさです。そしてワンタンですが、これもお肉にラム肉が使われているのには『なるほど〜』のひとこと。玉ねぎや青ネギの餡を詰めたワンタンは、ぎっちりと入っているお肉の旨みが凝縮されています。パリパリ&カリカリに揚げられている皮の部分と、ジューシーな餡のバランスもよく食べ応えのある一品です。サイドについてくる辛いソースをお好みでつけながら、揚げたてアツアツのうちに頬張るのがオススメ。子供達用にはキッズ・メニューからOrange
Chickenをオーダーし、それにHakka Noodles を添えてもらいました。サクッと揚げたチキンには、ほのかにオレンジの香りがするちょっぴり甘辛いタレを絡めていて、大人も子供も親しみやすい味。ハッカ・ヌードルはインド風中華料理の定番料理なのだそうで、細めで柔らかい麺を野菜と一緒に炒めた、優しい味わいの焼きそばです。
ライス・メニューから選んだShrimp Fried Rice
はインド米のバスマティ・ライスが使われていて、少量の油でパラパラと仕上がっています。しっかりと塩味がきいていますが、食べた後にほのかにインド風のスパイスの香りが口に残ります。インド料理というとやはり『カレー』が浮かびますが、そこは『インド風』というだけあって、カレーのメニューもタイカレーしかないという徹底ぶり。そこで、ベジタリアン・メニューからココナツ・クリームをベースにしたタイカレー風の野菜炒め、Mixed
Vegetables in Thai Curryを選びました。レッド・カレーかグリーン・カレーから選ぶことができるので、今回はグリーン・カレーをチョイス。野菜がメインなお料理なので、ニンジンやベビー・コーン、玉ねぎ、ブロッコリー、カリフラワー、なす、ピーマン、そしてバジルなどの色とりどりの野菜がゴロゴロと入っています。お酢も入っているのか少し酸味もあり、レモングラスの香りと共に香ばしい独特な香りが鼻に抜けていくのも印象的でした。味付けは決して悪くありませんが、インド料理独特のスパイスが隠し味として入っているので、食べなれている一般的なタイカレーとは全く別ものとしてオーダーするのがよさそうです。チキン・メニューから選んだ、シェフのイチオシのKung
Pao Chicken は、細かくしたチキンをガーリックやチリペッパー、青ネギ、そしてピーナツと一緒に炒めています。鶏肉はいったん揚げてからソースに絡めているので、とってもジューシーで柔らか。かなり辛い一品ですが、ピーナツのクランチーな歯ごたえと甘みが良いアクセントとなっています。シーフード・メニューからオーダーしたSizzling
Pomfret は、揚げたマナガツオにオイスターソースや醤油ベースのとろみのあるタレをたっぷりとかけたもので、淡白でふんわりと柔らかい魚の身とコクのあるソースが抜群の組み合わせ。生姜と青ネギの風味豊なオイスターソースで、白いご飯がどんどんすすみます。骨があるのでちょっと面倒ですが、スプーンを使って身をほぐしながらいただきましょう。
デザートにオーダーしたBanana Pancakeは潰したバナナに衣を付けて揚げたのもので、外側はカリッと、中はモッチリとした食感は癖になりそう。余計な甘さはほとんどないので、サイドについてくるアイスクリームと一緒に食べる方が美味しくいただけるかもしれません。
ドリンク・メニューにもコニャックなどの高級なお酒があるなど、全体的に豪勢なムードがあるお店で、マティーニをはじめカクテル・ドリンクも数多く取り揃えられています。また、インポート・ビールの中にはタージマハールをはじめ珍しいインドビールもズラリ。食事の後にお酒を楽しむためにだけ訪れてもエキゾチックな雰囲気を味わえて面白いかも。
間違っても本格中華や本格インド料理しか食べられないという人にはお勧めしませんが、今までの『食』の常識を覆されるような体験を希望している方には是非試してもらいたいとてもユニークなお店です。
(1/17/2011)
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揚げたチキンをチリペッパーと一緒に和えたChicken
Munchuarian Dry。 |
カリッとした食感、シャキシャキした歯ざわりが何とも言えないGolden
Fried Baby Corn。 |
お肉の旨みが凝縮されたLamb Wontanは揚げたてのうちにどうぞ。 |
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キッズ・メニューのOrange
ChickenにはHakka Noodles を添えて。 |
インド米のバスマティ・ライスを使ったShrimp
Fried Rice 。 |
Mixed Vegetables
in Thai Curryは、伝統的なタイ料理に独特のインドスパイスを効かせています。 |
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シェフのイチオシのKung Pao Chickenは香ばしいピーナツがアクセント。 |
揚げたマナガツオに風味豊なオイスターソースをたっぷりとかけたSizzling
Pomfret。 |
バナナに衣を付けて揚げたBanana Pancakeは自然な甘味とメリハリのある食感がグー。 |
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インドの代表的なビール、タージマハールもお料理と一緒にいかが? |
エキゾチックかつゴージャスな雰囲気たっぷりの店内。 |
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HOUR: |
ロケーションよって異なりますので、電話またはウェブサイトでご確認ください。 |
お勧めのシチュエーション: |
軽いデート、会食、接待、二次会、ファミリー |
服装: |
カジュアル |
お値段: |
$$$$ |
(¢=$10以下、$=$10~$20、$$=$20〜$30、$$$=$30〜45、$$$$=$45+(ドリンク含まず)) |